加藤節のレビュー一覧

  • リヴァイアサン(上)

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    画期的な〈自然権〉の概念の導入、「法は人を縛るのか縛らないのか」といった哲学的話題、私たちが当たり前に〈空気〉のように感じる〈法律〉の意味等について書かれた、トマス・ホッブスの法哲学の上巻。統治者を選ばず法を選ぶなら、法が聖書の文字通りの神を度外視して《リヴァイアサン》としての怪物が機能し、法に基づいて秩序を立てることを納得させる。

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    2026年01月02日
  • 完訳 統治二論

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    ロックの言う「自然法」とは物理法則のことであろうか?
    父の自然な権利によって、可能なことは権利があるのであるが、それをしない方が物事が上手く運ぶということは遥か昔に経験的に知られているために約束として禁じているのが社会契約である。
    悪いことは言わないので、昔の賢い人の言うことには聞く耳を持っておいた方がよいのである。その人個人に関する特殊利益がない場合には、共同体全体の利益に適する方向に行うべきであることを思い出せ。

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    2025年12月11日
  • 完訳 統治二論

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    課題読書なのでノートしながら読む。すごく体力をつかう。終わった時に感じる研究者って生き物のおぞましさ。ロックだぜ!
    読んでて頭に浮かぶのはヒトラーとか大東亜共栄圏とか日米安保とか憲法九条とか2次大戦が起源の出来事。これら市民政府論以後の統治問題に対して、市民政府論はどう解釈されるのか、されるべきなのか。(おそらくこれらはゼミ合宿での議論になる。)
    また、統治と言えば今我が国は人民信託が移行し、与党民主党の誕生を迎えた。世界混迷の今、慎重さと大胆さを兼ね備えた行政が求められることだろう。そんな時だからこそ、一度国造りの原点に立ち返ることには意味がある。慎重さと大胆さの両立を可能にするのは「ブレな

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    2009年10月04日
  • 民族とナショナリズム

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    ナショナリズムの近代主義者三人のうちの一人、ゲルナーの本です。ゲルナーは、社会が前近代から近代に移行し、そこにおいて流動的な人々をまとめるために学校教育と識字率の向上を国家が主導的に行った事から民族(nation)が生じるとといています。
    すなわち、ゲルナーはナショナリズムは、近代になって生じたものであるとみなしており、こうした見解を採用している研究者を近代主義者(modernist)といいます。
    彼の本の展開は非常に説得的で、否定するのはなかなか難しいと思います。
    訳も非常に読みやすいので、ぐんぐん引き込まれますし、気づいたら一日で読めてしまった、というぐらいです。
    お勧めですよ。

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    2009年10月07日
  • 民族とナショナリズム

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    「民族」「国家」そして「ナショナリズム」がいつの時代からどういった由来で出現したのかを、社会システムの観点から説明されている。
    ナショナリズムとは、社会の構成員全体が、読み書き/四則演算を基礎とする高文化に参加し、文化文化レベルで同一化されている状態。その状態において、政治的/文化的境界が一致する範囲が国家であり、その領域内で生活する人々が民族である。
    農耕社会(=封建制≠国家モデル)においては、「政治権力の集権化」と「文化/認知の集権化」の作用が独立的であるため、「支配/知識層」と「被支配農奴」はそれぞれの層において、再生産を繰り返す力学が働き、高文化の普遍化が進まない。(文化/階層の流動

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    2024年02月03日
  • 完訳 統治二論

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    自然状態は平和であるが、たまに徳のない人間がいるため、人々がお互いの安全のために結び付き、国家を作る。その後、統治する者と統治される者の関係を決める。統治する者は人民の福祉を促進することを約束し、統治される者は服従を約束する。統治する者(主権者)は絶対ではなく、法によって拘束される。ザムエル・プーフェンドルフPufendorf『自然法と万民法』1672

    神はアダムに一切の事物を支配する権限を与えた。アダムの権限はその子孫である各国の君主に代々受け継がれてきた。だから人間は生まれつき自由ではなく、人間はアダムの子孫である国王に服従すべきである。王はアダムに与えられた現世の支配権を継承しているた

