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ユーザーレビュー 民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー / 加藤節 ナショナリズムの近代主義者三人のうちの一人、ゲルナーの本です。ゲルナーは、社会が前近代から近代に移行し、そこにおいて流動的な人々をまとめるために学校教育と識字率の向上を国家が主導的に行った事から民族(nation)が生じるとといています。 すなわち、ゲルナーはナショナリズムは、近代になって生じたもの...続きを読むであるとみなしており、こうした見解を採用している研究者を近代主義者(modernist)といいます。 彼の本の展開は非常に説得的で、否定するのはなかなか難しいと思います。 訳も非常に読みやすいので、ぐんぐん引き込まれますし、気づいたら一日で読めてしまった、というぐらいです。 お勧めですよ。 Posted by ブクログ 民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー / 加藤節 「民族」「国家」そして「ナショナリズム」がいつの時代からどういった由来で出現したのかを、社会システムの観点から説明されている。 ナショナリズムとは、社会の構成員全体が、読み書き/四則演算を基礎とする高文化に参加し、文化文化レベルで同一化されている状態。その状態において、政治的/文化的境界が一致する...続きを読む範囲が国家であり、その領域内で生活する人々が民族である。 農耕社会(=封建制≠国家モデル)においては、「政治権力の集権化」と「文化/認知の集権化」の作用が独立的であるため、「支配/知識層」と「被支配農奴」はそれぞれの層において、再生産を繰り返す力学が働き、高文化の普遍化が進まない。(文化/階層の流動性が低い) しかし、産業社会(=国家モデル)の時代に突入すると、「理性の発見」「(経済)合理性の発見」に伴い、人間の一元体系への統一化による階層間(文化間)の流動性が高まり、そこに永続的な成長概念(資本主義)が重なることで、高文化の普遍化に向かう力が働くようになる。高文化への統一に伴い、職業などの階層の流動化も高まり、生産性向上のための同一の訓練を実行するための役割として「国家」が求められるようになる。ここにおいて、「国家」と「文化」が結びつき、「民族」が生まれ「ナショナリズム」が発現する。 「国家」「民族」「ナショナリズム」とは、産業社会が生み出す1つの帰結であり、産業化=ナショナリズムではない。 政治と文化の範囲が一致したのは、産業社会のみではなく、農耕社会でもそれらの一致が見られることはあった。しかし、ナショナリズムの時代においては、上記の一致が必須条件となっている。 ナショナリズムの将来に関する予測としては、「縮小」と「拡大/強化」に二極化しているが、それぞれの揺り戻しや中間点に答えがあると著者は考えている。 <メモ> ・農耕社会においては、文化権力は水平的に、政治権力は垂直的に分割する力が働く ・高文化の普及に伴い、宗教においても(読み書き能力獲得により)聖書と向き合う「個人」に着目される ・政治的/軍事的弱者として存在する代わりに、強い権力を伴う専門職(金融など)の独占を与えられた集団(ユダヤ人など)は、ナショナリズムの時代においては「国家」「民族」において浮遊した存在であるにもかかわらず経済的優位を持つため迫害などの悲惨な状況に陥った ・ナショナリズムの強化における「メディア」の役割は「何を伝えたのか」ではなく、メッセージを受け取れる(文化/言語的に)同一性を持つ人とそうでない人を分別することにある Posted by ブクログ 民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー / 加藤節 民族とナショナリズムについての古典的名著。どのようにして民族・ナショナリズムという概念が人類に生まれたか、またなぜ不可逆的かが綴られてます。 Posted by ブクログ 民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー / 加藤節 ナショナリズム論の古典の1つ。 ナショナリズムという難題にかなり大きな視点で、歴史学や人類学、政治学などなどの視点を踏まえつつ、哲学的にアプローチしている。 ざっくりいうと、農業社会から産業社会への変化と支配的な文化とサブの文化との関係から、ナショナリズムをかなり明確に定義することに成功している...続きを読む気がする。 が、情報の圧縮度がかなり高くて、難しいので、また後日読み直す必要ありかな? Posted by ブクログ 民族とナショナリズム アーネスト・ゲルナー / 加藤節 民族とナショナリズム (和書)2011年02月13日 22:44 2000 岩波書店 アーネスト ゲルナー, Ernest Gellner, 加藤 節 佐藤優さんの選書であったので読んでみました。 僕にとっは難解な部分もあり分かり易いと思えた部分を引用させて貰います。 『・・・もしカントとナ...続きを読むショナリズムとの間に何らかの関係があるとすれば、それは、ナショナリズムが彼に対する反動であって、彼から派生したものではないという関係なのである。・・・』 カントと柄谷さん、そして佐藤優さんの選書であるアーネスト・ゲルナー。ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」も良かった。 Posted by ブクログ アーネスト・ゲルナーのレビューをもっと見る