世の中にやたら大量のデータが溢れ出し、データの特徴は3V(量、多様性、速度)。
ビックデータで何が嬉しいか、「データが富を生む」という発想。
日本だけでなく多くの経済先進国では以前ほどの経済成長率を見込めない一方、増大し続ける社会保障費のために苦しんでいる。これを賄うために増税すれば国家財政は健全
...続きを読むになるものの景気が悪化し逆効果を生むかもしれない。もっとも望ましいのが技術革新によって斬新な商品やサービスを生み出し、経済活動そのものを活性化すること。
ビックデータの利用で「人々の個別の細かい好みに応じた新たな消費需要をビックデータ分析が掘り起こす可能性」が生まれる。(マッチングの精度を高める)
途上国であれば平凡な規格品でも需要は大きい(マスプロ型)が、先進国では個人の好みを踏まえた多様なカスタムメイドの商品やサービス(パーソナライズド)でなければ消費活動が滞る。
(そうすると個別化の行き過ぎの先に少し揺り戻しが来たり、そのあたりのゆらぎを繰り返して最適値を目指すはずだな)
インダストリー4.0(ドイツが国策として推進)ースマート工場
先進国の共通事項。国内の労賃が高いので大量生産される規格品の中の価格競争では新興の開発途上国にとても太刀打ちできない。そこで生産拠点を労賃の安い開発途上国に移したのだが、これは技術ノウハウの流出や国内の雇用不安と失業率増大、さらには経済格差の拡大を招いてしまった。製造業を国内に戻すことが特効薬とみなされている。
スマート工場:人間はいないが労働の質が変わる。製造業に多くの人出が必要。現場の単純作業は不要になっても製品設計、工程管理、ロボット保守、そしてデータを扱うコンピュータのハード/ソフトの開発維持の手間ははるかに増える。
ビッグデータは社会の富を増すだけでなく、「社会的安全性」を高めると期待されている。
老朽化したインフラメンテのためのビッグデータの分析および予測。自然災害の脅威などからも張り巡らされたセンサーによって位置情報等をはあくして高度できめ細やかな対応が可能に(管理社会?)災害避難の際の経路誘導
各種資源の有効活用。化石燃料、水など。予防医療。
プライバシー侵害の恐れ
基本的人権と社会的安全性の両立はビッグデータとプライバシーをめぐる最大の課題。
人間周りの解析にはデータは主観的要素が含まれすぎるのでは?
因果から相関へ。強調フィルタリング。
演繹ー数学的(論理的思考)一般ルールと個別条件が成り立てば帰結は成立する
帰納ー科学者(例外を除けば)個別事実と個別条件を組み合わせて一般ルールを導く
仮説推量(アブダクション)個別事実と個別条件を導く。ある一般ルールの存在を前提にしてこの事実が起きた背景にこの条件が成り立つ
人工知能
暗記はコンピュータに勝てない
コンピュータの難題は意味理解と適切なデータ検索(マッチングまたは最適化問題)
人工知能で真面目に問題を解こうとすれば一般的で抽象的な知識命題群のうち、どれを推論操作にいれればよいのかの選択が常に問題になる。フレーム問題、言い換えればコンテクストを読むこと
並列推論マシンの失敗。逆の発想のインターネットが盛り上がった。クローズドかオープンか。
根本的な原因はリーダーたちが知識や論理、そして特に言語コミュニケーションというものに対する洞察を欠いていた点。
立ちはだかっているのは自然言語で表される人間の知識をいかに論理命題として表現すべきか。どうすれば具体的問題を解決できるか。そのための条件は何かなどの問題。
パターン認識:あいまいな対象を多少のミスがあっても大雑把に認識して分類する作業
>人間の知的能力はもともと柔軟で多次元的なものであり、その最大の特徴は状況に応じて臨機応変に問題に対処できること。
>コンピュータはプログラム(前もって描かれたルール)によって動く。つまり過去によって支配されている。人間は「現在の時点」で判断しながら生きている。
>自分は前者に近いし、これだとなぜ動的な人たちが「意味」を取れるのかわからない。動的な中に多少静的な部分がないと難しそう。混合体じゃ?
>機械は静的な再現可能な存在で、人間は絶えず自分を変えながら生きる動的な存在。
この宗教や思想観と人工知能の思想というか学術思想の関連に関しては非常に興味あるテーマなのだが、この本だとユダヤ=キリスト教思想を一緒くたにしすぎている嫌いがある。少なくとも二つには別れており、それらは非常に仲が悪いわけで。。
日本のIT専門家がシンギュラリティ仮説を論じるのは、欧米の秀才がそれを信じていて、予算を握っているため。
課題としてはこの日本人の宗教盲だろうな...たぶん