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    2025年04月26日
  • 民族とナショナリズム

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    民族とナショナリズムについての古典的名著。どのようにして民族・ナショナリズムという概念が人類に生まれたか、またなぜ不可逆的かが綴られてます。

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    2022年11月25日
  • 完訳 統治二論

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    前半がまるまるフィルマーの王権神授説を批判することにあてられています。明らかに論理的に破綻しているフィルマーの説を論破するわけですが、彼の根本の前提を否定してはい終わり、というわけにはいかないらしく、仮にそれが正しかったとしたら、と仮定を置いてその後の議論も全て論駁していくというスタイルです。とても長くて読みにくかったです。そうでもして徹底的に批判しておかないといけないほど、一般的にフィルマーの説が信じられていたということなのかもしれません。

    後半はいよいよロックの社会契約説が展開され、面白くなります。論の展開は明確でわかりやすく、現代の視点で読んでもおおむね納得できる気がします。

    ホッブ

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    2022年11月19日
  • 民族とナショナリズム

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    ナショナリズム論の古典の1つ。

    ナショナリズムという難題にかなり大きな視点で、歴史学や人類学、政治学などなどの視点を踏まえつつ、哲学的にアプローチしている。

    ざっくりいうと、農業社会から産業社会への変化と支配的な文化とサブの文化との関係から、ナショナリズムをかなり明確に定義することに成功している気がする。

    が、情報の圧縮度がかなり高くて、難しいので、また後日読み直す必要ありかな?

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    2021年10月05日
  • 民族とナショナリズム

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    民族とナショナリズム
    (和書)2011年02月13日 22:44
    2000 岩波書店 アーネスト ゲルナー, Ernest Gellner, 加藤 節


    佐藤優さんの選書であったので読んでみました。

    僕にとっは難解な部分もあり分かり易いと思えた部分を引用させて貰います。

    『・・・もしカントとナショナリズムとの間に何らかの関係があるとすれば、それは、ナショナリズムが彼に対する反動であって、彼から派生したものではないという関係なのである。・・・』

    カントと柄谷さん、そして佐藤優さんの選書であるアーネスト・ゲルナー。ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」も良かった。

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    2020年09月27日
  • 完訳 統治二論

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    アメリカ独立宣言の理論的基礎となったとされる本書(1690)については、同じ岩波文庫で『市民政府論』としてかなり若い頃に読んだのだが、これは原著の後編に当たる。
    ということで、前編を読んだのは初めてだが、ロバート・フィルマーとかいう人の、王権神授説の流れを汲む著作に対する執拗な批判がもっぱら展開される。フィルマーの『パトリアーカ』はもちろん読んだことないが、本書を読む限り、かなり恣意的に聖書を曲解し、父権と王権を同一線上に置くなどと言うヤワなことが書いてあるらしい。ロックの批判はじゅうぶんに論理的である上に、ところどころユーモアさえ交えて、面白い。
    さて後編はロック自身による統治論が展開される

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    2015年09月21日
  • 民族とナショナリズム

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    ネタバレ

    「ナショナリズムとは、第一義的には、政治的な単位と民族的な単位とが一致しなければならないと主張する政治的原理である。(P1)」と定義し、ナショナリズムは極めて特殊な愛国主義の一形態であり、その特性は(1)同質性、(2)読み書き能力、(3)匿名性である、と説く。
    ナショナリズムは国家のない社会には発生せず、また民族はナショナリズムから生み出される、という展開やナショナリズムは恣意的な選択によって文化を根本的に変造してしまうし、文化的多様性を説きながら同質性を強要するという説明に納得した。
    「ナショナリズム」と「文化を愛し国を大事にする」ということを同一視しないようにすることは今の時代に重要だと思

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    2015年04月05日
  • 完訳 統治二論

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    美しい世界観。小気味のよさ。
    神がいる人にとって、世界はこんなにも明るいものなのだな、と感じる。

