イプセンのレビュー一覧

  • イプセン 人形の家

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    中学生くらいの時に読んだ記憶があるもののあまり記憶になく再読。あの時代にこの作品が評価されたということに、少し驚く。そして今でもこれは考えさせられる。まだ、ちゃんと消化できていない。イプセン、恐ろしや。

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    2025年11月30日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    イプセンはウェルメイド・プレイの構成生かし、自己認識と独立を現実的に反映するために劇という象徴を用いて理想主義のもろさを明らかにしている。

    観客が、この戯曲が女性の解放を表している作品であるという先入観に縛られ続けているため、ウェルメイド・プレイであるという構成が、同じ結末を保証するものではないということを忘れていることを暗示している。
    作品の大半ではノラが完璧であろうという家族像にしがみついている様子が描かれている。従って、観客はこの戯曲の理想的な結末がどのようなものであるべきかを振り返り、結局ノラの家出がこの戯曲の山場、すなわちクログスタッドとの対立・衝突を解決しているか否か、その判断が

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    2024年01月04日
  • イプセン 人形の家

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    子供と家を捨てて、自分を獲得するために動いたノーラは正しいのか?どちらとも言えない…。
    最初、二人の会話の仲睦まじさから良好な関係にある夫婦だと思っていた。そう思わせておいて、あのような形で問題を投げかけてくることがうまいなと思った。

    愛していることは確かなのに、潜在的に彼女を自分より下位である、守ってあげる存在だとしていたことが露呈したのが悲しい。

    親子ならまだしも、夫婦間での力関係は今でも全然あることだと思うし、多分無意識に、そっちの方が円滑だからとか思って、悪く言えば隷属している部分もあるのかなと思ったり…。
    上手くまとまらないけど、現代の夫婦観に思いを巡らせてしまう、良い刺激を受け

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    2022年09月26日
  • イプセン 人形の家

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    出版時にこのような男女の関係を本として記すことが出来るその心に畏敬の念を持たせていただきたい。

    戯曲を本としたものは初めて読んだので、会話を読み進めていくのが面白かった。

    世間知らずということをしっかり認識し、責任をもつ主人公の姿には見習いたいと感じた。

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    2021年10月21日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    一気に読み終えた思わぬ結末に愕然とした。ノラは恰好いいのか?酷いのか?
    私は、張り倒してやりたくなる。女性は人形で居てほしい。
    私は世間を敵に回してしまったのだろうか?
    イプセン:江戸末期生誕に驚く。 尊王攘夷と騒いでいる日本 鎖国で平和を得たが
    大きな何かを失った

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    2020年05月15日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    戯曲という変わった文体にも関わらず、内容に引き込まれて一気に読み切る。夫婦関係に何の疑問も持たず幸せに過ごしていた女性が、ある事をきっかけに、違和感、息苦しさを感じ、本来の自分を取り戻していく。爽快感さえ感じるほど、共感できた。

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    2020年04月30日
  • イプセン 人形の家

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    まってこれってこんな面白い話だったの!?
    大学生のときに読んだきり、
    そして一応役者なので、エチュード的に一部はやったことがあるけど…
    全然わかってなかった!!
    やはり本ていうのは、読むときの年齢によって全然見え方が違うものですね。
    仕事のために読んだけど、いま読んでよかった。
    ノーラが馬鹿すぎて最初「イーッ!」てなったけど、
    最後に「そういうことか…」と納得。
    でも、自分の人格形成における失敗(?)の責任を夫や親に押し付けるのは趣味じゃないです。
    しかし!それを最後に自分の正しいと思うように行動するノーラには快哉を叫ぶぞ!
    後世に書かれたものだけど、森本薫の女の一生「誰が選んでくれたのでもな

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    2020年01月11日
  • イプセン 人形の家

