野崎まどのレビュー一覧
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「自分はなぜ、こんなに時間をかけて本を読んでいるんだろう」。
SNSを開けば要点が流れ、AIに聞けば答えが返ってくる。そんな時代に、何時間もかけて小説を読む意味はどこにあるのか。野崎まどさんの『小説』は、その問いに、予想もしない形で答えてくれる作品でした。
物語は、本に魅せられた少年・内海集司と親友の外崎真が、謎の作家“髭先生”のもとで本を読み続ける日々から始まります。前半は、読書好きなら思わず頬が緩むような、穏やかで懐かしい時間が流れます。
ところが、そこからが野崎まど。
ふたりが成長し、「書く人」と「読む人」に分かれていくにつれて、物語は思いもよらない方向へ加速します。小さな読書部 -
Posted by ブクログ
ー物語の中に、言葉の中に宇宙が見えた。
思いがけず、本当に素晴らしい本に出会えました。
この本を読んで一度で理解できる人ってほとんどいない気がします。
でもそれだけ、この本は、言葉や物語の核の部分を問い詰めて追い詰めて、見えた筆者の世界なわけで、読者は絶対に置いていかれると思います。
ああ、でも筆者の見えている世界を一部でも覗きたい。知りたい。
本を読むことはこんなにも素晴らしい体験であり、出会いであり、心救われる時間なのだと、今まで以上に本が好きだと実感できる「小説」となりました。
小説の深淵は宇宙と繋がっているんですね。
私たちはことばの中に星が見え、本を読んで感じる空間や気持ちや、想 -
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ネタバレすごい。
小説を読むことそれ自体が、全宇宙に共通する自然法則そのものである。
この小説が現れたことによって、なんだか時代の移ろいを感じた。あれだけ無条件に肯定されてきた「文章を読む、小説を読む」という行動でさえ、現代社会では読者の心に暗い影を落とすようになってしまったとは。
ひとたびSNSを開けば、そこには自分の完全上位互換がそこらじゅうに存在するように思えて、娯楽に時間を割くことがあたかも罪であるかのように囁かれる。そんな世の中でこの小説は摩訶不思議な理屈だとしても、それを許してくれる理由を与えてくれる。
それは自然なことだから。 -
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読んで気持ちが少し楽になったので星5にした。野崎さんの本2作目。書き手として技量のある人なんだと思った。場面というか、エピソードとエピソードの切り替えのたぶんテクニックなんだと思うけど。病みつきになった。前作に共通して読みやすい感じも好きだった。それに、僕の読書スタイルというか、本に求めることとして自分の問題を解決してくれることを期待していて、必ずしも解消するわけではないけど、一つの答えを示してくれるので満足度も高い。そういうジャンルの本ってなんて探せば良いんだろう。よく分からないけど、今のところ野崎さんの本だとハズレがないので、また何かのタイミングで読みたいな。今は積み本が多いのであれだけど
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ネタバレモジャ屋敷に、夏休み中入り浸りたい。
私はときどき、自分の家に知らない部屋がある夢を見る。どの扉も自由に開けられる。モジャ屋敷にも同じわくわくを感じた。一冊開くたび、自分の知らなかった物語を浴びられる。
小学六年生の内海集司と外崎真は、屋敷で本を読み、自分たちでも物語を書く。外崎の小説は評価され、内海は才能の差に打ちのめされる。やがて内海は「自分は書かない」と言い切る。
ここは正直、あまり共感できなかった。内海の気持ちが高揚する場面で、地の文は驚くほど饒舌になる。私には書きたい欲求が溢れているように読めた。自分なら、才能の差に打ちのめされても書きまくる。
作中の「意味とは外から見えない -
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好きな人に、本交換で貸してもらった。読むのに1ヶ月半くらいかかった。しかし、読んでる時間はとても充実して、学生の頃の少年ジャンプを見てる気持ちになった。
私が好きな作品は朝井リョウさんの「キトヴィオラの今」、小川哲さんの「落ち着いて」、一穂ミチさんの「おやすみなさい、小羊ちゃん」、三浦透子んの「悪と友達」だった。
読んで1ヶ月前のものもあって忘れていたものもあったが好きな作品は、人の視点によって悪が変わる印象も持った気がする。いろんな人の悪の作品を見たが悪があれば、必ず正しさも現れる。受け手側は悪と感じてるが、行った人は正しいと思ってることもあり、人の感情って面白いなと思った。 -
