恩地三保子のレビュー一覧
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ネタバレ【再読】
婚約していたエリノアとロディーの前に現れたのは、門番の美しい娘メアリイ。たちまちロディーはメアリイに心を奪われ、エリノアとの婚約を解消する。その折、伯母のローラが死亡し、エリノアは遺産を相続する。エリノアは、ローラが可愛がっていたメアリイに遺産の一部を譲る。
その後屋敷を売り払ったエリノアはメアリイを昼食に招くが、彼女がつくった昼食を食べたメアリイが死亡する。機会も動機もあるエリノアは当然逮捕され、裁判にかけられることに。さらに病死と思われたローラの死にも不審な点が見つかった。エリノアは、メアリイを可愛がっていたローラが遺言を書き換える前に殺したのではないかということでローラ殺害の容疑もかけられたのだった。ポアロはローラの主治医だったロードの依頼を受け、エリノアの無実を証明するために立ち上がる。
看護婦やほかの使用人の証言を集めていくも、エリノアへの疑惑は深まるばかり。だがポアロは、バラの傷跡やモルヒネのラベルから、ホプキンズの犯行を見抜く。
男女の愛憎をテーマにした人間ドラマはクリスティーの真骨頂。動機も機会も全てが一人の女性を指し示す事件にポアロが挑む。使用人のコミュニティが深く描かれているのも特徴。
●見どころ
・どんな相手からも話を引き出すする術を熟知しているポアロ
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ポアロシリーズ25冊目。
クリスティーはやっぱり面白いな……(n回目)。
ちょうど長距離移動があったというのもありますが、一日で読み切れる作家は、クリスティーを除くとあまり知りません。
「大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した」
というあらすじ通り、ゴリッゴリの遺産相続ものです。
ゴードンの姉、兄、弟、甥姪が入り乱れ、しかも戦後の苦境とそれまでの温室生活がたたり、いずれもが未亡人・ロザーリンとその兄に憎悪の感情を向けています。
このロザーリン兄妹がまたクセモノで、読んでいてもまっっったく同情心が湧いてこない!
ゴードン・クロードに頼りきりだったクロード一族もどうなの?という感じですが、これはたぶんクリスティーも意図してこういう性格に描いているのでしょうね。よっぽど倒叙モノなの?という気持ちで読んでいました。
一向に事件は起きないし、したがってポアロさんも全然出てこないのですが、それでも人間ドラマの面白さで読ませてしまうのがクリスティーなんですよねぇ。
クロード一族を把握する頃(肝の座ったフランセスが一番好み)には一気に引き込まれ、しかもやっと起きた事件も二転三転し……と最後はもう一気読みでした。
解説でも触れられていましたが、肝となる「ある秘密」も、あまりにさらっと書いてしまうのがすごい。
「あっ、なるほどね」と納得したうえで、じわじわと始めからの違和感がすべて繋がる気持ちよさ……。うーん、すごい。
ちなみに、ポワロさんが指摘した「ポーター少佐の一言」にはあれっと気付けたのがちょっと嬉しかったです(^^)(だからといって予想は何一つ当たりませんが……)
ということで、「かなり重症のクリスティー・ファン」向けの一冊も大いに楽しめたのですが、どうしても一つだけ……。
クリスティーが好んで出したがる、頭も良く自立心も強いのに男のセンスがないリンのような若い女性だけは、どーーーしても素直に「よかったね!」と言えないんですよねぇ( ˊᵕˋ ;)それでいいのか本当に。。 -
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ネタバレクリスティ玄人から人気の作品ということは知っていた。
が、個人的にはそこまでだった。
昨年からクリスティを読み始めたずぶの素人にはまだ早いということか…
エリノアの描写は鬼気迫るものがありすごかったし、「直前まで犯罪する気満々でたまたま思いとどまっただけの人と、本当にそのまま犯罪を犯した人ってそこまで違うのか」的な部分はこの作品の核というか、おーそこに切り込むかというような重要なテーマのように感じたけど、劇中で割とあっさり処理されてしまうのが拍子抜けだった。
あと、あまりにエリノアの描写に集中し過ぎてその他の人物が浅く感じてしまったかな。
結局一番かわいそうなのは複雑な出自を持ち、それでも純粋におば様に尽くして夢に向かって頑張ってたら勝手に惚れられたり恨まれたりして結局殺されるメアリイなんだけど、最終的に誰にも同情されてないっぽいのが本当にかわいそう過ぎて、エリノアとピーターのほっこりエンドすら霞むモヤっとエンドに感じた。
あと、今回改めて分かったのは自分はポアロが好きだと言うこと。
クリスティ作品の読者の方々から言わせたら何を今更なことでしょうね。
ポアロ以外では「クリスティ作品を読みたい」と思って読み始めるけど、ポアロ作品に限っては「ポアロに会いたい」と思って読み始めている自分がいる。
それで言うと、今作はポアロの出番的にも活躍的にも正直期待外れだったかな。
まあ自分がクリスティ玄人になれたと思った暁には改めて読み返したい作品です。 -
