みもりのレビュー一覧
-
購入済み
欲って
人間や人ならざるものには欲があるんだなぁ
確かにひとに寄り添って大切に扱われて
100年近くが経ち付喪神としての
第2の人生を送ろうとしていた矢先
あろうことかひとの意趣返しによって
道具としての道を閉ざされてしまった
歳月を考えたら諦めきれない気持ちは分かる
もっと他に方法は無かったのだろうか
実際に反魂香なる薬なんて既にこの世に無い
一太郎坊ちゃんは地頭が良く剛の者だったけれど
思いやりに溢れてて他人事とは思えなかったんだね
多少の欲は誰しもあるだろうけれど
欲張って強欲になってはいけないってこと
-
ネタバレ 無料版購入済み
江戸時代を舞台に主人公とまやかし、ご両親、白沢と犬神など周りの人達が過保護すぎるぐらいあれこれ世話をやく。それは一太郎の人柄によるんだけども。途中から事件が起こり謎解きが始まる。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ端的に言って、この(5)は最高だった。
正確に言えば、この「業魔の石編」が最高だった。
前シリーズの最終決戦、「vs死神編」に匹敵している、と断言したい、一ファンとして。
どちらが上か、そこは決め難いが、敵としての醜悪さは、私としては、死神よりも、今回、てつしたちが対峙した、人間の神父にして猟奇殺人鬼である古田の方が上回っていた。
確かに、死神も死神で、許されざる悪だった。己の役目を放棄するだけでなく、世界を支配するための力を欲し、人も魔も利用して、悪逆の限りを尽くしていた。ただ、その醜悪さが滲む恐怖は、人ではない存在だからこそ、種族が違うゆえに、人の常識が通じないモノ、そこに由来していた。
一方で、今回の古田は人間だ、種族としては。けれど、人間であるが故に、その欲はおぞましく、凄惨な悪業を重ね、しかも、血に酔い、死体を弄び、快楽を貪る、正に外道。それゆえに、ただただ、恐ろしかった。
そんな古田の、人の道を外れた邪悪さに気圧されながらも、恐怖よりも怒り、そして、何より、仲間を守りたい気持ちが勝ったてつしの決断と行動に、心が奮えなかったファンはいまい。
苦しんでいる人を多くでも助けたい、そんな覚悟を持って、これまで多くの怪事件に挑み、その結果を心身に刻みつけてきたてつしだからこそ、自分がどれだけ言葉で訴えようと、術で痛い目に遭わせようとも、決して改心しない、と確信できる古田の残虐性を目の当たりにして、これ以上、犠牲を出さない為に、「救わない」、それだけでなく、地獄に落とす、その選択をした、心の強靭さ、熱かった!!
間違いなく、このあたりを描いている時、みもり先生、脳汁がドパッてたな。
一端の術者として非情な決断を下せたてつしと、そんな弟の無鉄砲な行動に、本気で怒りを露わに出来る竜也の愛、二人の兄弟の絆にもグッと来るってんだから、もう、この(5)は最高、と評価するしかないではないか。
この台詞を引用に選んだのは、元から好きだったてつしが、もっと好きになったから。
小学生にして、ここまでの強さを持っているってのは、てつしが人の縁に恵まれているからだろう。
だから、てつしは、自分を強くしてくれる人が、凶悪な存在に傷付けられた時、最も、激しい怒りを露わにする訳だが、今回、てつしは、今まで以上の怒りで、激しい怒りではなく、静かな怒りでキレている。
小学生が、こんな目の据わり方をしちゃダメだろ、と思ってしまうほど、今回、てつしは古田の悪行を許せなかったんだろう。
一線を越える、この体験が、てつしに、どのような影響を与えるか、そこは解らない。
けど、てつしは、この怒りをコントロールし、今後、「相手を殺す」って選択肢が出現したとしても、安易に、そちらを選ばず、冷静に熟考して、自分の良心に従った選択をする、と断言できる。
何故かって? それは、てつしには、いつだって、リョーチン、椎名が傍にいるからだ。
『命と引き換える覚悟があるのなら・・・これは切り札だ・・・』
「止まれよ、ゲス野郎」
「・・・諦めの悪い子だね。泣き喚きもしない。恐怖に震えもしない・・・可愛げがないよ。さあ、もう終わりにしよう」
「地獄に行くのは」
『敵の業が深ければ深いほど』
「てめぇだよ」
『巨大な魔が降りてくる』
「アラト―――――ル!!!」(by地獄堂のおやじ、てつし、古田)
