三好達治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
**孤独を纏い、言葉をつむぐ詩の革命者の静かな叫び。**
[読後の印象]
私が萩原朔太郎の詩は、ある意味で罪である。
私の心の奥底で詩への憧憬を宿らせ、現実の世界から剥がしたのは、紛れもなく萩原朔太郎の詩そのものでもあるのだ。
萩原朔太郎の詩集は、日本近代詩に革命的変容をもたらした。
その詩の底には、「感覚の孤独」「抒情の哀愁」「都会の喧騒と沈黙」といった複雑にして繊細な要素が織り込まれ、あたかも言葉がひとつの生ける肉体となっているかのような独自の感性が漂っている。
彼の代表作である『月に吠える』『青猫』は、現実の冷徹な世界を見据えつつも、その奥に秘められた暗く重苦しい魂の叫びを強 -
Posted by ブクログ
本当に大好きな大好きな作品。
萩原朔太郎は繊細な感性と表現を用いて自分の孤独と影と向き合っていることが伝わる。
彼の初期の作品である『月に吠える』では醜い、堕落した、不自然なものを人間の本性の反映として捉れられている。敢えて醜悪な対象に孤独な自己を投影し、それを描写するために顔、死体や動物等、様々な隠喩を使用することで病や不安、他者と共有できない絶望という「孤独」の世界観を作り上げている。
『青猫』では馬や猫という存在を意図的に利用し、それらの影そのものに自身を投影することで苦しみながらも、それでも生きていかざるを得ない「孤独」の変化を描いている。
つまり、朔太郎は表面的な「一人」ではな