西垣通のレビュー一覧

  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    専門知・客観知への疑念が持たれるようになった原発事故以降、ネット上の集合知が見直される風潮があるが、それに対して警笛を鳴らしているのが本書。
    興味深いのは、本書の著者がコンピュータやソフトの開発に携わったこともあり、現在は情報学の第一人者とも言える人物であるということ。IT礼賛に傾いているかと思いき...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    情報工学の専門家によるビッグデータと人工知能に関する本。主として人工知能について、どういうものかが説明されている。今後どうなっていくかについては、人間の脳に並ぶとか超えることは考えられないというのが結論。人間の脳と同じような仕組みを目指すというような研究開発は失敗する可能性が高く、安易に乗らないこと...続きを読む
  • こころの情報学
    新書だったが、ちょうどいま気にしているイシュー、例えば人工知能や生命についての哲学事項、が整理されていて、意図せずとても参考になった。

    デカルトの二元論の否定から始まり、生命システムの定義や、「言葉」の心的システムに対する意味や、社会体制に対する意味など、大いに参考になった。

    特にアフォーダンス...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    単なるバズワードの解説本ではない。
    シンギュラリティに騒ぐ世間を批判し、AIではなく、IA (Intelligence Amplifier)こそ来たるべき未来だと説く。地に足をつけて、自分もこの時代のエンジニアとしてコンピュータの可能性を広げていきたい。
  • AI原論 神の支配と人間の自由
    人工知能とは?をこの厚さでよくまとまってます。
    なので、もう少しツッコミたいひととか、バックグランドの知識がないとちょっとわかりにくかも。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    シンギュラリティ。最近よく聞くこの言葉を真っ向から否定する、わかりやすい論考だった。
    フレーム問題の記述では、某厚労大臣のごはん論法を思い出した。そうか、あの違和感は人と話している感じがしないことからくる違和感なのかと変に納得した。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    最近、何冊か人工知能関連の本を読んだが、本書が一番納得感があった。ディープラーニングはビッグデータを統計的に処理する手法の一つに過ぎず、今の技術の延長に汎用人工知能はない。その論拠を、機械と人間の違いから説明していく。
    人工知能という言葉は何かと誤解を招きがちなので、本書のような主張は、メディア等で...続きを読む
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    軽い気持ちで読み始めたらかなり哲学的で大変だった…。集合知どうこうと言うよりも、今後の情報化社会やAIが活躍(?)する社会に不安を感じる人が安心できるような本かもしれない。生命体と機械って何が違うの?ということに対する記述箇所が面白かったと思う。(なるほどと思った)ただ今後、その違いすら埋められてい...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    情報を専門とする学生にぜひ読ませるべき本である。ただし、これをそのまま卒論の資料にはできないので、あくまでもどう考えるかの本とするべきである。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    2045年 人工知能が人類を越えるーーシンギュラリティ(技術的特異点)仮説。

    中公新書にしてはやけに感情的な文章。
    著者の主張を端的に言うと、人間と機械はどこまでいっても違うのでシンギュラリティなんて来ないよ、といったところか。

    1956年 米国ダートマス会議から人工知能ははじまった。
    以降、厳...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    自分が大学生の頃に携わった人工知能研究は、第2世代のブームだったようだ。
    当時は、素直にプログラムを書いて、コンピュータに処理させれば良いことを、自然言語処理をさせて、プログラムを書かなくてもコンピュータが人間の意図を理解して、処理するという状況を目指していたと思う。
    第3世代のブームである現在は、...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    AIを技術的側面からではなく、社会科学的な側面から捉えたいと考えている人に最適。
    生物と機械の違いが本書の基本テーマ。感銘を受けた。
    しかし、「AIは仕事を奪わない」という主張は、現実の労働市場を知らない学者さんの意見という印象で、同意できない。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    「ビッグデータと人工知能」
    しばらく前から社会にあふれるデータをビッグデータと言って話題にはなっていた。そこに来て、囲碁でコンピューターが人間に勝ったと言うことで人工知能が急に脚光を浴びるようになってきた。
    その上、2045年にシンギュラリティが起こるという予測を楽観論、悲観論を合わせてマスコミが煽...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    世の中にやたら大量のデータが溢れ出し、データの特徴は3V(量、多様性、速度)。
    ビックデータで何が嬉しいか、「データが富を生む」という発想。

    日本だけでなく多くの経済先進国では以前ほどの経済成長率を見込めない一方、増大し続ける社会保障費のために苦しんでいる。これを賄うために増税すれば国家財政は健全...続きを読む
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    あとがきの日付が「2012年11月」となっているので、3年と5ヶ月前になる。
    この間にITがいかに進歩したかを感じる。
    なんといっても今月、AlphaGoがリ・セドル九段を破った事実は、ディープラーニングがITの世界にパラダイム・シフトをもたらした。
    本書は、このディープラーニングという閉鎖システム...続きを読む
  • 基礎情報学 : 生命から社会へ
    社会情報学ないしは情報社会学なる分野は未だ確立されていない。社会学方面、工学方面からのアプローチに加えて、医学生理学方面からのアプローチが足りないのが一因か?
  • 続 基礎情報学 : 「生命的組織」のために
    情報-その本質は生命による「意味作用」であり、意味を表す記号同士の論理的関係や、メディアによる伝達作用はむしろ派生物にすぎない。言葉の意味はいかにして私の心から他者の心へ伝えられるか。意味内容が他者間をまるごとそっくり移動するなどほんとうに可能なのか。社会的コミュニケーションはいったいなぜ可能なのか...続きを読む
  • 基礎情報学 : 生命から社会へ
    基礎情報学の入門書、「生命と機械をつなぐ知」を先に読んでいたので、内容的にはすでに大体のところは把握済みだった。入門書と同様の内容が丁寧に書かれている。最後はインターネットシステムについての可能性について述べられて終わる。この本は2004年出版のものだから、入門書の方が基礎情報学としても先に進んでい...続きを読む
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    基礎情報学の祖、西垣氏の本。内容は、基礎情報学がベースとなっていて、おさらいしつつ集合知を考えていく。文中で紹介されている、平野啓一郎「私とは何か」、西川アサキ「魂と体、脳」に出会えたことが収穫。
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    前半部分,西垣通にしては分かりやすいと思ったが,やはり途中から難解に.
    しかし,おぼろげながら雰囲気は分かったかも知れない.
    逆に雰囲気しか分かっていないのかも.
    とりあえず「みんなの意見は案外正しい(The Wisdom of Crowds)」というのは読んでみないといけないな.