長沢樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
女子高生が校舎屋上から落ち、血を流してるのを目撃した主人公。駆けつけるも何者かに気絶させられ、起きたら女子高生が居なくなっている。部活中の学校という開かれた密室空間での被害者失踪事件。何が起き、被害者はどこに消えたのか解明していく物語。
この小説のポイントは、小説だからこそ演出できる、読者が絶対に最後まで分からない登場人物の「ズレ」。その「ズレ」が、ただの消失事件により一層重みと鋭さを生み出す。何の違和感もなく読んでたのに、そのズレを知った上で読んでも何の矛盾もなく読めるから、完成度がえげつない小説。今まで読んだミステリー小説で一番面白かった。おすすめです。 -
Posted by ブクログ
中国系反社組織と対立するヤクザ、そして警察のバランスを保つために裏で動いている存在があった。しかし反社組織の会長が死に瀕し、そして都市伝説ともいわれる暗殺者「送死人」がとある女優を殺害した後、危ういバランスが急に崩れ始める。またしても血を血で洗う抗争が起こってしまうのか、そして混乱を引き起こそうとしているのは誰なのか。スリリングなノワール小説です。
裏の顔を持つ記者の三砂、父の遺志を継ぐ警官の鴻上と、得体が知れないながらも魅力的なキャラクターが主体の物語に引きつけられます。パルクールの技を駆使する「送死人」の活躍は、アクション映画を観ているような感覚でした。映像化したら凄そうだなあ。
ハラハラ