イプセンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
相手の思い通りになる「人形」である限りにおいて愛されてただけなんだと気がついたときのあの絶望感。思い出して苦しくなり、終盤は奥歯を噛み締めながら読んだ。
ノラの台詞に父から夫へ受け渡された、みたいな言葉があり、「あの子は貴族」にも似たような台詞があったので思い出した。もしかしたらあの子は家族はこの作品にも影響受けている?シスターフッドがある分あの子は貴族のラストの方が爽やかだけど、併せて読むと面白いのかも。
中盤までの主人公ノラはあまりにお馬鹿に見えるんだけど、「目が覚めた」後は教育がないなりにものすごく聡明で、こういう面を父や夫に抑圧されていたんだな、本来の彼女はこっちなんだな、と分かる。
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Posted by ブクログ
「人形の家」は1879年にノルウェーの劇作家イプセンが書いた戯曲だ。雑に言うとモラハラ夫の偽善に気付いて主人公の女性(ノラ)が家を出るというストーリーである。タイトルにある「人形」はバービーのような実際の人形のことではなく、あたかも人形のように愛でられ、家庭に縛られていたノラ自身のことを指している。
例えヨーロッパといえども、140年も昔には女性の立場は今よりも弱かったと思うのだが、しっかりと自分の言葉で夫に別れを告げ、自分の足で立ちたいと言って人生をリスタートするさまは爽快感がある。
最後に家を出る直前、ノラは初めて夫に向き合い、自分の考えをぶつける。ここで語られた思いが時代を飛び越えた -
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女性の自立への目覚めを描いた戯曲。
古さを感じさせず面白かった。
ノラは父からも夫からも人形のように可愛がられ、お嬢様育ちの世間知らずのまま大人になってしまった女性だ。専業主婦といえるが、女中や乳母がいるので家事や子育てでもそれほど苦労していない。傍から見るとなかなか「いいご身分」なのである。
世間知らずゆえに犯した過ちによってノラは窮地に陥る。そして自分の無知や、周囲の人々に影響されて自立へと目覚めてゆく。
「あたしがこんな何一つできない女になったのも、みんなあなた方の責任です」
ノラが言い放ったこの言葉は、戯曲が発表された19世紀後半にかなり物議を醸したのではなかろうか。社会によっ -
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史上最高小説100の一冊。シェイクスピア以後、最大の劇作家といわれるイプセン。その代表作であるのが「人形の家」である。まだ戯曲といえばソポクレスの「オイディプス王」「アンティゴネ」、エウリピデスの「王女メディア」、そしてゲーテの「ファウスト」しか読んでいないので、近代劇となると初めてということになる。舞台は100年と少し前ぐらいのヨーロッパ。資本家の夫を持つノラは、銀行の頭取に夫が就き、今後の生活の華やかさに心躍らせる女性である。しかしそんな地に足がつかないような半妄想的な生活の最中、過去の金銭の貸借についての不手際が持ち上がり、またそれが夫の名誉を地に落とすような類のものであったので、すべて
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裏のあらすじを引用すると…
小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽装して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラを愛するが、ノラは人形のように生きるより人間として生きたいと願い、三人の子供も捨てて家を出る。
ヘルメルがノラを愛していることは分かるが、女はバカで可愛ければ良い…というか。そういうのが現れてたのかな、なんて。
ノラが夫婦なのに、今まで真剣に話しをしたことがなかったと言う場面があるが、彼ら二人は夫婦ではなく、ノラの言うように人形ごっこをしていたんだな、と思 -
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ネタバレ三幕家庭劇。
劇脚本。
未亡人視点。
因習に縛られて放蕩していた夫の元に留まらなくてはならなかった女性の物語。未亡人になった彼女は息子のために夫の偽りの名誉を保とうとするが、結局は親の業(遺伝病)を受け継いだ息子は精神を病み、彼女は追い詰められる。
五人劇。人数としては学芸会に最適ですね。 内容は……まあ微妙ですけど。
ヘレーネ(苦労した未亡人・アルヴィング夫人)オスヴァル(息子、画家)マンデス(人の噂や評価ばかりを気にする牧師)エングストラン(レギーネの義理の父。指物師、詐欺師? ちんぴら)レギーネ(アルヴィング夫人のしたたかな召使)
幽霊は実体のないもの。つまり、因習とか業 -
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ネタバレ女性解放運動の先駆けとなった偉大な小説である、という理解はしていた。
だが、令和のいま読んでみると、どっちもどっちの夫婦だなという印象。
ノラは夫が自分を人形のようにしか愛していないと感じて家を出る決意をしたが、ノラだって自分の望むように自分を愛してくれない夫を愛せずさっさと見限ったんだから夫だけを悪者にできるのか?自分を愛してくれる都合のいい男だから好きと思い込んでいたノラも同罪では。
ノラの夫と子どもに対する責任よりも自分に対する責任があるというのは、幼い子ども3人に対してはただの無責任で、自分と子どもを一緒に教育していくべきだったと思う。