【感想・ネタバレ】現代語訳 信長公記のレビュー

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Posted by ブクログ

織田家中であった、太田牛一が日記のように記録した、信長公記は、信長の第一級資料と冒頭にある。

大田牛一は、本能寺の変以降も生き延びて、豊臣家に仕え、慶長18年大阪城で現役のまま亡くなる。大阪冬の陣が始まる1年前のことであった。

首巻は、天文3年(1534)から永禄10年(1567)までを、以降は、本能寺の変が起こる1582年までは、年単位で日記状にまとめられている。

本書は完全に口語訳がなされていて読みやすい。地名や、人名についても、注がつけられていて、具体的に誰のことをいっているのかが紐づけられている。

事実がテーマ別に時系列にならべられていて、当人の感情がところどころに見れるもの。史実をそのまま記載しているところが、第一級資料たるところなのでしょうか。

目次 と主な出来事

首巻(入京以前)信長誕生、父信秀の死、道三との会見、弟信行謀殺 尾張平定 桶狭間、稲葉山城攻略、入京

巻1 永禄11年(1568)畿内平定
巻2 永禄12年(1569)伊勢攻撃
巻3 元亀元年(1570)小谷城攻撃、姉川の合戦
巻4 元亀2年(1571)佐和山城摂取、比叡山焼き討ち
巻5 元亀3年(1572)北近江攻撃、三好3人衆謀反、三方ヶ原の合戦
巻6 元亀4年(1573)足利義昭謀反追放、一条谷攻撃、浅井氏滅亡、北伊勢出陣
巻7 天正2年(1574)越前攻略 石山本願寺挙兵 河内長島平定
巻8 天正3年(1575)長篠合戦 石山本願寺和睦 
巻9 天正4年(1576)安土築城 石山本願寺挙兵
巻10 天正5年(1577)柴田勝家加賀出陣 羽柴秀吉播磨出陣但馬播磨平定
巻11 天正6年(1578)別所長治謀反、荒木村重謀反、
巻12 天正7年(1579)摂津播磨の陣 安土城天守閣に移転 明智光秀丹波攻略
巻13 天正8年(1580)羽柴秀吉三木城攻略 石山本願寺と和睦 柴田勝家 加賀能登制圧 羽柴秀吉 播磨但馬平定 
巻14 天正9年(1581)越中加賀反乱を平定 羽柴秀吉鳥取城包囲 織田信雄伊賀平定 
巻15 天正10年(1582)甲斐出陣武田氏滅亡 羽柴秀吉高松城攻め 明智光秀中国出陣 信長上洛 本能寺の変 織田信忠切腹 徳川家康堺から退去

信長公記 関係系図
信長公記 記事年表

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2022年11月21日

Posted by ブクログ

織田信長の記録として著名な本書だが、著者が信長の側近であるため、信長を持ち上げるような記述が目立つ。また、少なからずフィクションも入っているのだろう。

それでも、織田信長という人物に関する重要な資料であることに代わりはない。

また、歴史小説とは違い、出来事が淡々と書かれているだけである。このことが生々しさを感じさせる。現代語訳も読みやすいものとなっている。

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2020年12月27日

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面白かったですね。
聞きかじりより、作品を読むのが一番です。
そして、やはり、何故、本能寺の変が起こったのか、わからない。

大河ドラマではどのように描くのでしょうか?
楽しみです。

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2019年12月31日

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信長の旧臣・太田牛一が執筆しています。織田信長を語るには外せない一級史料ですね。

有名なエピソードや合戦は読んでいるだけでテンションが上がります。さらに細々としたエピソードが挟み込まれるのも魅力的で、作家・太田牛一の記録者としてのこだわりを感じます。教科書には載らない話。

市井で起こったゴシップ事件や、信長の趣味である相撲、蹴鞠、能のシーンなどは、信長が活き活きと描かれています。現代語訳になっているので読みやすい!

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2018年02月04日

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信長公記の全現代語訳文。しかも時系列順に並び替えてくれてあって大変にわかりやすい。
信長公記が書かれた当時の地理を理解できている(もしくは地図を脇に置いておく)必要はあるが、文章自体は簡潔で理解しやすい。当時実際に戦闘に出た、信長配下だった武士によって書かれていることもあり、この1冊を読み終わる頃には、当時の武士が何を価値の基準としていたかも自然にわかるようになる。

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2016年06月30日

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織田信長が好きなら読むべきだし、知らないなら絶対読むべき。戦国を駆け抜けた強さも運の強さも、信長が信長である理由もわかる気がする。ひきこまれる面白さは小説とはまた違った楽しさ。人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり を体現した人間。

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2016年06月22日

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これはいわゆる歴史小説ではなく、信長の側近による記録。なので同じような事が何度も繰り返されて少々読み難くはあったけど、面白く読めた。