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    ネタバレ

    >遅くまでペンを執ったわ。本当に、何度もふらふらになったわ。それでも、そうやって働いて、お金を儲けるのは、とても面白かったわ。まるで男になったような気がしたの

    >法律は決して動機を問いません。
    >じゃ、それは、とても悪い法律よ。
    >いいえ、そんなことありっこないわ! だって、愛情からしたんですもの。

    >しかし、お前が、自分独りで何の処理もできないからって、おれの愛が薄らぐと思らかね? いや、いや、ーーおれに寄っかかってればいいんだ、ーー助言もしてやる、指導もしてやる。そういう女の無力さは、二倍も魅力的なんだ。そのお前がわからなければ、おれは男といえやしないさ。
    おれが大きい翼をひろげて、お

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    2019年07月24日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    1879年に描かれた女性と夫の物語
    主人公の「極端とも思える」行動は
    女性解放あるいは男女同権というとりかたはもちろん
    今日現代現在においても夫婦のありかたに続いている
    男性は主人公の立場になって
    女性は夫の立場になってわが身に思うことが今でもできるだろうか
    誰しも自身だけで判断する正しさからは逃れられないものであり
    優れた作品は異なる他者というものを思い出させてくれる

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    2018年11月13日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    全然イプセンなんか興味なかったのに、なぜか産休の時に買っていた。それから4回くらい読んでるけど、毎回、途中の『夫に秘密がばれてしまう』というところだけ覚えていて、結末を全く思い出さないで再読している。今回は3年ぶりくらいかな。また、『なんとなく』手に取った。

    イプセンはノルウエーの戯曲家で、板垣退助張りの髭のおじさん。かのおじさんが、ここまで女性の真髄を表現しているとは!私も女として年を取るたび、『女』がいかなる生き物であるか、自分を含めて解ってきているはず。読むたびに新しい発見をする。一般的には、婦人解放の思想と解釈されているようだけど、今回は、ヒロインのノラが、女の持つ多面性の平面でなく

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    2017年06月17日
  • イプセン 人形の家

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    家庭板みたいな話でゲスく楽しめました。面白かったです。
    ヘルマーがモラ男なのはもちろんですが、ノラが大概甘ちゃんすぎます。
    「父や夫に心配をかけないために、勝手に父の名前を保証人欄に書いて、借金をした。思いやりゆえの行動であり、これが偽署の罪だというなら法律が間違っている!」というのが、序盤で出てきた上に最後にも出てくるノラの主張です。
    過ちを犯した人はみなそれぞれの事情があったということに思い至らないノラは世間知らずのままです。
    そして、自分を愛していると言いながらも犯罪はかばってくれなかった旦那に幻滅して家を出るわけです。
    よく考えもせずに、生家のなくなった地元へ戻る? あてもないうえに子

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    2015年10月16日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    妻は夫の人形であり、子どもは妻の人形である。
    ノラは語らなかったが、結局、夫たるヘルメルもまた、妻の人形でしかなかったのではないだろうか。
    そう考えると、人間でも、人間の人形でもない、人形の人形が最初に「人間」に目覚めるのは、なんとも皮肉にも思える。
    そんな遊戯の欺瞞に気づいてしまったからには耐えられず出て行くのも、納得がいくというものだ。

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    2014年09月24日
  • イプセン 人形の家

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    この本を読み終わって思わず、本を破り捨てたくなった。ノーラを理解できない夫のヘルメルへの怒りのために。そして、今の日本の女性の状況のために。

    それくらい心を揺り動かされた一冊。
    もし将来結婚するなら、相手に読まして反応を見たい。(悪趣味かな…)

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    2013年12月15日
  • イプセン 人形の家

