小池滋のレビュー一覧

  • クリスマス・ブックス

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    ディケンズのクリスマス小説「クリスマス・キャロル」と「鐘の音」の2篇を収めた本。

    吝嗇家の金持ちであるスクルージを主人公にした「クリスマス・キャロル」、貧しい配達人であるトビー・ヴェックを主人公にした「鐘の音」、主人公はそれぞれ対照的ながら、富裕層に対する批判的な叙述は似通ったところがあります。特に「鐘の音」の方は風刺がきいており、「貧乏人の味方」を標榜する金持ちが貧しい人たちに労働の尊さを訴えるあたり、苦笑いがこみあげてきます。

    この本を読む以前から「クリスマス・キャロル」の大筋は実は知っていました。というのも、ビル・マーレイ主演の「三人のゴースト」という映画を見ていたからです。この映画

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    2013年10月24日
  • 荒涼館(4)

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    ネタバレ

    タルキングホーン弁護士の殺害事件の捜査にあたるバケット警部。捜査の過程でタルキングホーンの掴んだデットロック婦人の秘密を知り殺害の動機として考える。デットロック卿に知られた秘密。デットロック夫人の失踪。倒れたデットロック卿からの嘆願。帰宅したジョージ軍曹。ウッドコート弁護士とエスタの関係。ジャーンディス氏の示した優しさ。裁判の行方。リチャードとエイダの運命。

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    2012年11月18日
  • 荒涼館(3)

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    ネタバレ

    デットロック婦人の秘密を握る軍曹を追い詰めるタルキングホーン氏。病で容貌が変貌したエスタ。病気の回復後に対面したエスタとデットロック婦人。親子として会うのは今回で最後であるがいつまでも愛していると別れるデットロック婦人。かつてエスタに求婚した弁護士ガッピーの拒絶。ジャースディン氏からエスタに送られた手紙。ジャースディン氏からの求婚を受け入れるエスタ。デットロック婦人を脅迫するタルキングホーン氏。その夜に殺害されたタルキングホーン氏。

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    2012年11月10日
  • 荒涼館(2)

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    ネタバレ

    デッドロック家を調査するタルキングホーン弁護士。ジョーをめぐる秘密。デッドロック婦人とエスタの容姿の類似に気がついたガッピー弁護士。キャンディーの結婚。チャーリーと彼女の家を訪れたエスタに感染した天然痘。クルックの自然発火にによる死。

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    2012年11月04日
  • 荒涼館(1)

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    ネタバレ

    「ジャースディン対ジャースディン事件」の裁判。終わりの見えない裁判。孤児のエスタを育てた伯母。突然荒涼館に招かれたエスタ。エイダ、リチャードとの出会い。2人の被後見人のジョン・ジャースティン。荒涼館での生活。レスタ卿の婦人の秘密を探るタルキングホーン弁護士。デッドロック家に関わる秘密。クルックの下宿屋で死んだ謎の人物。タルキングホーンが追う浮浪児のジョー。ジョーが知ってしまった秘密。

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    2012年11月03日
  • 荒涼館(3)

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    ネタバレ

    荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?

    さ、3巻凄すぎ・・・!!
    まさに山場につぐ山場(笑)。面白かった。エスタもなんとか==ネタバレのため割愛==だったし。**との再会も、**との再会もあって、まさに盛りだくさんのオールスター総出演。長編でしか出来ないエピソードがたっぷりだった。
    しかしそれと対照的なのがリチャードだ。彼の転落っぷりは、かなり大げさに書かれているが、とても共感できる。最初からリチャードの陽気すぎる性格はどこか危ういところがあると思っていたが、まさかここまでなるとは・・

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    2011年07月23日
  • 荒涼館(2)

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    ネタバレ

    荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?