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『GOAT』第2号(特集は「悪」)です。前回の特集「愛」との対比がいいです。前回から引き続きの作家さんや初掲載の作家さんなど今回も盛り沢山で、また1ヶ月かけてチマチマ読み、完読しました。
「悪」ならではのエンタメ・ミステリー色強め傾向で、様々な視点の「悪」へ真正面から向き合って本領発揮する作家さんの作品に、読み手も吸い込まれます。加えて、様々な視点の「悪」とは言え、最近の社会情勢を反映した「悪」が多い気がしました。
明確な悪意がないにも関わらず、知らぬうちに「悪」に加担してしまっているケースなど…。これは他人事ではなく、改めて歪な社会構造と我が身の振りを省みざるをえません。日常に潜む -
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とにかくはちゃめちゃに良コスパな文芸雑誌第二弾。今号はテーマを「悪」と定め、悪にまつわる様々な物語が読める。
収録作品の中の上村裕香著「全身政治家」がめちゃくちゃ人を喰った話で面白かった。
とにかく顔がいい若きシゴでき市長から直々に生い立ちについてのインタビュー記事の依頼を受けた主人公。しかし話を掘り下げていくと奇妙な齟齬に気づく。勇気を出して本人に伝えると…。とにかくこの市長のキャラがいい。ビジュ良すぎる顔でシリアスに暗い生い立ちを語ってからのこのオチはもはやコント。しかしこれによって主人公が自分自身の過去と対峙する展開はちょっと感動してしまう。
こういう話大好き。 -
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BS番組「あの本読みました?」の文芸誌特集で取り上げられているのを見て興味を持ち、まずはこの第2号を取り寄せました。
朝井さん、一穂さんをはじめとする既読の作者だけでなく、名前は知っていても未読の作者もずらーッと並ぶラインナップで、「もっと読んでみたい」という気持ちが駆り立てられました。
特に今号では「悪」をテーマにした短編に引き込まれました。話の中身も紙質を含めた本の装丁も興味深く、ウキウキしながらページを捲っていきました。
雑誌をこんな気持ちで読むのは、幼いころに手にした漫画の月刊誌以来ではないかなと思ってしまいました。第3号の方ももちろん手に取りたいと思います。 -
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ネタバレ気になったところからつまみ読み。
三浦透子さんのエッセイ、これは時を置いてまた読みたい。
私も、”自分の倫理観を育てる努力”を見習って実行しよう。
また、三浦さんがいつか振りがざすかもしれない大きな刀とやらを見てみたい、そんな気もしている。
最近、短歌を読み始めた。
千早茜さんのエッセイ中にある日記を読みながら、この感覚短歌になりそう、と思う箇所についつい付箋を貼った。
歌を沢山読みたくなった時、まずは日記を認めてみる、その中からこの感覚忘れたくないと思う場面を短歌にしていく。
旅に出たら、やってみよう。
掌編とはなんぞや、それも知らずに読んだ方丈貴恵さんの「落書き」。
うん、掌編を知ら -
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ネタバレ感想を言葉にするのが難しい本。
今までにない読書体験。
何にかわからないけど、泣けた。
"わたしの内側が増え、
そしてそれはわたしと混ざり合って益々1人の人としての意味が増える"
この概念は、わたしの心の何かを刺し
わたしも内海と同じように救われた気がする。
本が好き。でも絶対書けない。創り出せない。
消費?しているような罪悪感?のようなものをうっすら感じて、
何も生み出せない自分に、ほとほと嫌気がさす。
こんなに無価値で生きている意味ってなんだろう?
日々に追われながら
溜まっていく澱に絡め取られそうになっていたので、
きっとこの本は、ホラ!読んでごらん!と、
神様か -
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「小説を、心の栄養に。」とのコンセプトで、様々な作家の小説やエッセイ、詩や対談を掲載した文芸誌の第2号。
今回の特集テーマは「悪」となっている。
前作の特集テーマ「愛」よりも、個人的には読みやすい作品が多かった。
「悪」というテーマゆえか、ミステリーの要素がある物語や、ブラックな内容の話が多かったからなのかもしれない。
テーマは同じでも色々なジャンルの「悪」があるのを楽しむことができる。
また、「サンクトペテルブルクの鍋」はいくつかの舞台が代わる代わる登場して混ざっていくような混沌としたもので、おそらく自分で選んで手に取ることはなさそうなタイプだった。
正直読むのにはかなり時間がかかり、内容