あらすじ
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。無限のイメージを喚起するわずか二行の詩「雪」他を収録の第1詩集『測量船』。「乳母車」「甃のうへ」「鳥語」「獅子」等、日本古典の詩風と西欧象徴詩風が混然と融合し、魅了する全92篇(「測量船拾遺」を含む)。新詩の可能性を追究する若き詩人・達治が"現代抒情詩"を展開させた画期的詩集。
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Posted by ブクログ
三好達治は大好きな詩人の一人。「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」 この二行詩『雪』はあまりに有名ですね。
Posted by ブクログ
私が手にしているのは、昭和46年発行の増補版ですが多分内容は同じだと思います。
散文の表現が私のイメージと違い戸惑ったがそれなりに味わい深さを感じた。
’乳母車’がぐさっと心に刺さった。最後の文だけでも私の心をわしづかみしてしまった。
母よ 私は知ってゐる
この道は遠く遠くはてしない道
読んでよかったと思います。
Posted by ブクログ
『雪』のポイントは眠ることによって「今日」が終わること。「今日」が「どこにもない昨日」となる断絶の瞬間ではないだろうか。現在と過去の繋がってなさのようなものを感じた。
Posted by ブクログ
詩が、苦手である。
どう読めばいいのかわからないというより、自分が読んでいるのかわからなくなる。
平たく言えば、物語のように「読んでいる」実感が湧いてこない。自分が読めていないだけなのかな? とも思うが、それはそれでなんだか悔しい気がしてしまう。困ったものである。
三好達治。これはその、有名な「雪」が収録されている詩集。
この詩集では、静かで淡々としたイマジネーションと、透明で哀しい郷愁を感じた。萩原朔太郎に似てる。でも朔太郎よりは湿り気がある感じ。朔太郎は師にあたるのかな。
が、私にはどうも言葉が「響いて」くる作品が少なく、よくわからないままぼんやり一冊読み通した、という印象。読みこめてないのかな、と思い短い作品は音読もしてみたのだけど(家に一人のときにね)、果たして効果はあったのかなかったのか。
この人は短い詩のほうがいいような気がします。長いのは冗長に感じるものが多かった。いろいろ、余計に書いてしまっているように感じた。