三好達治のレビュー一覧
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岩波新書 新唐詩選
前篇 吉川幸次郎 は 杜甫 解説がわかりやすい。後篇 三好達治 は 詩のチョイスがいい。表現は異なるが、両者とも詩の中の景色や自然から 人間の情感を取り出している。
吉川氏は 詩人別の特性を強調し、三好氏は 詩の読み方を強調している
吉川氏の杜甫と李白の詩の取り出し方の違いは面白かった
*杜甫の詩は 自然と人間を比較し、自然の完全な秩序や調和から人間の不完全や有限性(老い)の悲観性を憂い
*李白の詩は 人生を大きな夢に例え、自然と一体となって 秩序を保ちながら生きる楽観的な人間像を捉えている
李白の荘子的な詩情は印象に残る
*今日は風日好ろしきも、明日は恐らく如かざ -
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[ 内容 ]
中国の詩は、世界の詩のなかでも最も美しいものの一つである。
とりわけ唐代は、李白や杜甫をはじめとして、多くのすぐれた詩人が輩出した時代であった。
中国の詩に親しもうとする若い世代のために、中国文学者と詩人の二人の著者が協力して、主要な唐詩の読解とその味わい方を懇切に説いた唐詩の世界への案内。
[ 目次 ]
前篇(杜甫 十五首;李白 二十九首;王維 十二首;孟浩然 一首;常建 二首;王昌齢 一首;崔国輔 二首)
後篇
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆ -
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萩原朔太郎は、1886年に生まれ1942年に亡くなった詩人。没年が1942年なので、活躍したのは戦前ということになる。
私は詩を読む人ではないので、萩原朔太郎の作品も読んだことがほとんどなかったのであるが、次の詩を何かで読んで、他の詩も読んでみようと思い、求めたのがこの詩集。
【引用】
旅上
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもわむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
【引用終わり】
萩原朔太郎の詩をほとんど読んだことのな -
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この本は後篇を読んでから前篇を読んだ方が理解が進む。
唐詩をしっかり理解して読みたいと思い、前に何冊か買って読んだ。小川環樹の『唐詩概説』(岩波文庫)は基礎知識をつけて変遷を追いかける意味ではまあよかったが、詩歌の魅力に迫ることはなく、また同じ人の『李白』(岩波新書)はただただ眠かった。前野直彬の『唐詩選』(岩波文庫)は上巻だけ読んだが、苦痛でしかなかった。どれを読んでも詩歌の面白さが伝わらず、文法解説書にしか思えない。
三度目の正直を期待して本著を購入したが、吉川幸次郎の担当した前篇(本篇)全部削って三好達治に紙幅を譲りたいくらい、三好達治の「オマケ」が素晴らしい。詩歌の楽しみ方や、目を -
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詩が、苦手である。
どう読めばいいのかわからないというより、自分が読んでいるのかわからなくなる。
平たく言えば、物語のように「読んでいる」実感が湧いてこない。自分が読めていないだけなのかな? とも思うが、それはそれでなんだか悔しい気がしてしまう。困ったものである。
三好達治。これはその、有名な「雪」が収録されている詩集。
この詩集では、静かで淡々としたイマジネーションと、透明で哀しい郷愁を感じた。萩原朔太郎に似てる。でも朔太郎よりは湿り気がある感じ。朔太郎は師にあたるのかな。
が、私にはどうも言葉が「響いて」くる作品が少なく、よくわからないままぼんやり一冊読み通した、という印象。読みこめて