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若い未亡人と再婚した大富豪のゴードン・クロード。彼は一族の生活を支えており、一族全員が彼の庇護のもとにあった。だが、彼は空襲で死亡し、財産は全て若い未亡人のロザリーンが継ぐことになった。それ以来、一族の生活費の支出は、実質的にロザリーンの兄のデイヴィッドの許可が必要になった。「彼女さえいなければ」戦争が人の心を闇にしていく。ポアロは空襲から避難した場所で居合わせたポーター少佐から、アフリカにいる彼の友人ロバート・アンダーヘイと彼の不幸な結婚についてや、その妻はその後ゴードン・クロードの妻となったが、アンダーヘイがまだ死んでいないかもしれないことを聞く。
狭い村での人間関係の絡まり、戦争という大きな変化により今までの生活が失われたことに対する人々がまだ受け止めきれないところが緻密に書かれていてリアルだなと思う。いつも緊張状態に置かれていたリンが、帰ってきて平和を喜ぶと同時に物足りない気持ちになって結婚を迷う気持ちになる部分はとても共感できた。でも一方で、最後に自分を傷つけようとしたローリーと結婚を決意するというのは腑に落ちなかったなあ。私だったらデイヴィットもローリーも嫌(笑)偽者だったというオチは面白いけど、純粋なトリックを楽しみたい読者としてはちょっと物足りない結末だった。 -
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短期集中アガさんの最終回。
たぶん未読であろうと思う。
ポアロもの。
遺産相続がらみ殺人。
状況証拠や動機で真っ黒の女性の嫌疑を晴らす。
女の嫉妬やらプチロマンスもあり。
思ったよりもおもしろかったな~。
でも、こんなのわからんわ。
反則ではないけど、イエローカードでもないけど、注意ぐらいは受けそうじゃないか。
読者への挑戦みたいなのがあるわけじゃあないからいいっちゃいいんだけど、あれの犯人とトリックを当てるのは無理。当てようとして読んでないからいいけど。
何の気なしに著者、つまりアガさんの経歴みたいなのを眺めてみたんだけど、ちょっと笑った。
「~嵐のようなロマンスののちに結婚した。」って(笑)
なんだ「嵐のような」って。見たんか。
しかも二度目の結婚だろうに。
たしかにアガさんは失踪事件起こしたりなんだりいろいろあったけど、普通にそこは「結婚した」でいいじゃん。
こんなん勝手に書かれたら顔真っ赤っかになるわ。
羞恥プレイか。
作家さんはうかうか死んでられんな~。 -
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【ポアロ】
解説に「この本を手にしている方は、かなりの重症のクリスティー・ファンだろう」と書いてある。解説者もこの本は「四十数冊目くらいのクリスティー本」らしい。
私もこの本でクリスティー48冊目で、ポワロ作品は自分の好きなタイプはほぼ読み終わってしまった。
だから残りのポワロ作品になかなか手が伸びず、かなり久しぶりのポワロ。
ここからのポワロは自分の苦手な作品が続くので、どこまでいけるのか自分に挑戦。
大富豪ゴードンが戦災で亡くなる。
亡くなる直前に若い娘と結婚し、巨額の財産は彼女のもとに行くことに。親族は複雑な思いを抱く…。
いつまで経ってもなかなか事件は起こらない。
登場人物は全員大富豪ゴードンの遺産に寄生していて、優柔不断で煮え切らないグダグダした個性の薄い人ばかりで、誰にも魅力を感じない。
だんだんイライラしてきて他の本も挟みながら、読み終わるまでに3日くらいかかった。
でもラストはさすがクリスティーだった。
伏線もたくさん張ってあったし、遺産に寄生する一族にイライラさせることもクリスティーの計算上だったのかもしれないとも思えてきた。
読み終わってみれば普通にこの作品も面白かった。やっぱりこれだからクリスティーはやめられない。
クリスティー58歳の作品。
★3.5 -
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登場人物は資産家の未亡人、その甥と姪、未亡人の寵愛を受けている娘、医師と看護婦2人。
甥と姪は将来を約束した仲だが、未亡人の世話をしている娘を見て、甥の気持ちが揺らぐ。
ほどなくして、未亡人が亡くなり、姪が遺産を相続するが、甥との仲は破綻する。そんな中、娘が殺されて、犯人として姪が逮捕される。医師は姪の無実を信じて、名探偵エルキュール・ポアロに調査の救いを求める。遺言を残さず亡くなった未亡人、若いながら遺言を残して殺された娘。姪に不利な状況が積み重なるなか、姪が本当にやったのか、それとも濡れ衣なのか、ポアロの調査が始まる。登場人物とポアロとの会話から、真実が見つけだせるのか、姪は本当に無実なのか。ある出来事がきっかけとなり一気に氷解していく。提供される情報をもとに、丁寧に読み解くことが求められる。 -
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婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。ロディーが彼女に心変わりし、婚約は解消された。エリノアの心に激しい憎悪が湧き上がり、彼女の作った食事でメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが・・・嫉妬に揺れる女心を、ポアロの調査が解き明かす。
クリスティお得意の男女のもつれが引き起こす殺人事件、と思いきや?という展開。誰がどう見ても犯人はエリノアが怪しいので、さすがに犯人は違うんだろうと思うものの、動機がはっきりしないので全然分からなかった。しかしロディーのろくでなし具合にはイライラしたね。こんな男と結婚しなくてエリノアは正解だと思うよ。普通なら被疑者だから手のひらを返したように逃げていってもおかしくないのに、無実を信じて(場合によっては有罪でも)助けようとしてくれたドクターの方がよっぽど男前。