岸本尚毅のレビュー一覧

  • 「型」で学ぶ はじめての俳句ドリル

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    「プレバト!!」でおなじみで俳句に興味を持ち始めた「チーム裾野」への「俳句の種まき」運動を続けてきている夏井いつき氏と、夏井氏から「ハカセ」と呼ばれる岸本尚毅氏の掛け合い問答により進行し、俳句の「型」を学ぶ10のレッスンと、ステップを踏んで実際に句作に向けた練習をするための30のドリルで構成される俳句の入門書。高濱虚子選の『ホトトギス雑詠選集』からの豊富な作例を素材としている。
    「型」に着目したドリル形式の俳句入門書というのは、これまでにないもので、俳句初心者が句作を磨いていくのにもってこいのものだと感じた。季語の穴埋めなど、なかなか難しかったが、勉強になった。

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    2025年04月19日
  • 新編 虚子自伝

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    2冊の自伝を合わせた本。
    俳句の世界の偉大な人、ということ以外に何も知らず、正岡子規との区別もつかないまま、新聞に虚子忌とあった4月8日に何となく手に取った。子規に対しては、ドラマ等の影響からか、強烈な個性の持ち主というイメージを持っていたが、虚子はそれとはずいぶん違う人となりであることを知った。自分のことを「平凡な人間」「弱虫」と言ったりする。しかし編者の方は、それを「子規の影を背負って生き続けた虚子という人物のしたたかな自己肯定の表明のようにも思えるのである」と記されている。
    自伝なので、多くは人生の中の思い出深いエピソードが占める。俳句そのものについての思索や自論、教えなどの記述は少なく

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    2025年04月15日
  • NHK俳句 あるある! お悩み相談室 「名句の学び方」

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    「NHK」俳句の司会者・岸本葉子氏を質問の取りまとめ役として、俳壇の名句データベースこと岸本尚毅氏を回答教官に迎え、俳句作りの疑問や不安を、名句の推敲の事例をもとに回答するQ&A形式の俳句入門書。対談「名句の学び方」、「学びたい「名句集」七選」も収録。
    拙いながら俳句を嗜む者として、俳句作りのコツや名句の味わい方について理解が深まり、参考になった。特に、「学びたい「名句集」七選」が、著名な俳人の傾向の違いや句作において参考にする仕方なんかもわかって有益だった。

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    2025年02月23日
  • 室生犀星俳句集

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    水村や雨の青鷺つばくらめ
    野に心おいて日暮るる小春かな
    元旦や山明けかかる雪の中
    藁ぬれて山茶花残る冬の雨
    春寒や渡世の文もわきまえず
    あんずあまさうなひとはねむそうな
    墨匂ふ漢の山々眠りけり
    とくさまつすぐな冬の深さよ
    枯菊の匂ひもあらず人ゆきぬ
    みなさんによろしくといひ梅日和

    15歳から72歳までの俳句集

    とみ子夫人
    おもゆのみたべをへしあとのいく日ぞ

    室生犀星は詩人であり、小説家であり、俳人でもあり、何より家族思いの優しい気持ちの人

    最後の散文「なみうちぎわ」とても良かった

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    2024年11月13日
  • NHK俳句 あるある! お悩み相談室 「名句の学び方」

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    エッセイストで俳人の岸本洋子さんが、ベテラン俳人の岸本尚毅さんから名句を学びながら俳句上達のコツを探る。名句、名句集が多く紹介されているのがうれしい。麦秋の中なるが悲しい聖廃墟(水原秋櫻子)/チューリップわたしが八十なんて嘘(木田千女)/若狭には仏多くて蒸鰈(森澄雄)/死ぬときは箸置くように草の花(小川軽舟)/一瞬にしてみな遺品雲の峰(櫂未知子)/金色の佛ぞおはす蕨かな(水原秋櫻子)/紅梅やゆつくりともの言うはよき(山本洋子)/水脈の果炎天の墓碑を置きて去る(金子兜太)/来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり(水原秋櫻子)/起重機の手挙げて立てり海は春(山口誓子)/わが心ひそかに聞こゆ鉦叩(中村汀

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    2024年09月10日
  • 文豪と俳句

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    こういう本や、あるいはアンソロジーは筆者・編者が並べた順に読んでいくのがベストなのだと思います。しかし、芥川龍之介の愛読者の私は、芥川を最後にしました。それから太宰、賢治も後に回しました。そして、芥川を最後にしたのは正解、悪くなかったと思いました。
    芥川は俳句がうまい、そして、その解説も深い、と感じました。太宰については、どうでしょう、太宰が芥川を信奉していたということを確認した感じでしょうか。
    文は人、散文もそうなら韻文も同じ。小説と俳句のつながり、それが直接的であろうと、また、陰に隠れたものであろうと、それを読み解いていく岸本教官の力量に大満足の一冊です。Eテレの俳句教室で見せる切れ味の良

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    2022年04月20日
  • 文豪と俳句

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    文豪が残した俳句を、俳人の視点で読み解く一冊。教科書的な解説ではなく、俳人の感覚で見たときの評価が面白い。
    また、文豪達が言葉を選びその句の形に仕上げた経緯の推察や、この文豪はこうしたけど、本来俳句として格好良く仕上げるならこういう言い回しを使う、…といった感じでぽんぽんと俳句のバリエーションが出てくるのはプロならではの情報量で、俳句素人の私も読んでて「なるほどな、俳句やってるひとの肌感覚ってこういう感じ…」と雰囲気が感じ取れるのが面白かった。

    掲載文豪:
    幸田露伴、尾崎紅葉、泉鏡花、森鴎外、芥川龍之介、、内田百間、横光利一、宮沢賢治、室生犀星、太宰治、川上弘美、永井荷風、夏目漱石、

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    2022年01月13日
  • 文豪と俳句

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    俳句は全く詳しくなく、良し悪しや意図する所も自分で見ただけではわからないが、解説されるとなるほど、と納得できた。人柄が現れたり小説の世界と繋がっていたり、個性の出方も人それぞれなのが面白い。俳句は少ない文字だけど深い表現方法だというのがよく感じられた。

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    2024年02月04日
  • 俳句のギモンに答えます

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    眼前の景色を言葉でなぞろうとしても完璧な捕捉はできない。言葉とは所詮近似値。見たものの印象を言葉で追いかけるだけでは自ずと限界にぶつかる。一旦眼を閉じ言葉だけの世界で言葉を再構成してみるのが肝要。一瞬の飛躍もあるかもしれないが可能性に賭けてみる。風景の後ろから言葉で追いかけるのではなく、むしろ言葉を先回りさせることにより風景を待ち伏せする。このときはじめて真の意味での風景と言葉が合一する。俳句の疑問が氷解したのみならず、俳句をはるかに超えた世界にまで心を展ばすことができた。

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    2014年04月25日