恩地三保子のレビュー一覧

  • 満潮に乗って

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悲劇はあたかもシェイクスピアのように。

    大富豪の未亡人、その兄と、困窮する一族。戦争の傷が描かれた作品で、戦後を生きるイギリスの人々の姿に思うところがある。戦時中は従軍し、戦後田舎に帰って婚約者との結婚に戸惑うリン・マーチモントが印象的。前半でたっぷりとクロード一族の人間模様を描き、ポアロは名探偵だが、もはや主役ではないのでは。ラストは、すっきりとまでは言わないが、ひとつの人間関係の決着に満足した気持ちになった。クリスティ作品に出てくる女性は、いつも印象的で、何十年たった今でも全然古びていないと思った。

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    2019年07月04日
  • 満潮に乗って

    Posted by ブクログ

    久しぶりにクリスティの作品を読み返してみると、謎ときや犯人探しよりも、人間模様というか登場人物たちの心理描写が面白いと感じる。
    ポワロものとはいえ、彼が本格的に登場するのは小説半ばからだ。作品の主眼に置かれているのは、戦争後の混乱期における家族ドラマではないかと思う。
    外地で従軍した女性が、戦争を経てもなお何も変わらない田舎の人々に感じる苛立ち、村の外からやってくる災いの気配、裕福な親戚の庇護の下、金銭的自立から目を逸らし続けた結果に戸惑う一族…
    結末には少々納得しかねるが、時代を考えればそんなものなのかもしれない。

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    2019年05月19日