    おお、2巻面白い!!
    1巻で山ほど出てきた登場人物たちの関係性がそれぞれ明るみに出てきたり、また新しく絡んできたり・・・。この上で更にか、と言いたくなるくらいまた新たな登場人物が出てくるのだが(笑)、それでも物語の面白さは損なわれず、むしろぐんぐん勢いを増していくようだ。
    キャラクターや話の展開が大げさだなと感じるところは多いけれど、それが物語をくっきりとした大胆なものに見せていて、むしろ好印象。たまには力でねじ伏せられ、引っ張られるのもいいもの

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    2011年07月23日
  • オリヴァー・トゥイスト(上)

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    オリヴァが2つの世界を渡り歩きます。
    上巻はどこにいっても自分の居場所を探せないオリヴァの描写が中心となっています。上巻を読んでつまらないと思った人、とりあえず下巻までがまんして進みましょう。

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    2009年10月04日
  • オリヴァー・トゥイスト(下)

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    この小説の後半はオリヴァがどうこうするというより、また違う展開になって、オリヴァの周りの人々の記述がメインになっています。オリヴァの出生の秘密、つまりオリヴァとは何者か、という謎が解かれてこの小説は幕を閉じます。
    この作品を読んだらNortonの批評も是非読んでいただきたいです。批評が面白いものばかりです。

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    2009年10月04日
  • 荒涼館(4)

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    正統派の英国ハッピー物語でした。めでたしめでたしという訳で満足の結果。

    ただ、ハックルベリフィン、大いなる遺産とは異なり、登場人物のエピソードにミステリー要素が多い事と、各人の語りがなかなか蘊蓄が有る人生談・・酔わせます(ある意味、美文調だけれど)

    デッドロック卿の本心を見誤っていた夫人と失踪、そして死に至る結末が嫌がおうに、この小説を気高く仕上げた感が強い。
    一旦、犯人として仕立て上げられたジョージ軍曹のエンディングでのオジサンぶりじょーじぐんそうに笑いを貰えた
    ジャーンディス氏が思いやったウッドコートの想いは読み手を安堵させている。リチャードとエイダはなんか付け足しだったと思えたラスト

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    2021年02月06日
  • 荒涼館(3)

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    やはりデッドロック夫人の過去が物語の大きなカギと感じた。しかもエスタとの繋がりに謎が。荒れ狂う天然痘・・そして少年を訪れた女性、看病したエスタ・・罹患する。癒えた彼女・・大きな変貌。その場面で告げたジャーンディス氏の言葉が温かい。背後で暗躍を続けるタルキングホーンから目を離せないが、ガッピ―も何やら。最後の事件は想定内とはいえ、衝撃だった。

    ガッピ―が目を奪われた壁画・・美しい容貌の夫人であろうそれと面影が似ているエスタも、美しかったろうと思われる・・だけに。

    2人の相続人~特にリチャードの軽さに、エスタに変わってハラハラする。彼がジャーンディス氏を煙たがる理由も然り。

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    2021年02月01日
  • 荒涼館(2)

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    引き続き、軍隊から迄人々が入ってくる。臭っていたニーモがアヘン中毒で急死。秀麗な筆跡を使うだけにただ者ではないと思うが、探りを入れる家主のクルック。ニーモが可愛がっている浮浪児のジョンや同じ住まいにいたオバサンも後で伏線になって行きそうな気配。一方、リチャードは女への手も早いながら、医学に行き、直ぐダメ出しが出たあと法学の途へ。恐らく、なんかで躓く気配が有る。

    エスターが暮らす館へウッドコートDrが訪れ(関係が良く掴めないが)何やら、双方、魅かれるものを持った様子。

    ジャーンダイス氏の友人繋がりで,デッドロック卿と美しい妻の話が絡んでくる。野心むき出しの男と鬱っぽい妻・・・いまいち、裏が見

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    2021年01月27日
  • 荒涼館(1)

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    ジャーンデス対ジャーンデス事件の裁判は永遠に続きそうな様子である。後見人のジャーンデスに引き取られたエスタ・サマソンは同じく事件の後見人であるエバとリチャードと一緒に荒涼館で暮らし始めた。ジャーンデス叔父さんは優しく、三人に愛情をかける。エスタは館の鍵を全て預かり家政を取り仕切る役目を果たしている。ジャーンデス対ジャーンデス事件の周りにさまざまの人々が現れ、さまざまな出来事が起こっている。全四巻だから、まだまだこの巻は序章であろう。