この台詞もぜひ、推したい。
アニメや漫画の中で登場する、煽り文句に対する返しの秀逸さを評価し、気にっている台詞を紹介するスレがあるけど、私としては、ぜひ、これを挙げたい。
「地獄も住めば都、だぜ、神父さん」(byてつし)
これもまた、てつしの覚悟の強さが見える台詞なので紹介したい。
てつしは学校の勉強こそ不得手ではあるが、決して、馬鹿ではないし、無知でもない。
人として大事なモノを、この年齢でちゃんと持っている。
そうでなかったら、人知を超えた存在と対峙する術師の世界には足を、自分の意志では踏み入れないだろう。
霊、妖、そして、神と相対してきたてつしは、その怖さを知っており、今回は、人の悍ましい面を見て、新たに学びを得た。
その上で、自分で選んだ道を進む、仲間と共に進んでいく、と決めた。
兄である竜也が、自分を、あれほど烈しく怒ってくれるほど愛しているのを承知の上で、その決断をして、あえて、それを竜也に表明するのは、最高だ。
しかも、竜也が、愛弟の覚悟を汲んだ上で、約束を交わしてくれ、と頼むのが、心を熱くしてくれる。
絶対、みもり先生、このシーン、感涙しながら描いてたわ。
「竜也兄・・・」
「ん?」
「ごめんな・・・俺な、幽霊を見た事あるんだ。妖怪も、死神だって、目の前で見た事ある・・・でもな・・・あいつが、一番、怖かった。超能力も、霊能力も持ってない、ただの人間なのに、妖怪よりも死神よりも怖かった・・・妖怪よりも死神よりも許せなかった。だから、俺、腹くくった。死ぬかもしれないって覚悟した。でなきゃ、勝負できなかった」
「・・・何故、そこまでする必要があるんだ」
「分かんねぇ・・・きっと、それが運命ってやつなんだ。竜也兄には、一番、心配かけると思う・・・ごめんな。でも、地獄堂のおやじが言ったんだ、俺には強い右腕と左腕がいるって。俺とリョーチンと椎名の力を合わせたら、俺達には三倍以上の力が出せるんだ。だから、俺達を信じてくれ。きっと、いつでも、どんな事でも、乗り切ってみせるぜ・・・!」(byてつし、竜也)
「・・・・・・一つ、約束しろ、てつし。俺より先に死ぬな。一分一秒でもいい・・・俺より先に死ぬなよ・・・!」
「・・・・・・約束する。絶対、約束する・・・!」(by竜也、てつし)
そして、これですよ、これ。
三人悪と地獄堂のおやじの間にある、師弟の絆、これはグッと来ます。
あのオヤジが、ここまで言う相手だったのです、殺人鬼・古田は。
改めて、自分達が、どれほどヤバい相手に挑んでしまったのか、を痛感した上で、親父の中にある自分達への愛を実感し、勝利と生還に感謝する、良いシーンです。
当人としては、師匠じゃない、と思っているんでしょうけど、こうやって、ちゃんと評価してくれるあたり、おやじは良い師匠ですよね、絶対。
基本的には冷酷だけど、無情ではなく、てつしたちの決断を見極め、懐へ迎え入れる、と決めた先達として、導く義務がある、と覚悟をしているのでしょう。
この誉め言葉を口にした時、親父はてつしたちに向けなかった顔に、どんな表情を浮かべていたんでしょうね、みもり先生。
「おやじ、俺ら、上手くやった・・・だろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よくぞ、生きて戻った・・・・・・」
「~~~~~~~~~・・・っ!!」
(やっぱり、危険な相手だったのか・・・!生きて戻っただけで褒められるほど―――――・・・!!生きてて・・・良かった・・・!)(byてつしたち、地獄堂のおやじ) -
Posted by ブクログ
ネタバレ結論から先に言っちゃっていいなら、この『ガラガラポン』、めっちゃ面白い。
極端な表現をしちゃうと、漫画読みの「読みたい」に、しっかりと応えてくれている。
笑えるモノを読みたい人も、しんみりしたモノを読みたいモノを読みたい人も、丁度いい毒を楽しみたい人も、この『ガラガラポン』を読んだら、満足できるんじゃなかろうか。
どうして、こんなにも面白く、なおかつ、質が高いなぁ、と感じるのか。
その理由は、たった一つの、簡単なモノだ。高橋葉介先生とみもり先生が、ガッツリとタッグを組んでいるんだから、逆に、つまらないモノが完成する方が難しいって話にならないだろうか?
