西垣通のレビュー一覧
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ネタバレ[集合知定理]
集団誤差=平均個人誤差−分散値 p50
生命体である人間は「オートポイエティック・システム(autopoietic system)」、機械であるコンピュータは「アロポイエティック・システム(allopoietic system)」というわけだ。p104
(前者は「閉鎖系」で、後者は「開放系」p105)
Cf. ルーマン「機能的分化社会理論」
きわめて粗っぽく図式的に整理すれば、規模が小さいときは共同体主義が有効だが、大きくなるにつれその有効性は急激に減少し、相対的に自由主義の有効性が増していく。そして功利主義は、両者の中間的性格を持っている。より正確にいうと、自由主義は規模 -
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「基礎情報学」から4年経って出版された本。階層的自律システム(階層的オートポイエティックシステム)と呼ばれていたものは、HACSという新たな呼び方になった。そのHACSは、心的システム、社会システムを表すものだという認識だったが、生命体や神経システムなども表せるという新事実が明らかになり、非常に混乱した。ちょっと無理があるというか何でもありな感じがしてしまう。HACSの概念を、他の学問との類似点や相違点を挙げつつ説明していくのだが、これが同じことが何度も繰り返し述べられていて非常に冗長に感じた。既視感におそわれること数十回。なんだか疲れた。期待されるタイプIIIコンピュータについては、具体的な
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情報にまつわるさまざまな問題を包括的に扱う情報学という学問の立場から、人間の心について論じた本です。
本書では、人間を単なる情報処理機械と考える立場が退けられ、みずから情報を創生するオートポイエーシス・システムとして捉えるべきだとされています。ただしそれは、歴史的に形成される自己循環的な閉鎖系であり、それゆえ人間の心を理解するためには、生物の進化史をたどる必要があるとされます。こうして、動物の心から検討を始めて、人間の意識がどのようにして形成されたのかという、大きな問題についての見取り図が描かれることになります。
さらに著者は、人間の心をアフォーダンス理論を手がかりにして考察しています。た -
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3つの章に分かれていますが、とくに人間の心は、論理的な推論をおこなう機械として捉えることはできないということを解説している第2章が、興味深く読めました。といっても、すべてが理解できたわけではありませんが、自分なりにまとめると次のようになるかと思います。
生物は、外部からの情報に反応する機械ではなく、身体を通じて生きることで固有の環境世界を創生しているオートポイエーティックなシステムだという考え方が、紹介されます。しかし、オートポイエーティックなシステムは「閉じたシステム」だと考えられています。では、私たちが相互に意思を通じ合っていることは、どのようにして説明されるのでしょうか。この問題につい -
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ネタバレ「知とは何か」という問いかけは、決して、暇つぶしのペダンティックな質問などではない。むしろ、命がけの生の実践にかかわる問いかけなのだ。
前書きの1文を見ただけで、購入して失敗したと実感
小難しい単語を並べて、自己満足している学者チックな著者なのだと。案の定、本書は権威がありそうな他人の主張を参照するのみで、著者の意思が感じられない、いわゆるつまらない論文チックな文章となっている。
題名だけを見てネットで購入すると、たまに買ってしまう残念な一冊でした。
ペダンティック:pedantic
物知り顔の、学者{がくしゃ}ぶった、学者{がくしゃ}ぶる、知識{ちしき}をひけらかす (www.al -
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相変わらず難しいけれど、他に似た本に出会ったこともないくらい独特で刺激的な内容。情報という切り口から、生命や社会を考察している。前著では、生命活動のレベルで終わっていたのが、今回はもう一歩進んで社会システムまで階層的自律コミュニケーションシステムによって基礎付けられている。
情報というと、ITをはじめとしてクールなイメージなのだけど、これを読むとそうではない側面が見えてくる。情報こそが、生命活動や社会システムを駆動させるもので、それによって生命や社会が絶えず再構成されていく動的なシステムになっていることがわかる。こういう視点からすれば、生命を機械のように扱うことも、生命の絶対的な優位性を主張す -
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安い、たったの720円+税
税込み表示してないとこから、ちょいと前の本だってわかる
個人的には、タイトルは胡散臭い感じちょっとですが
中身は値段以上のものを提供してくれます。
「新書」という内容な事は忘れずに あくまで新書です
情報という観点から、1900年代初頭あたりから現代までの
各分野の中での出来事を取り上げながら、丁寧に説明していきます。
そういう意味で、哲学や科学の分野の理論書に初めて触れる人には比較的、良書と言える気がします。これを読んで、ここに出て来る人名を検索エンジンで調べてと、知識を広げるきっかけを強く作ってくれる本と言えるでしょう。
また、同時に一回り