西垣通のレビュー一覧

  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    副題を意識しないままに読みはじめた。人工知能を完成させるためのビッグデータ……そんな誤解があった。しかし、本書を読み進めるうちに、人工知能に対する誤解や、SFに出てくる「意思」を持った機械、人類に君臨するコンピュータが出現することの困難さを理解できた。p.147「そういう疑問をふまえて、近未来のコン...続きを読む
  • AI原論 神の支配と人間の自由
    表題からはよくあるAI進化論の類かと思っていたが
    シンギュラリティ論から真っ向に対立するような骨太の議論が繰り広げられており、宗教や近代哲学の領野にも踏み入れながら斯様に人文的な見地からAIを解釈し直すと筆者の力量もあってやはり面白い。再読。
  • AI原論 神の支配と人間の自由
    AIについては全くの素人なのですが、著者の本は何冊か読んだことがあり本書も手に取りました。結論から言うと非常に面白かったです。独特な視点からAIに切り込んだ書籍だと言えます。本書はAIの技術的な解説書ではありません。そのような本は巷にあふれています。著者がこの本で指摘するのは、日本でAIを研究してい...続きを読む
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    西垣さんの本は「ビッグデータと人工知能」(2016年)を読み、とても面白かったので、少し昔に書かれている本書を手に取りました。個人的には集合知とは何で、ネット時代にどういう意義があるのかを知りたいと言うことで購入しましたが、読み終えた感想は、集合知以外のところというか、知のそもそものあり方についてと...続きを読む
  • 超デジタル世界 DX,メタバースのゆくえ
    情報について、もっとも新しく述べている本である。政府の提唱するDXとメタバーズについて批判的分析をおこなっている。最後では情報Iで重視されたプログラミング教育について、非常に狭いシャノンの情報概念としてユダヤ=キリスト概念にそったものであることを看破している。
     情報メディア論として大学初年度の学生...続きを読む
  • 超デジタル世界 DX,メタバースのゆくえ
    2024/03/02 西垣通 「超デジタル世界」
    デジタル基本書として類書にない傑作。「技術論+哲学」の構成。
    デジタル技術の本は数多あるが、人類古来の社会哲学を踏まえた「デジタル文明論」は初めて。そもそも情報系の学者さんで、著者ほど古今東西の哲学に造詣の深い方は少なくとも日本には居ないと思う。
    ...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    近い将来AIに人間が振り回されるという状況にならないように、新設されるデジタル庁の方々にぜひ読んでいただきたいものだ。
  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか
    AIが最近では大きな話題になり、人間はAIをどう使うのか、いやAIに人間は使われる時代がくるのではとの予想もありうるという時代になってきた。
    本書では、AIはあくまでも人間が作りだしたものであり、人間の作るプログラムやアルゴリズムの元でのみ作動する機械であり「自律型機械」には決してなりえないと説く。...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    著者の作品は記憶にあるだけで、過去に2冊読んでいた。
    「マルチメディア」「マルチメディア」
    多分そのときにはそれほど印象に残らなかったのだが、今回は非常に感銘を受けた。

    80年代からAIをタイトルにした著作があり、コンピュータの専門家である。
    本作は比較的平易に書かれわかりやすい。

    最も興味深か...続きを読む
  • 角川インターネット講座6 ユーザーがつくる知のかたち 集合知の深化
    AIかIA(知能増幅)か?全自動と人の補助ツール
    集合知は知は個人に宿ると考えている欧米人には新鮮だった。
    牛の体重当てのような一般人の投票の平均が正解にほぼ近くなるのは、その中に見識者もいてそれが、平均を是正しているかも。なので母集団が完全ランダム(無知)だったり、偏見・迷信があれば集合知は正しく...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    昨今のIT産業の背後にある文化的な思い込みというのが非常によくわかる。技術は中立であるが、その運用やそれを取り巻く言説は、中立ではありえない。
    つい先日読み終えた「ダーウィンの思想」と同様、科学の成果の背景にある考え方を強く意識する必要がある。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    ずっと日本のコンピュータの進歩に携わってきた著者のAIに対する俯瞰した冷静な視点を知りたくて開いた新書でした。が、熱い熱いアンチ・シンギュラリティ論でした。その熱さは著者も関わった1980年代の日本の第五世代コンピュータプロジェクトの失敗体験から来ているのかもしれません。シンギュラリティを礼賛するカ...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    今のIT業界のホットトピックである「AI」と「ビッグデータ」(ついでに「IoT」も)について、客観的かつ分かりやすく説明している本。一般人向けに丁寧に書かれており、非常に読みやすい。でも、AIに関して奇天烈な夢や妄想、あるいは情熱に取りつかれている業界人こそ、本書をしっかり読んでいただきたいものだと...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    ・ビックデータとプライバシー
    ビックデータと個人情報保護の問題について。これはよく問題になりますが個人的には便利であれば人は自分の個人情報さらけ出すことに対して嫌悪感がそれほどないのではないかと思います。例えばスマートフォンをみんな所持してますよね。GPSがついているので、いつどこにいたっていうこと...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    著者の見解にはおおむね同意です。
    ただ,読み終わって少し経ってから,一つの疑問がふと頭に浮かびました。
    「人間はミドリムシ一つ作れないのだから,より複雑な脳と同じ働きをするAIを作ることなどできない。」というアナロジィについてです。
    ここで比較すべきは,「脳と同じ働きをするAI」(=脳の動きをシミュ...続きを読む
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    さすが西垣通と言わざるを得ない。
    視点が高いし、指摘が的確すぎる。
    最近再来した人工知能ブームやシンギュラリティということが強調されることに、どう説明したら良いのか分からない違和感の様なものがあったのだが、それに対して正面からばっさりという感じ。
    ああ、やはりそうなんだと。でも今まで誰もそう言ってく...続きを読む
  • 続 基礎情報学 : 「生命的組織」のために
    Sun, 28 Dec 2008

    5年前に出た前著,「基礎情報学」はちょうど博士過程2回生くらいの時で
    かなり,影響を受けた本だった.
    現代思想的である,オートポイエーシスや生命記号論,ルーマンなどを
    上手く,つなぎ合わせ,情報・意味の基盤を作ろうという野心的企み.
    この前著を読んで,僕の博論は西...続きを読む
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    集合知とは何か?
    共同体知、コミュニケーションにおける暗黙知。
    自己の深層の活性化。

    知識とは「主観的」なものである。
    専門家の知識は、あてにならないことが、近年示されている。
    「客観知」二人称の知として蓄積することが必要?
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    内容が薄くない。それだけに予備知識なしに読み続けるのは苦痛になるかもしれない。
    筆者の知に対する考察の深さには恐れいる。読む価値のある本であり、集合知に興味があれば買うべし。
  • 集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
    集合知のうちおもにインターネット上で構成されるものについて扱った本。難しそうな印象の本だが、個々の人間の主観世界がいかに集合知を形成していくかを平易に書かれた良書である。