山川徹のレビュー一覧

  • 最期の声 ドキュメント災害関連死

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     災害関連死を調べることは未来の災害関連死をなくしていくための貴重な財産になるという信念のもと、阪神・淡路大震災、中越地震、熊本地震の災害が発生した地域を歩き回り、遺族、関係者、支援する医者、弁護士など一人ひとりの話を聞きながらまとめた本だった。とにかく丁寧な取材が際立っている。そして取材相手のこころの傷に寄り添って深い共感を示す。彼らと共に涙し、怒り、何をすべきなのかを考える。世界をより思いやりのある、誰も置き去りにしない場所にしたいという、とてもまっすぐな理念のもとで執筆しているのが分かる。そもそも日本の災害被害者に対する弔慰金という制度は、自ら被災して大切な肉親を失った政治家が信念を持っ

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    2025年09月18日
  • カルピスをつくった男 三島海雲

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    初恋の味「カルピス」をモンゴルから持ち帰った三島海雲の評伝。野心的な大陸への進出と好奇心がカルピスの源流を見つけ、戦時中の栄養補給の手段として地位を確立していく。

    寺の倅である三島海雲は、圧倒的な行動力に知的好奇心と外の文化への憧憬を加えて旅をし、様々なビジネスを興すが、その軸には仏教の教えがあって、複雑な彼の人生を形作っている。

    体に良いこと、美味しいことといった極めてシンプルに国民を豊かで健康にしたいという想いや微生物研究に私財を投げうって投資する長期的視野は今のビジネスに失われたもののように思う。

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    2025年04月06日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    足立美術館内の販売コーナーで購入。
    美術館創設者の足立全康氏の解説が数ページ載っているが、とても分かりやすい解説だった。
    足立全康氏の基本を抑える事ができた。
    その他、戦前の豪快な大金持ちを何人か紹介している。
    モチベーションを高められる。
    足立全康氏の自著を買うきっかけになった。
    買って良かった。

    戦前の大金持ち

    面白かったところ3点

    40ページ
    働き方の改革の基本は、工場モデルの飯、風呂、寝るの生活から人、本、旅の生活の切り替えにある。
    そのために重要なのが長時間労働を止めること。
    早く家に帰り、空いた時間を活用して人、本、旅とたくさん触れ合うことがサービス業が重視になった現代に合っ

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    2024年08月11日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    島根県の足立美術館を訪れた際に、なぜ20年間連続で日本一をとる庭園の創設者の名前があまり世に知られていないのだろうと疑問に感じた。
    そこで、創設者足立全康がどう財産を築いたのかを知るためにこの本を手に取った。

    「自分以外は全員師匠である」と言う足立全康の姿勢を見習おうと思った。

    お金持ちたちの軸を持った姿勢に惹かれた。

    それぞれの偉人たちの成功の背景には一概にいい面だけではなく、悪い面(社会的に?周りに反対されるみたいな)もあった。

    反対されても突き通す強さ、柔軟に意見を取り入れる優柔さ、各偉人たちにはそれぞれの特徴があった。

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    2023年09月14日
  • カルピスをつくった男 三島海雲

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    ネタバレ

    健康飲料として評判の高いカルピスをつくってくれた日本人の先人の短い伝記としても、当時の時代や多くの日本人達が大陸に夢を持って渡っていったこと(結果的に支那人、朝鮮半島の人達からは大変な反感を持たれることになりましたが)、関東大震災と同時代のこと、本書に登場する周辺の人物たちのこと、そしてモンゴル、内モンゴルのこと、ユーラシア大陸のこと、イタリアの詩人ダヌンツィオとのこととか、どれもこれも大変興味深かったです。

    仏教とのかかわり、聖書のことばの一粒の麦のこと、わたし自身では仏教自体には興味も希望もあまり持つことが出来ないのですが。

    カルピス自体は、山川さんも書かれていますように、カルピス以外

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    2023年05月06日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    この本が取り上げている7人の実業家に共通することは、「事業だけでなく公共への投資」という視点だったと思う。
    会社の利益は、社会があってこそ実現できることを自覚し、社会への還元を忘れてはいなかったのだと感じた。
    また、印象に残っているフレーズは、「金は使ってこそ価値がある」というもの。
    これを私は、リスクをとって投資を行うものだと理解した。
    事業家の生き方から経営学だけでなく、人として社会にどう貢献するかなどを学べる本だと思う。

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    2020年11月21日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    足立美術館に行ったので読んでみました。
    ミキモトの事なども書いてありさまざまな実業家の事を知れて良かったです

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    2025年09月10日
  • カルピスをつくった男 三島海雲

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    偉大なカルピス創業者の物語ではあるが、ややこしい人だなぁと思いつつ読んだ。カルピスの起源がモンゴルにあり、三島の波乱の人生と巡り合った。でも、なぜ馬乳じゃなく牛乳だったのかなあと素朴な疑問が最後まで残った。

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    2024年04月28日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    島根県安来市にある「庭園日本一」の足立美術館を訪れ、その庭園の美しさと、美術館の広さ、そして魯山人や横山大観といった収集品の見事さに感動し、同時に大いに疑問を抱いた。いったい、この美術館を作り上げた足立何某とは、何者なのか。

    ミュージアムショップに平積みされていたこの新書を購入。彼以外にも項があるが、真っ先に足立氏の項をめくると、筆者も同様の疑問を持っていたそう。興味深く拝読。

    年末の休みの都合を付けて島根へと旅に来ている私は、梅屋庄吉の項で思わず本の端を折った。
    40ページ 筆者の解説より 以下引用
    ……僕は「働き方改革」の基本は、「工場モデル」の「飯、風呂、寝る」の生活から「人、本、旅