    神、身体と理性とを与へ給へり。
    肉体労働、価値物うみいだす。
    理性、自然法を教ふ。
    政、法によりて身体と財物とを保護す。

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    2014年06月09日
  • 完訳 統治二論

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    彼の特徴は、
    労働をもとにした所有権、
    自己保存の目的を徹底した抵抗権の主張にある。

    前者はどういう発想から来たのかいまいちわからないが、
    後者について言えば、人民の抵抗権はホッブズが渋っていたように、平安を希求する目的が初発にあるにもかかわらず、統治に不満があれば騒乱となりうるため、容易に認めるべきではない、とこれまで見られてきたように思われる。
    ロックは、そのことについて自覚的であるために、革命権を認めたところで、頻繁に革命が起るわけではないことを力説する。

    ロックのその弁に説得力があるかどうかは別にして、
    社会統治の方法やその都度の判断に関して、別の可能性を常に残しておくことは必要で

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    2012年05月06日
  • 民族とナショナリズム

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    アンダーソン、スミス と並び、ナショナリズム三大古典と言われる、ゲルナーの「民族とナショナリズム」

    自分が専門でもなく、読み飛ばしたのもあるが用語が自分にとって難解な面があり、全てを理解したとは言い難い。でも、定義や結論(要約)があるので、比較的わかりやすい。佐藤優氏によると否定神学をもちいているのだとか?

    私の理解では、時代が、農耕社会から産業社会に移るときに分業が必然となり、そのために必要とされることがある。それは、文化が国家を必要とするように、民族が高次元のコミュニケーションをすることが必然となるからである。そのためには、教育等の手段を共有財産としなければならない。

    すなわち、ナシ

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    2012年08月23日
  • 完訳 統治二論

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    ロックの『統治二論』の新訳にして完訳。名誉革命の擁護、理性の重視といった従来のロック解釈に依らず、神の被造物としての人間の政治社会について論じた著作という点に注意して読むと、ロックと現代の断絶、そして幾許かの連続性がわかるというものである。

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    2011年06月30日
  • 民族とナショナリズム

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    明確な定義を得ずに語られがちな2つの概念について、正面から向き合って分析、説明を試みている。ソ連現役の頃の著作なだけに現状の複雑さを説明しきれていない部分もあるが。手強いが良書。今後、この手の議論が盛んになるだろうが、その際に基礎的素養として押さえたい。あくまで定義や分析に徹しており、ほとんど善悪は問わず、評価、予測なども行っていない。

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    2010年03月14日
  • 完訳 統治二論

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    しゃ、社会契約論。。。いえーいいぇいいぇいロックロック。ロックオン。父性、専制、労働に伴う所有権、おもろ

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    2009年10月04日
  • 民族とナショナリズム

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    佐藤優の紹介で読んでみたが、いまいちピンとこなかった。
    近代国家がナショナリズムの枠組みを決める点、
    文化には①野生文化と②園芸文化とがあり。
    ①は自然発生的、②は①を基にするが国家機関等の下支えにより強化される。

    しかし、民族の捕らえ方として、一定の文化を共有していると書いている気がするが、民族とは人種・血縁と似た概念ではないのか?
    文化・人種・国籍いろいろな点かせ更に思考が必要だと思った。

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    2011年01月10日
  • 民族とナショナリズム

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     ナショナリズムに関する古典的著作の一つ。ナショナリズムについて、政治的な単位と民族的な単位が一致していなければならないとする政治原理と簡単に定義付け、ナショナリズムの第3世界におけるその野蛮性や暴力性、排他性が指摘される中で、むしろナショナリズムとは高度な文化、読み書き等の教育の普及と言語的統一、官僚制度や国家的枠組みの発展、そして共同体内部の同質性を持ってして初めて可能になる近代的な愛国主義であると述べる。
     ゲルナーの議論は、文化本質主義者や民族等を所与のものと見なす論者への批判としては部分的に有用であるが、現代においてはその欠点をあげれば枚挙にいとまがない。第1に、ネーションと民族、あ

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    2009年10月07日