山川徹のレビュー一覧
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災害関連死を調べることは未来の災害関連死をなくしていくための貴重な財産になるという信念のもと、阪神・淡路大震災、中越地震、熊本地震の災害が発生した地域を歩き回り、遺族、関係者、支援する医者、弁護士など一人ひとりの話を聞きながらまとめた本だった。とにかく丁寧な取材が際立っている。そして取材相手のこころの傷に寄り添って深い共感を示す。彼らと共に涙し、怒り、何をすべきなのかを考える。世界をより思いやりのある、誰も置き去りにしない場所にしたいという、とてもまっすぐな理念のもとで執筆しているのが分かる。そもそも日本の災害被害者に対する弔慰金という制度は、自ら被災して大切な肉親を失った政治家が信念を持っ
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足立美術館内の販売コーナーで購入。
美術館創設者の足立全康氏の解説が数ページ載っているが、とても分かりやすい解説だった。
足立全康氏の基本を抑える事ができた。
その他、戦前の豪快な大金持ちを何人か紹介している。
モチベーションを高められる。
足立全康氏の自著を買うきっかけになった。
買って良かった。
戦前の大金持ち
面白かったところ3点
40ページ
働き方の改革の基本は、工場モデルの飯、風呂、寝るの生活から人、本、旅の生活の切り替えにある。
そのために重要なのが長時間労働を止めること。
早く家に帰り、空いた時間を活用して人、本、旅とたくさん触れ合うことがサービス業が重視になった現代に合っ -
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ネタバレ健康飲料として評判の高いカルピスをつくってくれた日本人の先人の短い伝記としても、当時の時代や多くの日本人達が大陸に夢を持って渡っていったこと(結果的に支那人、朝鮮半島の人達からは大変な反感を持たれることになりましたが)、関東大震災と同時代のこと、本書に登場する周辺の人物たちのこと、そしてモンゴル、内モンゴルのこと、ユーラシア大陸のこと、イタリアの詩人ダヌンツィオとのこととか、どれもこれも大変興味深かったです。
仏教とのかかわり、聖書のことばの一粒の麦のこと、わたし自身では仏教自体には興味も希望もあまり持つことが出来ないのですが。
カルピス自体は、山川さんも書かれていますように、カルピス以外 -
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島根県安来市にある「庭園日本一」の足立美術館を訪れ、その庭園の美しさと、美術館の広さ、そして魯山人や横山大観といった収集品の見事さに感動し、同時に大いに疑問を抱いた。いったい、この美術館を作り上げた足立何某とは、何者なのか。
ミュージアムショップに平積みされていたこの新書を購入。彼以外にも項があるが、真っ先に足立氏の項をめくると、筆者も同様の疑問を持っていたそう。興味深く拝読。
年末の休みの都合を付けて島根へと旅に来ている私は、梅屋庄吉の項で思わず本の端を折った。
40ページ 筆者の解説より 以下引用
……僕は「働き方改革」の基本は、「工場モデル」の「飯、風呂、寝る」の生活から「人、本、旅 -
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島根にある世界的に有名な足立美術館。先日思い立って行きました。その美術館の中にあるショップで見かけて購入しました。出口先生の本は今まで数冊読んできましたがこの本は知りませんでした。はしがきに記載ありますが、出口先生が大学に学長になられて後に島根を訪問されて、神社訪問のあとふとこの足立美術館まで足を運んで、この美術館の創立者足立全康氏の事を知り、より多くの人にその足跡を知って欲しいという動機で、この本の最終章をお書きになったそうです。生き方そのものがMBAの教科書になるというご指摘もあり、併せて「庭園日本一足立美術館をつくった男」という自伝も読みました。
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本と旅の人、出口さんならではの本。軽く読める一方で、「今の日本で生きてる私の価値観」が普遍ではないという当たり前のことに気付かされる。
私は、別の時代、別の地域に生きてれば、確実に今とは違う価値観を正と思って生きてるはず。「自分が正しい」と思うことの視野の狭さを感じさせられた。
国の違いは旅で、時代の違いは本で。狭くならないよう、閉じないに。
■革命のプロデューサー 梅屋庄吉
■パリの蕩尽(とうじん)王 薩摩治郎八
■初物狂い 大倉喜八郎
創業と守成 短距離から長距離への切替え
■吉野の山林王 土倉庄三郎
吉野の桜を守った人。
年々戦勝論 日清戦争は多くの国費と若者の命を奪ったのに、得るもの -
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阪神大震災や東日本大震災などの大災害による死で最近注目されているのが「災害関連死」だ。災害後の極端な生活変化や家族の喪失などに肉体的にも精神的にも耐えきれず、亡くなることを指す。
震災によって入院してた病院を失ったことによる病死。失った住居や収入を取り戻すために働き続けたことでの過労死。震災から数年後にウツに病んでの自殺。様々な災害関連死が認められた一方、世間体を気にしたり、死んだ者はかえってこないとあきらめて、申請を拒否する者や制度そのものを知らない者もいる。
また、申請を受け付ける自治体によっても、災害関連死を認める度合いに差がある。
結局、災害関連死という制度は、未だに被災者遺族を -
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本の雑誌の特集からのピックアップ、だったか。色んな理由から、クリアカットに災害関連死と認められづらかったケースを取り上げ、心情面や行政面など、多角的にその理由を掘り下げていく本書。年齢などの背景はさておき、災害がなければ避けられた死だった、と感じられればそれは関連死、とまずは考えてみるのが良いのでは。申請性というのもイケてなくて、上記のごとく考えれば、少なくとも網羅的に把握することも容易になる気がする。個人的に特に思い入れが強かったケースは、同じく娘を持つ親として、自死を選ばざるを得なかった父の気持ちを思うともう…。こみ上げるものを押さえるのは困難だったのであります。自国民にすら優しくない国で
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2018064
戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。
美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。
もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。
みんな地方から日本