恩地三保子のレビュー一覧

  • 満潮に乗って

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    事件に至るまでの経緯が丁寧に描かれているので、ギスギスしたクロード一族の人間ドラマ、そしてリンをめぐる三角関係の恋愛模様が濃厚ですし、ツイストの連続で面白いです。
    しかし、伏線は色々張られているものの、謎解きに必要な手掛かりが明確に提示されていないため、ミステリーとしてはやや不満が残ります。

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    2015年07月01日
  • 満潮に乗って

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    大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。
    戦後、後ろ盾としてのゴードンを失った弁護士や医師らクロード家の人々は、まとまった金の必要に迫られ窮地に立たされていた。
    “あの未亡人さえいなければ”
    一族の思いが憎しみへと変わった時・・・戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。
    (当書裏表紙あらすじより)

    解説を読んで初めて知ったんですが、クリスティー作品の中後期には本作のようなタイプが幾つかあるんだそうです。
    クリスティー作品の超有名作品「ナイルに死す」もそのタイプに入るそうで、そのタイプとは「ドラマ性の高いミステリー」なのだそうです。
    曰く、「事件がなかなか起きない

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    2021年09月21日
  • 満潮に乗って

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    若い未亡人と再婚した大富豪のゴードン・クロード。彼は一族の生活を支えており、一族全員が彼の庇護のもとにあった。だが、彼は空襲で死亡し、財産は全て若い未亡人のロザリーンが継ぐことになった。それ以来、一族の生活費の支出は、実質的にロザリーンの兄のデイヴィッドの許可が必要になった。「彼女さえいなければ」戦争が人の心を闇にしていく。ポアロは空襲から避難した場所で居合わせたポーター少佐から、アフリカにいる彼の友人ロバート・アンダーヘイと彼の不幸な結婚についてや、その妻はその後ゴードン・クロードの妻となったが、アンダーヘイがまだ死んでいないかもしれないことを聞く。

    狭い村での人間関係の絡まり、戦争という

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    2025年11月12日
  • 杉の柩

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    ネタバレ

    ポワロ出てくる。タイトルは謎。そんなことあるんだ?!となる話。珍しい法廷系だった。やり取りや臨場感が愉しめる。

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    2025年08月28日
  • 杉の柩

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    エリノア、なんだか報われてほしい人だなぁ。今作もミステリー、謎解き満載で面白かった。最後までタイトルの意味はよく分からなかった。。

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    2025年04月14日
  • 杉の柩

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    短期集中アガさんの最終回。

    たぶん未読であろうと思う。
    ポアロもの。
    遺産相続がらみ殺人。
    状況証拠や動機で真っ黒の女性の嫌疑を晴らす。
    女の嫉妬やらプチロマンスもあり。

    思ったよりもおもしろかったな~。
    でも、こんなのわからんわ。
    反則ではないけど、イエローカードでもないけど、注意ぐらいは受けそうじゃないか。
    読者への挑戦みたいなのがあるわけじゃあないからいいっちゃいいんだけど、あれの犯人とトリックを当てるのは無理。当てようとして読んでないからいいけど。


    何の気なしに著者、つまりアガさんの経歴みたいなのを眺めてみたんだけど、ちょっと笑った。
    「~嵐のようなロマンスののちに結婚した。」

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    2024年10月12日
  • 満潮に乗って

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    ネタバレ

    真実を全て世間に明らかにしない、明らかにしないほうが幸せなこともある。殺人事件という非日常はそんなに起こり得ない。だからこそ事件が起こる前の人間の心情描写を丁寧に描く。動機を持っている人が犯人ではないこともあるし、一見動機がないのに明らかになると納得できるような隠された動機がある。みんな怪しいし、殺されそうな人は明らか。えっこの人から殺されるの!この人今死んじゃうの、、そんなドキドキも味わえる良い作品

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    2024年08月27日
  • 満潮に乗って

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    【ポアロ】
    解説に「この本を手にしている方は、かなりの重症のクリスティー・ファンだろう」と書いてある。解説者もこの本は「四十数冊目くらいのクリスティー本」らしい。
    私もこの本でクリスティー48冊目で、ポワロ作品は自分の好きなタイプはほぼ読み終わってしまった。
    だから残りのポワロ作品になかなか手が伸びず、かなり久しぶりのポワロ。
    ここからのポワロは自分の苦手な作品が続くので、どこまでいけるのか自分に挑戦。

    大富豪ゴードンが戦災で亡くなる。
    亡くなる直前に若い娘と結婚し、巨額の財産は彼女のもとに行くことに。親族は複雑な思いを抱く…。

    いつまで経ってもなかなか事件は起こらない。
    登場人物は全員大

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    2024年09月07日
  • 杉の柩

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    登場人物は資産家の未亡人、その甥と姪、未亡人の寵愛を受けている娘、医師と看護婦2人。
    甥と姪は将来を約束した仲だが、未亡人の世話をしている娘を見て、甥の気持ちが揺らぐ。
    ほどなくして、未亡人が亡くなり、姪が遺産を相続するが、甥との仲は破綻する。そんな中、娘が殺されて、犯人として姪が逮捕される。医師は姪の無実を信じて、名探偵エルキュール・ポアロに調査の救いを求める。遺言を残さず亡くなった未亡人、若いながら遺言を残して殺された娘。姪に不利な状況が積み重なるなか、姪が本当にやったのか、それとも濡れ衣なのか、ポアロの調査が始まる。登場人物とポアロとの会話から、真実が見つけだせるのか、姪は本当に無実なの

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    2024年08月12日
  • 満潮に乗って

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    1948年発表。ポワロシリーズ第23作。突然潮目が変わり、大海原に投げ出されたクロード一族の面々を中心に、波乱に飛んだストーリー展開が面白い。事件自体のご都合主義っぽい特性もトリックに一役買っており、クリスティの巧者ぶりが遺憾なく発揮されている。終戦後の作品でもあり、世界規模の人殺しを経て、平和を取り戻した人々の悲劇が描かれている。生き残った人々もまた戦争の被害者だとでも言いたいのだろうか?