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    全く期待せずに読んだけど凄く心打たれた。
    男と女とで確実に感想が異なるであろう末恐ろしい一冊。
    自分の嫁に読ませて感想を聞きだして一喜一憂するか、はたまた永遠に禁書にするか。
    訳者の原 千代海さんは人間賛歌として解釈してるけど、これは今も昔も重厚な社会劇だよ。
    ってかイプセンは元々ナショナリズムの闘士だったのに途中でノルウェー大嫌いになって国外で暮らしたり(結局晩年に戻ってきたけど)、女性の社会進出を訴えた戯曲を書いた直後に女性蔑視者になったりとかなり香ばしい作家。
    イプセンはローマの学術団体「北欧協会」でそれまで認められていなかった総会における女性の投票権を声高に主張した。会費を払えば男も女

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    2012年09月08日
  • イプセン 人形の家

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    ネタバレ

    19世紀にフェミニズムを描いたノルウェーの戯曲。
    この時代は当然となっていた家庭での「男の権威」と同時にあった女性への卑下(嘘により家庭を駄目にし子供を堕落させうるのは母親、なんて文も)。
    そんな「当然」の中で夫婦をあくまで対等の存在だ!というのは相当衝撃的な主張だったそうで。「今まで自立できない人形のような自分だったから」という理由で家出したノーラの行動については論争が起こったほど。現代ですらいかがなもんかと言われるやも。

    個人的に印象的だったのは夫のヘルメルがノーラをただ可愛がってただけで、結婚してから8年間真剣に話したことはなかった。可愛い娘が父から夫の手に移っただけ。それは人形

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    2012年03月15日
  • イプセン 人形の家

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    ある夫婦のはなし。
    女の人ってすごくずる賢くて、実はとんでもないことをしでかしているんだから!
    と、わくわくしました。
    女の人の強みと弱みをうまく使い分けたノーラがすばらしい。
    たのしかった。

    別れると決めたら、一歩も譲らない決意もかっこいい。

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    2010年11月05日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    あの時代に近代劇を描いたイプセンはすごい。

    あの時代の男尊女卑は正常という認識だったはず。
    それはきっとどこの本屋さんに行っても、それを推奨する本が山ほどあったはずだ。

    それを、妻ノラは自分の心の声、本当の気持ちにやっと向きあった。

    フィクションとは言え、あの時代に本当の正しさを再確認し発信することはとてつもない勇気だと思う。

    私がきっとあの時代に生きていて、この本を読んでいたらボロボロ泣いていたに違いない。

    ノラは、あの時代の苦しい思いをした女性たちの代弁者だから。

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    2024年11月03日
  • イプセン 人形の家

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    『人形の家』は、ノルウェー出身のイプセンにより、1879年に出版および初演された戯曲。夏目漱石や太宰治など、いろいろな文豪に引用されていて、以前から気になっていたので読んでみました。

    ノーラは、年明けに弁護士から銀行の頭取になることが決まっている夫と、可愛い3人の子供たちとクリスマスを迎えるのを楽しみにしていました。しかし、彼女はある重大な秘密を抱えており、それに関わる人物が家に訪ねてきて気が気でなくなります…。

    タイトルから内容が想像つかなかったですが、ラスト15ページの怒涛の展開で「人形の家」の意味が明らかに。終盤の夫が見せた掌を返すような態度で、妻は気づいてしまった訳ですが、何もかも

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    2024年04月21日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    イプセンが目の前で見た女性の参政権関連の運動へのインパクトが伝わってくる。今考えるとまずい表現は多々あるけど、やっぱり本作が書かれた時代を考えるとすごいなと思います。

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    2022年10月02日
  • 人形の家(新潮文庫)

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    私は最後まで面白く読んだけど、母は「あまり良い話じゃなかったような気がする」と言ったときに、世代のような気もしたけど、母も伊達に子どもを育てたわけじゃないよなと思った。

    ノラのように人形を演じなければならなかった女性はどのくらい居たんだろう、どのくらい居るんだろう。私も彼女のように突然ふっと目が覚めて、あるいは夢を見て、それまでと正反対の行動を取ることがあります。いつも人並み以上に感情的なようで突然無情になってしまうことがあります。人形の家は、私にとって身近な物語だった。

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    2022年04月15日