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    2023年12月30日
  • 国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち

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    ラグビーは代表選手の国籍を問わない。彼らは何故、「日本代表」を選んだのか?ここに、ラガーメンの命の選択がある。

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    2023年09月01日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    島根にある世界的に有名な足立美術館。先日思い立って行きました。その美術館の中にあるショップで見かけて購入しました。出口先生の本は今まで数冊読んできましたがこの本は知りませんでした。はしがきに記載ありますが、出口先生が大学に学長になられて後に島根を訪問されて、神社訪問のあとふとこの足立美術館まで足を運んで、この美術館の創立者足立全康氏の事を知り、より多くの人にその足跡を知って欲しいという動機で、この本の最終章をお書きになったそうです。生き方そのものがMBAの教科書になるというご指摘もあり、併せて「庭園日本一足立美術館をつくった男」という自伝も読みました。

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    2023年06月17日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    何となく聞いたことはある名前ですけど詳しく知らない人ばかりでした。皆さん、スケールご大きくてエネルギッシュ。他方、大金持ちになるけど、学校とか美術館とか「公」に惜しげもなく投資されてますよね。ノブレス・オブリージュ。そういう気風、今、日本に求められている気がします。

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    2023年05月25日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    本と旅の人、出口さんならではの本。軽く読める一方で、「今の日本で生きてる私の価値観」が普遍ではないという当たり前のことに気付かされる。
    私は、別の時代、別の地域に生きてれば、確実に今とは違う価値観を正と思って生きてるはず。「自分が正しい」と思うことの視野の狭さを感じさせられた。
    国の違いは旅で、時代の違いは本で。狭くならないよう、閉じないに。

    ■革命のプロデューサー 梅屋庄吉
    ■パリの蕩尽(とうじん)王 薩摩治郎八
    ■初物狂い 大倉喜八郎
    創業と守成 短距離から長距離への切替え
    ■吉野の山林王 土倉庄三郎
    吉野の桜を守った人。
    年々戦勝論 日清戦争は多くの国費と若者の命を奪ったのに、得るもの

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    2023年04月09日
  • 最期の声 ドキュメント災害関連死

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    副題に「災害関連死」とあるが、災害弔慰金法制化の経緯からどのように災害関連死に対象が広げられてきたか、また災害関連死を「災害支援の失敗例」と捉え、遺族と災害関連死対策をする人を追ったドキュメント。新たな視座を提示できている。

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    2023年02月26日
  • 最期の声 ドキュメント災害関連死

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    阪神大震災や東日本大震災などの大災害による死で最近注目されているのが「災害関連死」だ。災害後の極端な生活変化や家族の喪失などに肉体的にも精神的にも耐えきれず、亡くなることを指す。

    震災によって入院してた病院を失ったことによる病死。失った住居や収入を取り戻すために働き続けたことでの過労死。震災から数年後にウツに病んでの自殺。様々な災害関連死が認められた一方、世間体を気にしたり、死んだ者はかえってこないとあきらめて、申請を拒否する者や制度そのものを知らない者もいる。

    また、申請を受け付ける自治体によっても、災害関連死を認める度合いに差がある。

    結局、災害関連死という制度は、未だに被災者遺族を

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    2023年02月21日
  • カルピスをつくった男 三島海雲

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    カルピスの聖地・モンゴル高原まで訪ね、規格外の経営者の生涯に迫った評伝になります。
    カルピスは好きな飲み物ですが、この本を読んでからカルピスを見ると感慨深いです。

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    2023年01月08日
  • 最期の声 ドキュメント災害関連死

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    本の雑誌の特集からのピックアップ、だったか。色んな理由から、クリアカットに災害関連死と認められづらかったケースを取り上げ、心情面や行政面など、多角的にその理由を掘り下げていく本書。年齢などの背景はさておき、災害がなければ避けられた死だった、と感じられればそれは関連死、とまずは考えてみるのが良いのでは。申請性というのもイケてなくて、上記のごとく考えれば、少なくとも網羅的に把握することも容易になる気がする。個人的に特に思い入れが強かったケースは、同じく娘を持つ親として、自死を選ばざるを得なかった父の気持ちを思うともう…。こみ上げるものを押さえるのは困難だったのであります。自国民にすら優しくない国で

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    2022年07月07日
  • カルピスをつくった男 三島海雲

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    大谷光瑞や川口慧海の様な仏教者とも川嶋浪速の様な大陸浪人とも流れに流れた余多の馬賊とも重なる様で重ならない、教育者・行商人として過ごした満洲地方で出会った乳製品からヒントを得、国民飲料カルピスを作り上げた立志伝中の人物の一代記、である。

    三島は実の子供以上にカルピスに愛着と自負を持っていたのかも知れない。

    羽田亨や桑原隲蔵、矢野仁一や鳥居龍蔵といった懐かしい名前が出てきたのが思わぬ収穫。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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    2022年02月06日
  • 戦前の大金持ち(小学館新書)

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    2018064

    戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。

    美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。

    もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。

    みんな地方から日本

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    2018年06月27日
  • それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子

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    変な脚色やドラマチックさもなく淡々としていて良い。

    辛い評価を入れている人は、この本に何を求めているんだろう。。

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    2014年08月21日