著者が信長を崇拝していて
「信長こそが正義、故に天が味方する」
という姿勢で書いているため全てを鵜呑みにすることは出来ないが、近い立場の者ならではの情報が拾えている

信長は確かに残酷なところはあったけど、案外律儀で家臣達に全幅の信頼を寄せている。家臣や領民の暮らしぶりを気遣い、楽しませる術も心得ている。

小説や映画は作り手によって強調される部分や端折られる部分があって時間軸がぼやけたりする。これは時系列に書かれているので、時間感覚が掴みやすかった。

浅井・朝倉との戦いが何年にも及び対武田線にも物凄く時間を費やしている。これまでのイメージでは長篠の戦いで武田軍に圧勝して、それで終わり…だったが、勝頼は意外にしぶとく長々と戦が続いていた。

武田勝頼が自害したのが1582年の3月21日、
同じ年の6月1日に本能寺の変が起っている。
天下とは幻のようなもの…なのだな。

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2023年07月08日

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信長の波乱に満ちた一代記として面白かった。
現代語訳も読みやすく、章ごとに注釈も丁寧に書かれていました。

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2020年07月17日

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歴史はやっぱり原典を読むのが一番まちがいない。
作家の妄想に付き合う前に、まず原典を読んでおくのは必要。
春秋戦国なんかなら間違いなく「史記」が一番おもしろいし重要なのと同じ。

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2020年02月02日

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信長の家臣、太田牛一の見た信長像が生き生きと描かれていて、血の通った信長の一側面を感じられた。
感想をメモしたノートが消えてしまったので、思い出しつついつかまた読みたい

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2018年06月18日

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ネタバレ

この本は、第一級の史料認定されているらしく、よく歴史物のテレビ番組などで引用される。再現Vなんかで、さらに脚色されているので、どれほどワクワクするのかと読んでみたが、それほどではないと最初思ったけれど、戦記の中でも時々出てくる信長の言動が魅力的だと読み進めるうちに思ってきた。休暇をもらった丹羽長秀らの武将が湯治に出かけたことなども載っていて、面白い。明智光秀が、本能寺の変の前に、「考えるところがあってか、二度も三度もおみくじを引いたそうである」などの記述も興味深い。

信長は怖いと思っていたけど、この本を読むと、印象が変わる。そして、牛一は信長が大好きだったんだろうなと思う。正しいことをしているので、神の御加護があったなどと書いてあったりして、信長が慕われた上司であったんだなあと感じる。まあ、確かに「際限なく首を切らせ、目も当てられぬ有様だった」などの記載もあり、怖い部分は多いにある。徹底して間違ったことを許せない、圧倒的武力を持った三成というイメージかも。それにいつも足半を身につけているとか、すごく細かいところまで信長の言動がわかる。伊丹城の人質を殺すシーンで、信長も可哀そうだとは思ったが、悪人を懲らしめるために云々とあり、信長が何も感じない人であったわけでないこともわかる。

本人が弓の腕前をほめられ、加増されるエピソードも載っていて武士なためか、戦いや業績の詳細が多い。。
だけど、牛一が合間に述べる信長は、とても慎重で時の流れを読んで、意に染まない相手に対しても周囲の所感などを読み、ひとまず我慢したり、何年も掛けて一つの物事をなしたりと冷静で沈着な面も見られ、没落寸前の将軍家にも忠節を誓ったり、頭の良い人だ。戦乱に迷惑したであろう地域の町人たちの税金を免除したり、思いやりも十分推測できる。何より、いつも行動が本当に早い。

それに、ちょっとみんなを驚かせてやろうと?、かわいい面もある。有名な斎藤道三との会見の様子を描いているが、「生まれて初めて髪を折り曲げに結い、いつ染めておいたか知る人もない褐色の長袴をはき、これも人に知らせず拵えておいた小刀を差した」なんか牛一達の驚きぶりや、それを無表情を装って喜んで見ていた信長が想像できて、かわいい。

失態を犯した佐久間信盛が「そうはおっしゃいましても、我々ほどの家臣はお持ちにはなれますまい」と言うと、「おまえは、自分の能力を自慢しているのか。何を根拠に、そう言うのか、片腹痛い言い草だ」と言い、機嫌が悪かった」とある。確かに、とても厳しい上司だと思う。でも、激流渦巻く川を渡らねばならぬ時など危険な時は、自身が率先して行い、すごく信頼できるリーダーだ。

虎山御前の城についてもしかり。大船についてもしかり。皆を驚かせる発想の持ち主。どちらかというと、とても現代人の発想に近い。船も櫓を取り付ける位置など設計も細かく指導したり、そもそもの建造理由も、将軍の反乱を予期し、そこに向かう最短経路の確保のためと理路整然としており、あまたの良さも感じる。それに意外?に、備えよ常にの人だと思った。

