カトキハジメのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よく映画一本分をここまでの長編に仕立てたな、と言うのが率直な感想。後半からは完全にゾルタンが主人公。過去編が長い割に、肝心のどうやってゾルタンになったかは描かれなかったのが残念。ここまでやるなら最初からゾルタン視点の物語にすれば良かったのに。ヨナ達本来の主人公チームは登場場面も少なくなり、あれ?こいつら何してたんだっけ?状態。最終決戦はもはや何やってるか分からんような絵に。
映像作品を忠実にコミカライズした作品よりは遥かに良いが、全体通して面白かったか?と言われると微妙な所。話の進展が遅く、冗長に感じられた。10巻ぐらいにまとめてたらもっと違う評価だったかも。 -
Posted by ブクログ
ゼータプラスを駆る防衛隊員はここで退場か……。そもそも名前が明かされていない時点で事前に示唆されていたとも言えるんだけど
ゾルタンが切り札のつもりで出撃させたⅡネオ・ジオングがとんでもない事に…!というよりナラティブがヤバいパターンか、これ?
『UC』ではユニコーンとバンシィ等多くの者を苦しめたラスボス機体の後継機、それを一瞬とはいえ新主人公がジャックしかけるなんて……
NT-Dすら超越するニュータイプ。幾度も戦場をひっくり返してきたニュータイプがここに来て見せる新たな奇蹟。ただ、ヨナのそれは方向性を持たないから誰かを助けるものではなく、破壊する力になりかねないわけで…
ようやく明かされるヨナ達の放浪。『奇蹟の子供たち』と評されてから、どのように生きて、そして今の立場に落ち着いたのか全く判らなかったのだけど、命の限界とか人体実験とかそういう程度で収まらない人生を歩んできたのね……
宇宙暦の中では一年戦争の始まりを象徴する出来事のコロニー落とし。後の作品からは歴史の一点かのように扱われるそれも体験した者にとっては地獄の光景
これを生き抜いたヨナ達はそれだけでも奇蹟の体現者と呼べる。でも後々の事を考えるとここで生き残ってしまったことは果たして正しかったのかどうかと迷ってしまうね……
生き抜いた先にあった別の地獄。以前の回想ではミシェルだけが「逃げなきゃ」と必死に考えているように見えたけど、それは3人一緒の発想だったようで
ヨナ達は3人で人々をコロニー落としから助けて、3人で地獄を生き抜いて、3人で地獄から脱走した
何をするにも、何を見るにも三人で一つ。22話の回想ではそのような形だったから、後々のミシェルの行動と決断には驚かされたけど、妙に納得させる部分があったな
思えば1話の時点からヨナとリタ、そしてミシェルの構図だったもんな……
生き残るために2人と1人に分けるミシェルの嘘。そもそも選択肢を欠片程度しか持っていなかった3人がようやく選べた未来への道。それはそれでまた別の地獄へリタを連れて行ってしまうなんて……
3人の中で最も悲惨な目に遭ったリタ。その彼女が暴走しかけたヨナを止めるのか…
また、ヨナが知らぬ内にミシェルがした苦渋の決断と、苦しみから逃れる為のまた別の絶望
いつの間にか3人はどうしようもないほどにバラバラになってしまったようで…… -
Posted by ブクログ
フェネクスの暴走と失踪、そしてリタの行方不明。これらが描かれた事でようやく『不死鳥狩り』の物語が本格始動したように思えるよ
また、本作だけに関わる『不死鳥狩り』の始まりだけでなく、ダカール演説に絡む宇宙と地球の対立、そして強化人間への注力などこれまでの宇宙世紀にも関わる部分が描かれたのは印象的
こういった描写が挟まれる事により、今回の騒乱がごく一部の人間達の物語ではなく、ニュータイプそのものを巡る因縁に含まれる歴史の一つだと感じられるね
ただ、そこに巻き込まれたリタ達にとってそういった歴史はそれはそれで関係のないのだろうけど
『奇蹟の子供たち』として注目を集めてしまったリタ達がテレビの面白ネタで終われれば、面倒事は多くても命をすり減らすことなんて無かったかもしれないが、生憎と地球と宇宙の対立が激化する中では人権なんて軽視される
そのような過酷な環境でミシェルは恐怖の果てに何をして、リタは覚悟の果てに何をしたのだろう?
そうした過去を同様に持つ筈のヨナはどのような感情を伴ってフェネクスやそこに含まれるリタを求め続けているのかな…?
