モリエールのレビュー一覧

  • 人間ぎらい
    自分を曲げることができないアルセスト。だけど、恋には逆らうことができない人間らしさに安心した。

    喜劇だけど、悲劇的
  • 人間ぎらい
    一見飄々と書き上げたかの作品に見えるが、喜劇と悲劇という対極に位置する両者を苦も無く流麗に調和させる技術は物語の書き手なら誰もが嫉妬を禁じえない喫驚の一言。かのゲーテが本作を読んでモリエールに会う事を渇望したというのも頷ける至極の戯曲作品。
  • 人間ぎらい
    モリエール随一の傑作とされる性格喜劇。若気の至りの塊のような青年アルセストが人間嫌いになっていく様を、ユーモアとペーソスたっぷりに描いていてほほえましい。理解してくれる友人がいて君は幸せだよ!
  • 人間ぎらい
    モリエールにはまったきっかけ。タイトルに惹かれて手にとってみれば、まあ面白い。高校生のうちに出会えてよかった。数作品読んだ今もモリエールの中では一番好き。
  • 人間ぎらい
    あらゆる文章、ここでは恋文の文章だが、その一致性と不一致性について考えさせられる。自分の心がわからなくなるのである。何かを無理やり書く場合には参考になるだろう。
  • 人間ぎらい
    面白い。
    おべっかや飾り立てた大仰な言葉遣い、本心とは異なる表面上の友情と愛情で満ち満ちた社会を嫌うアルセスト。
    「嘘をつくと蕁麻疹が出る(これは違国日記の高代槙生)」かのような彼は、真実の見えない厚化粧な社交界を嫌う。つまりは「人間嫌い」ということだろう。

    しかしそんな彼も「恋ってやつぁ、理性じ...続きを読む
  • 人間ぎらい
    世間知らずで潔癖なアルセストくんが恋に落ちたことで苦しみまくり人間嫌いになるという「喜劇」。本人からしたら悲劇なのだろうけれど…
  • 人間ぎらい
    本音と建前を弁え、言葉を並び立てて"良識"のある人間として振る舞う社交界貴族達の言動も、言葉や気遣いで固めた人間の心の醜さに耐えられず、真っ向から反発する青年アルセストの言動も喜劇として見ると滑稽でおかしい。が、それはくすぐられるようなおかしさではなく、痛切な余韻を残すおかしさである。喜劇と悲劇の表...続きを読む
  • 人間ぎらい
    久しぶりに古典を読んだ。さくっと読めるので良い。とても皮肉のきいた作品。いつの時代も悪口は人間関係を強固にする手段だったのだなあと悲しくなるし、そんなもんかとも思う。
  • 人間ぎらい
    純心な主人公アルセストが、自分の最も嫌うつくろいの社会の色に染まったセリエーヌにのめり込む。恋に破れ人間嫌いとなって隠遁することを決意する。1640年代の作品だが現代にも通ずる物語。2018.7.7
  • 人間ぎらい
    本音を言わず建前で人と付き合う

    そんな事が嫌いだ。
    そんな社会はクソだ。
    人間はもっと正直に生きるべきだ。

    そう思った時期って誰しもあると思う。

    主人公アルセストが滑稽でもあり、
    どこかいつかの自分と重ねてしまう。

    これを喜劇として受け止める私たちの社会もまた、悲劇的な喜劇と言えるのかもしれ...続きを読む
  • 人間ぎらい
    鬼のような人間嫌いの主人公アルセスト。

    青年故か、誰にたいても斜に構えて反論のみw

    誰も認めようとしない思考回路がすでに自分をかぶっていてつらいですw

    アルセスト「僕はあらゆる人間を憎む。」

    この発言に集約されるアルセストのキャラがいいです。

    悪い事をしてるやつらは当然憎むし、社交界に染ま...続きを読む
  • 人間ぎらい
    本心しか言いたくないという潔癖性を持つ主人公が、理性では如何ともしがたい恋愛に熱をあげ、最終的に人間ぎらいになる話。あくまで喜劇である。
  • 人間ぎらい
    喜劇しか書けない?らしいモリエールさん。
    なかなか面白い。
    同時代だったらもっと面白いのだろう。
    電車で読むには向かない。
  • 人間ぎらい
    当事者にとっての悲劇は第三者においては喜劇となる。そういうことだろう。
    登場人物に感情をおいて読み進めれば,この物語の結末は悲劇だ。けれども,これをあくまで戯曲として捉え,最後まで傍観の意思を貫けば,読み手はこの本を滑稽な喜劇として捉えることができるのである。
  • 病は気から

    気で病む男

    新潮から出ている気で病む男と同じ内容です。
    新潮版は女学者が頭につきます。
    主人公は同じくアルガンですね。
    モリエールの作品ですので、楽しんでください。
    お好みで。
  • 人間ぎらい
    演劇の脚本である。現物を見た後でないとその場面が頭に浮かばないので興味が持てない。
     現在であればYouTUbeで観た後にこの脚本を見ればいいと思われる。津村の読み直し世界文学の1冊であるが、読み直しても場面が浮かばないのは、日本でそれほど上演されなくなったせいなのかもしれない。
  • 人間ぎらい
    生のどの瞬間も、死への一歩である。コルネイユ

    大きな罪の前には、取るに足らぬ罪がある。ラシーヌ『フェードル』

    金曜日に笑う者は土曜日には泣くだろう。ラシーヌ『訴訟人』

    結婚の契約をしてからでなければ恋をしないというのは、小説を終わりから読み始めるようなものだ。▼満足は富にまさる。モリエール
  • 人間ぎらい
    喜劇王の作品ということで、気軽に読めて大笑いできる作品かと思いきや、意外にそうでもなかった。もちろん、モリエールは役者でもあったから、さすがに演劇で笑わせる手法をよく心得ている(p.25、p.73~など)。しかし全体としては、むしろ悲劇に近いような印象だった。

    アルセストは自ら「僕はあらゆる人間を...続きを読む
  • 人間ぎらい
    何でも率直に自分の感情をぶちまけなければ気がおさまらない一種の中二病患者アルセストの大変残念な恋の物語である。
    しかしこいつときたら良く分からない。
    誠実な人間以外は寄るな触るなとうるさい割に、彼が恋焦がれるのは行き遅れの聖女ではなく、甘い言葉と毒舌とをしっかり使い分ける小悪魔ガール(笑)なのである...続きを読む