中川太古のレビュー一覧
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織田家中であった、太田牛一が日記のように記録した、信長公記は、信長の第一級資料と冒頭にある。
大田牛一は、本能寺の変以降も生き延びて、豊臣家に仕え、慶長18年大阪城で現役のまま亡くなる。大阪冬の陣が始まる1年前のことであった。
首巻は、天文3年(1534)から永禄10年(1567)までを、以降は、本能寺の変が起こる1582年までは、年単位で日記状にまとめられている。
本書は完全に口語訳がなされていて読みやすい。地名や、人名についても、注がつけられていて、具体的に誰のことをいっているのかが紐づけられている。
事実がテーマ別に時系列にならべられていて、当人の感情がところどころに見れるもの。 -
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一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。▼40歳までは勝つように、40歳からは負けぬように。武田信玄 (-1573)
死ぬ覚悟で戦えば生き残る。生き残ろうとして戦えば必ず死ぬ。上杉謙信 (-1578)
恃(たの)むところある者は、恃(たの)むところの為に滅びる。人が城を頼っても、城は人のために何かしてくれるわけではない。自らを恃(たの)みて、人を恃(たの)むことなかれ。▼是非に及ばず(正しい・正しくないを論じても仕方がない)。織田信長 (-1582)
敵を以て敵を征す。豊臣秀吉
いさめてくれる部下は、一番槍の勇士よりも価値がある▼勝つことばかりで、負け -
Posted by ブクログ
これはいわゆる歴史小説ではなく、信長の側近による記録。なので同じような事が何度も繰り返されて少々読み難くはあったけど、面白く読めた。
著者が信長を崇拝していて
「信長こそが正義、故に天が味方する」
という姿勢で書いているため全てを鵜呑みにすることは出来ないが、近い立場の者ならではの情報が拾えている。
信長は確かに残酷なところはあったけど、案外律儀で家臣達に全幅の信頼を寄せている。家臣や領民の暮らしぶりを気遣い、楽しませる術も心得ている。
小説や映画は作り手によって強調される部分や端折られる部分があって時間軸がぼやけたりする。これは時系列に書かれているので、時間感覚が掴みやすかった。
浅 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は、第一級の史料認定されているらしく、よく歴史物のテレビ番組などで引用される。再現Vなんかで、さらに脚色されているので、どれほどワクワクするのかと読んでみたが、それほどではないと最初思ったけれど、戦記の中でも時々出てくる信長の言動が魅力的だと読み進めるうちに思ってきた。休暇をもらった丹羽長秀らの武将が湯治に出かけたことなども載っていて、面白い。明智光秀が、本能寺の変の前に、「考えるところがあってか、二度も三度もおみくじを引いたそうである」などの記述も興味深い。
信長は怖いと思っていたけど、この本を読むと、印象が変わる。そして、牛一は信長が大好きだったんだろうなと思う。正しいことをしてい -
購入済み
一次資料が現代文で読めるとは
信長公記は一次資料として戦国時代から安土桃山時代に至る貴重な文献である。それを現代文で読めるとは随喜と愉悦の極みだ。フィクションに近い歴史もの作っているNHKにはぜひ必読してほしいものだ。