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    2024年07月08日
  • 杉の柩

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    婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。ロディーが彼女に心変わりし、婚約は解消された。エリノアの心に激しい憎悪が湧き上がり、彼女の作った食事でメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが・・・嫉妬に揺れる女心を、ポアロの調査が解き明かす。

    クリスティお得意の男女のもつれが引き起こす殺人事件、と思いきや?という展開。誰がどう見ても犯人はエリノアが怪しいので、さすがに犯人は違うんだろうと思うものの、動機がはっきりしないので全然分からなかった。しかしロディーのろくでなし具合にはイライラしたね。こんな男と結婚しなくてエリノアは正解だと思うよ。普通なら被疑者だから手の

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    2024年04月13日
  • 杉の柩

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    ポアロシリーズ18作め。
    エリノアのロディーへの心理描写にいまいち共感できずに終わってしまった。事件が解決してもロディーのもとに帰らなかったところは納得。気持ちを偽らなければ一緒にいられないなら、いずれは終わってしまいそうな関係だと思うので。
    肝心の事件について。事件直前に不自然な文章があったから怪しいとは思ってたけどまさかそんなトリックとは!

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    2023年09月11日
  • 満潮に乗って

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    クリスティはお金持ち一族のいざこざを書くのが上手いように思う(実際にあったことがないので厳密には何とも言えないが)。トリックより登場人物のドラマに重きが置かれている作品だった。

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    2023年07月04日
  • 満潮に乗って

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    ネタバレ

    世界的富豪ゴードン・クロードの別荘でガス爆発事故が発生、ゴードンは死亡し、新妻ロザリーンと、その兄デビッドは生存する。それから2年が経ち、ロザリーンとデビッドの厳しい遺産管理により、クロード一族は苦しい生活を強いられ、クロード一族にとってロザリーンは邪魔者となる。一族の反感をくらうロザリーンは、日に日に憔悴の度を深める。さて、ポアロシリーズの中でも「推理」よりも、最後に誰と誰が恋中でゴールインするのでしょうか?という問い探しミステリーといった方が良い作品。今回「おかしい」人間の多さにはびっくりたまげた。③

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    2022年12月09日
  • 満潮に乗って

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    ポアロ
    人間関係のドラマを楽しむタイプ。なかなか面白かった。しかしリンの最終的な選択は自分には理解しにくいものであった。あとクリスティー作品に時々でてくる降霊術に傾倒する登場人物。苦手というか読み飛ばしたくなるほど苦痛だ。

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    2021年07月10日
  • 満潮に乗って

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    またまた人間ドラマ的作品。資産家が一族を養うという状況が前時代的でイマイチ設定に入りきれないが、クリスティを読んでると思っていれば十分に楽しめる。

    ただクリスティを読破するぞ!と決意して読んで23冊目、もうちょっと推理ものである事を期待して読み出した頃からすると、これは本当に自分が読みたいジャンルの小説なのか?との疑問も湧いてきた…今3冊に一冊はクリスティと決めて読んでたけど、ちょっと間を空けてみようかな。この作品もよく出来てるとは思うけど、なんか素直に楽しめなくなってる気がする。

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    2020年01月19日
  • 満潮に乗って

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    ネタバレ

    悲劇はあたかもシェイクスピアのように。

    大富豪の未亡人、その兄と、困窮する一族。戦争の傷が描かれた作品で、戦後を生きるイギリスの人々の姿に思うところがある。戦時中は従軍し、戦後田舎に帰って婚約者との結婚に戸惑うリン・マーチモントが印象的。前半でたっぷりとクロード一族の人間模様を描き、ポアロは名探偵だが、もはや主役ではないのでは。ラストは、すっきりとまでは言わないが、ひとつの人間関係の決着に満足した気持ちになった。クリスティ作品に出てくる女性は、いつも印象的で、何十年たった今でも全然古びていないと思った。

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    2019年07月04日
  • 満潮に乗って

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    久しぶりにクリスティの作品を読み返してみると、謎ときや犯人探しよりも、人間模様というか登場人物たちの心理描写が面白いと感じる。
    ポワロものとはいえ、彼が本格的に登場するのは小説半ばからだ。作品の主眼に置かれているのは、戦争後の混乱期における家族ドラマではないかと思う。
    外地で従軍した女性が、戦争を経てもなお何も変わらない田舎の人々に感じる苛立ち、村の外からやってくる災いの気配、裕福な親戚の庇護の下、金銭的自立から目を逸らし続けた結果に戸惑う一族…
    結末には少々納得しかねるが、時代を考えればそんなものなのかもしれない。

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    2019年05月19日
  • 満潮に乗って

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    正直、殺人事件の犯人よりもリンをめぐる人間関係の方が気になっていた。そういう意味でももちろんミステリとしてもラストの展開はめまぐるしかった。ただリンのような女性の気持ちは分からない。あんな激情にまかせて短絡的な行動をとる奴はだめだと思うんだけど。

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    2015年04月18日
  • 満潮に乗って

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    つらつらとマイペースに読める本だった。
    最初の方は中々ポアロが出て来なくてつまらなかったけど、あとあと考えると必要だったなぁと思う。
    にしてもリンはあんな奴と結婚して大丈夫なんだろうか。。
    他人事ながら心配。。。

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    2013年07月02日