恩地三保子のレビュー一覧

  • 満潮に乗って

    Posted by ブクログ

    久しぶりにクリスティの作品を読み返してみると、謎ときや犯人探しよりも、人間模様というか登場人物たちの心理描写が面白いと感じる。
    ポワロものとはいえ、彼が本格的に登場するのは小説半ばからだ。作品の主眼に置かれているのは、戦争後の混乱期における家族ドラマではないかと思う。
    外地で従軍した女性が、戦争を経てもなお何も変わらない田舎の人々に感じる苛立ち、村の外からやってくる災いの気配、裕福な親戚の庇護の下、金銭的自立から目を逸らし続けた結果に戸惑う一族…
    結末には少々納得しかねるが、時代を考えればそんなものなのかもしれない。

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    2019年05月19日