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    2018年10月20日
  • オリヴァー・トゥイスト(下)

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    ❖物語前半部(上巻)は冗長を感じさせる緩さもあったけれど、後半(下巻・特に終盤〜大団円)は惹きこまれた。人物(心理)描写が巧みに描き込まれ(特にナンシーが自身のしがらみについてこぼす懊悩は出色)、登場人物たちがみな人間臭く引き立っていた。主人公よりも悪党たち(フェイギン、サイクス、モンクスの三悪人)が精彩を放ち、冴えた筆致で彼らの至る悲惨な末期までが追って描かれていた。拡げた話の都合よすぎる折りたみ方(強引と過剰)、大団円の幕の下ろし方については、これはこれで古きよき時代(スタイル)を感じさせて味がある。

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    2016年02月24日
  • 荒涼館(1)

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    一体全体どういう話が始まっているのか、さっぱりわからないままに、ずるずる読んでしまう不思議な物語。
    当時の上流社会が「善」であり「徳」であり「立派な行為」としていた「慈善事業」に対して「強引な慈善」と言うすばらしい表現を当てはめていたことが印象的。
    形式だけの空疎な慈善、つまり偽善に対する作者の怒り、不快が繰り返し述べられている。
    たぶんこの小説のベースである裁判も、これと同様に形式の上に形式が重ねられた偽善に他ならないのだろうと思われる。
    起承転結の早い小説に慣れている読者にはたぶん、読み終えるのが非常にきつい小説ではありそう。

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    2015年03月07日
  • 荒涼館(4)

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    前半2巻は、物語や登場人物の背景を中心に綴られており、読み続けるのにかなり根気が必要だった。
    後半になると、物語の進行にスピードが増すとともに前半に張り巡らされた複雑なプロットが繋がりはじめ、目を離せないような迫力を感じさせられる。そして大団円へと一気に駆け上っていく。このあたりは「二都物語」や「大いなる遺産」同様ディケンズの真骨頂だ。
    他の作品に比べると地味な内容ではあるが、当時の英国の世相をもっとも詳細に描写した作成っではないかと思う。
    どちらかというと不幸な人物が多く登場nし、気が滅入る部分もあるが、読後感は爽やかであった。

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    2012年08月14日
  • 荒涼館(4)

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    点と点が繋がり線となった。謎は解け、重く暗く立ちこめていた雲は晴れ、暖かな日差しが戻った。さわやかなやさしい西風が吹き抜けていった。

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    2012年01月17日
  • 荒涼館(2)

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    物語が展開し、今まで平行して進んでいた筋が絡み始めた。語り手の出生のなぞが浮かび上がり焦点を結び始めた。チャーリーがかわいい。マーキュリー(ヘルメス)という名の召使いも出てくるが、ナイアルラトテップのように厄災をもたらす浮浪児ジョーが語り手に病を運んできた!

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    2011年12月29日
  • 荒涼館(1)

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    延々と続く訴訟があり、その中に語り手のエスタの物語や貴族、慈善事業家、弁護士、代書屋、商店などが包含されている枠物語。社会風刺たっぷり。

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    2011年12月22日
  • 荒涼館(4)

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    荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?

    荒涼館、怒涛の最終巻。
    2、3巻があまりに凄かったので、最終巻は少々落ち着いたところもあったけれど、この物語にふさわしい大団円といえたのではないだろうか。

    本としての完成度だとか、物語としての評価だとかを言わせてもらうと、少々難をつけたいところも少なくはない。無駄な文章が多すぎる気がするし、筆の勢いにまかせて書いたのでは? と思うところもあったのだ。
    しかし、それでもこの『荒涼館』を読み終えた今、私はいい読書をしたなぁ、と思っている。この感情を

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    2011年07月23日