農民が信長の女踊りの返礼に踊りをした時も、気さくにあいさつに応じて、衣装を褒めてやったり、団扇であおいでやったり、お茶を出させたりと気さくで魅力的。
人に褒章を渡しては、「よくお似合いです」と言ったりもする気遣いもできる人だ。それに他の?時代が違う大名なんかと違い、農民にも会ってくれたりする。帰属してきた人に対する領地安堵もきっちり覚えていて実行し、新しい領主には、その安堵分の土地を補填する。年老いて遠方へ派遣する家来にも、その旨を気の毒に思う旨、そしてそれをねぎらい入場する際の見栄がいいように馬を与えたりと本当に気配りさん。訓令も農民から不必要に取り立ててはいけないなど理路整然。物にいい意味で執着がない。自分が秘蔵していた物を褒章として与えたり、贈り物が来ても、気に入らなければ返したり、大量の贈り物が来た際は、名簿を作って配り不公平がないようにしたりとすごく公平な上司でもあると思う。

牛一は、先にも書いたとおり、結構な腕前の武士だが、風流を忘れない方だったみたい。信秀の死にあたっては、「生死無常は世の常とはいえ、悲しいことである。風がさっと吹いてきて草々の露を散らし、一団の雲が満月の光を陰らせるようであった。」と表現してあったり、処々に美しい表現がみられて、軍記物でも楽しめた。虎山御前の城からの眺めに関する表現も素晴らしく、源氏物語を引用しており、造詣の深い人物であったと思われる。

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2015年09月13日

Posted by ブクログ

引用数が第一位の第一級史料である、太田牛一の信長公記の口語訳です。大変読みやすく、語句の説明や巻末年表も参考になります。歴史好きな方は、一家に一冊常備されることをお勧めします。

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2015年08月27日

購入済み

一次資料が現代文で読めるとは

信長公記は一次資料として戦国時代から安土桃山時代に至る貴重な文献である。それを現代文で読めるとは随喜と愉悦の極みだ。フィクションに近い歴史もの作っているNHKにはぜひ必読してほしいものだ。

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2020年02月28日

Posted by ブクログ

信長とともに生きた家来が書いた伝記で、臨場感が伝わってくる。人に聞いて綴った内容も多いと思われるが、それでも当時の様子や動きが細かく書かれており、一触即発の様子や駆け引きをしている様子が伝わってくる。武将の名前や立場を知らないとなかなか関係性が分かりにくいかもしれないので、信長を取り巻く武将の関係図などをネットなどで調べておいて読むと良いと思う。

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2019年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

想像できないほど大量の人が死んでいて頭が混乱してくる。そんな世でも道義に生きる人がいて胸を打たれる。こういう時代があったのだとリアルに感じられた。‬
「信長に憎まれた者は、すべて自然に死んでいくのである」この言葉は怖い。
辞世の歌が悲痛で、一人一人の無念さに胸を打たれた。追い詰められても人を恨まずに、家族を愛して主君を愛して、潔く死ねるものなんだろうか。
生きるために、名を残すために、それぞれに正義があるのかもしれない。

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2019年08月08日

Posted by ブクログ

信長に興味を抱いていたところに現代語訳の本書を入手。戦国時代とはよく言ったものと痛感。その中で信長が生き抜いていく様子がよく判る。しかし攻め下した敵将やその一族に対する生殺与奪の仕方に統一性が見られず、特に成敗という名の殺戮を記したくだりは痛ましい。終盤に甲斐の国から帰陣する道中は東海道の宿場町として残っている地名が多く、そこだけ平和な道中記を読むようだった。本記は明智光秀謀反から安土城留守居衆の様子、家康が堺から退去していくところで終わっている。他の文献でその後の様子が知りたくなった。

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2017年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

旧臣が記した信長の一代記。一次資料としての価値が高く信長研究では必須の書であり歴史小説のネタの多くがここから出ている。
信長は生涯を通して戦闘しっぱなしだった。イメージとしてはこんな感じ。

90% 合戦、および評定/恩賞/叱責/成敗
5% 鷹狩
2% すもう大会
2% 天皇・将軍行事
1% 名物召し抱え

戦国時代、死がすごく身近にある。「何々の戦いで敵方地侍七百五十人と討ち取った」とか淡々と繰り返し出てくる。
たくさんの武将名が見てたら「信長の野望」をやりたくなった。

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2014年10月13日

Posted by ブクログ

外国語だろうが古文だろうが原文のまま読めるのが理想。同じ日本語なんだから古文くらい...とは思いません。高校時代の成績が示してくれていますのでorz

随分と細かく記録しているというのが率直な感想。信長存命中からリアルタイムで書き記してたんだろうな。

次は『言継卿記』かな。

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2014年01月03日

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