『倍返しだ!!』のセリフがあちらこちらできかれていたころ、
本屋さんでは『文・堺雅人』の文庫本が平積みにされていました。
いくら『半沢直樹』が大ヒットしているからって、
それに便乗して文庫化なんて、や~らしい~、と思っていましたよ。
堺雅人人気が高い今だから、文庫化して売り上げを伸ばそうなんて、魂
...続きを読む胆ですか?
なんて、勝手に想像をしていました。
もともと人気があった俳優堺雅人。
『半沢直樹』の影響で、その人気はさらに高まることになりました。
正直なところ、私はあまりお顔が好きではなくてですね、すみません。
大河ドラマで大人気だったときも
「う~ん、どこがいいのだろう。おばちゃまたちにはたまらない
魅力があるのだろうか」と首をひねっていましたし、
ドラマ『大奥』で、「美しい」と形容されるたびに、違和感を覚えていました。
まぁ、私の男性の好みが世間一般とは違うのでしょう。
ちなみに、『半沢直樹』の一場面。
雨に打たれて帰ってきた半沢直樹。部下に手渡されたタオルで濡れた髪をふきます。
くしゃりと乱れた髪でキメ顔をした半沢直樹は、
まさに「水も滴るいい男」。
少しキュンとしたことをここに付け加えておきます。
何が言いたいのかというと、私にとって『俳優堺雅人』さんは、演技が素晴らしくて安心してみていられるけれど、
世間で言われているほど顔が好みではない、俳優さんの一人です、ということです。
堺雅人さんが出ている作品ははずれがないので、
ドラマは見ていますし、映画もよくみます。
見るたびに、違う顔を演じ分けていて、本当にすごい俳優さんだな、と思うのです。
今回、そんな堺雅人さんの本を手に取ることになりました。
先日本屋さんでみた『文・堺雅人』の続編です。
まったく期待せずに、さらっと読み飛ばすつもりでページを開きました。
ところが、想像に反して、私はやられてしまうことになります。
シンプルで美しい文章。
ちょっと笑わせてくれるところもあれば、シンミリとさせてくるところもあるし、
暑苦しく語られがちな演技論も、遠くから、ごく静かにしかし確実に語られている。
エッセイの最後には、書かれた当時に放送・上演されている作品の紹介がさらりと入れられているけれど、
いやらしさも感じさせられません。
それはまるで背筋がすっと伸びた『堺雅人』の姿そのもののようです。
なんか、すごい人だな、『堺雅人』。
読んでいる本も、役作りのためだけでなくて、
いろいろな分野の作品を読んでいるようだし。
『堺雅人』さんという俳優さんが、もっと大好きになりました。
お顔は私好みではないのは、やっぱり変わらないけれど(笑)
出身地宮崎の方言について語られる『孤独の方言』が一番スキ。