コミカルさとシリアスさ、その混ぜ方が巧みで、独特の味を出す事に定評のある高橋葉介先生が作る原作の良さを、美麗ながらも、決して、脆くはない絵柄が持ち味で、その活かし方をちゃんと知っているみもり先生が、グッと引き出している、この『ガラガラポン』は。
私が言うまでもなく、皆さん、ご存じだろうが、現実は辛い。しかし、その現実の辛さに歯を食い縛って、私たちは毎日、生きていかなきゃいけない。
潰れたり、逃げたり、壊れてしまったりする人を、私は「弱い」と蔑む気はない。いつ、私だって、堪えているモノが決壊してしまうか、判らないんだから。
よって、現実の辛さから、ほんの一時でも目を逸らすために、自分に優しい妄想をする事は、決して、悪くないし、心が幼稚って訳でもない。自分の心を守る、その方法をちゃんと持っているのは大切な事だ、お天道さんに背を向けないで済む生き方をしていく上で。
とは言え、現実に戻ってくる事を拒否し、自分にとって都合のいい理屈で境界線を越え、他人を傷つけて、それでも、妄想に浸り続ける事を選択するのであれば、そいつは、もう、手遅れだ、と判断すべきだ、と私は考えている。
人の心を救える力を持つ、とんでもなく面白い漫画を、フィクションである、と割り切って読めず、自分の悪行を正当化するのに利用するような奴に、漫画を読む資格は一切、無いのだから。
この台詞を引用に選んだのは、この『ガラガラポン』に、高橋先生が込めたメッセージは、これかな、と感じたので。
高橋先生の、ちょっと、おどろおどろしさを感じる絵柄でも、しっかりと読み手の心に響いただろうけど、やはり、みもり先生の絵柄の方が、凄味の度合いは強いように思う。
やはり、漫画ってのは、キャラと絵柄の相性も大切なんだな。
人にとっての死とは何か、その答えは、人それぞれ。
誰にも、これを正しいとも、間違っている、とも断じれない。
ただ、説得力があるのは確かだ。
「妄想だろうが、なんだろうが、私はここに存在するわ。何か文句ある??きっと、翠以外に、どこかで私の事を想ってくれる人がいるのよ。誰かが想い続けてくれてるなら、私は消えないわ」(by天馬翡翠)
もう一つ、グッと来た台詞を紹介。
毎度の事ながら、クールなキャラと熱い台詞、そのギャップが生む破壊力が凄いのよ。
普段、厳しい態度で接してくる先輩が、語調こそ荒いけど、確かな優しさを感じる事を言ってくれたら、そりゃ、嬉しいって。
「行くな、新人!!追ってはならん!!」
「あ・・・先輩!?放して!あたし、みんなと消えます。だって・・・だって、あたしはカラッポだから!あたしには、過去(むかし)も、“ふるさと”もないんだもの!!」
「バカめ!!思い出も、ふるさとも、これから、自分で造ればいいんだ!!」
「・・・先輩・・・・・・!」(by本郷大也、天馬翡翠)