野島秀勝のレビュー一覧
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カフカのところだけ。
「変身」について場面ごとにひとつひとつ解説していて、この評論を読めばあらすじどころかストーリーを完全に追えちゃうという細かさ。
最後にグレゴールが死に、家族が晴れ晴れしているシーンを取り上げて、「虫になったグレゴールの心は人間のままだったが、周りの人間の心は虫けら同然だった」と切り捨てる。...これは確かにプロットとしてはすっきりするが、本当にそうだろうかと少し疑問が残った。この対比は「断食芸人」のなかの芸人と豹の対比を思い起こさせる。つまり醜い死に損ないが死ぬことで、それに代わって若く美しい生命が躍動するというイメージだ。ここで豹であるところの若く美しい妹の心が虫けらだ -
Posted by ブクログ
「文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年がすぐ後ろを一匹の大きな灰色の狼に追われて、ネアンデルタールの谷間から飛び出してきた日に生まれたのではない。文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年が走ってきたが、その後ろには狼なんかいなかったという、その日に生まれたのである」
とりあえず上巻。「ロリータ」で有名になる前のナボコフ先生が大学で文学を教えていた時の講義録。上巻は、オースティン、ディケンズ、フロベール(下巻はスティーヴンソン、カフカ、プルースト、ジョイスとのこと)。
文学はフィクションであるというその一点を徹底的に突き詰めて、文体の奥の奥まで読み込んでいく。そこまで読み込むか、と -
Posted by ブクログ
「シェイクスピアは最高の政治学古典」
と舛添さんが言っていたので、
早速読もうと買ってみた(単純)。
…いや、戯曲って読みづらいね。
台本だもん。
言われているようにシェイクスピアの言い回しや
比喩や暗喩や一部下ネタは鋭く感銘を受けるのですが、
翻訳で読むのは限界があるんだろうなぁ。
岩波書店verは注釈が豊富についているので理解が深まります。
最初は注釈を無視して読み、二度目に注釈を熟読しながら
読破するのが正しい読み方かと。
…まあ二度読みたいかと言われると…アレですが。。
現代小説のが結局面白いと思ってしまう僕は
きっといまどきの若者か学がないかのど