『不死鳥狩り』を行うシェザール隊にルオ商会を介して無理やりねじ込まれた形のヨナ。おまけにガンダムタイプを任されているとあれば彼にどのような秘密があるのかと作中人物だけでなく読者すら疑問に思う
けれど模擬戦での様子を見る限り、彼に特別な才能が有るわけではないのか……?なら尚更にどうしてナラティブを預けられたのだろう?
一方のジオンサイドもフェネクスを求めるのか。その中心人物が4人の女性とはちょっと珍しい形だし、そこに関わるゾルタンは滑稽を通り越して恐怖を覚えさせるタイプ。一つ一つの動作が子供じみたものでありながら、他者を挑発する怖さを持っているね
どうしてこのような人物が部隊を率いているのだろう?
…まあ、その点は冒頭のキャラクター紹介で若干のネタバレがされているのだけど。これってやっぱり映画を見ている事を前提としたコミカライズだったりするんだろうか……? -
Posted by ブクログ
『ラプラスの箱』解放から1年が経った宇宙世紀が舞台の物語ですか。あれだけの騒乱と覚悟と願いの果てに『箱』が開かれたというのに、大して世の中が変わらなかったというのは虚しいね…
ただ、本作の場合は単純に『箱』解放から1年が経った世の中を舞台とするだけでなく、むしろジオンが地球にコロニーを落としてきた悲劇をこそ源流としているのか
予知のような形で人々を悲劇から救った三人の子供達、『奇蹟の子供たち』こそ新たなる騒乱の始まりのようで
源流のズレは新たなる物語の開始を意味するわけだけど、それでもUCとNTを繋ぐ存在が居れば物語は繋がっていると感じさせる。その役はあのマーサに任せられた感じか
ユニコーンやバンシィなどを生み出したビスト財団の首魁、連邦政府の裏を統べるような人間だからこそ知りうる『フェネクス』の情報をNTの主要人物たちへと引き渡せるわけだ
と言っても、この第1巻はほぼ序章のようなものである為にマーサがどのような情報を握っているかは判らずじまい。また、メイン機体となるナラティヴも顔見せ程度
『奇蹟の子供たち』と呼ばれたヨナ達がどうして連邦やルオ商会に拾われ、新たなる騒乱に身を投じていくのかは次巻以降に明かされるのかな -
Posted by ブクログ
圧倒的な物量でユニコーンやバンシィを押し潰さんとするネオ・ジオング。おまけにフル・フロンタルが見せてくるのは刻の終わりですか
どれだけの奇跡によって可能性が示されても変わらずに争いを続けた人類が行き着く先。それこそがフル・フロンタルが見たニュータイプとしての絶望か…
未来への可能性を考えられなくなったフル・フロンタルにバナージが示すのは「それでも…」という人間の可能性と刻の終わりに至らない永遠の光
正直、この辺りの描写の意味は観念的過ぎて自分にはよく判らなかったりするのだけど、空っぽの器でしかなかったフル・フロンタルが本物のシャア・アズナブルと巡り会えた、その一点でフル・フロンタルが持ち得なかった可能性へと奇跡的に至れたと解釈出来るのかな……
そしてフル・フロンタルとは別方向からやってくる可能性を潰す『砲火』
これを主導するのがマーサだけでなく、リディの父であるローナン議長というのは因果な話。息子のリディは『箱』を守ろうと心を変えられたのに、ローナン議長は無茶苦茶な理論武装をして『箱』を潰そうとし続けている。『可能性』を無くしてしまおうとしている
そんな彼を驚愕させるリディの居所。既にスイッチは押されてしまったとはいえ、ここで彼が発射停止に動いたり、何か叫んだりしないのはそれだけ「平和を守る為」という無茶な理論武装が自分自身を縛っているからなのだろうね
『箱』の呪いで縛られていると思いこんでいた彼を本当に縛っていたのは「平和の為なら犠牲を許容する」というお題目であったわけだ
だとしたら、サイコ・フィールドによってコロニーレーザーを防いだユニコーンとバンシィは人々が不可能だと思っていた事象を可能にするという、いわば『可能性』を実現する存在となったと言えるのかな
だからこそその状態でミネバは『可能性』に懸けて『ラプラスの箱』を開示できたのだろうね
冒頭の口絵が良いね。序盤に行われた二人のデートは戦争を止める目的があった為に街の散策は主目的とならなかった。けれど、口絵の日常に溶け込んでいると伺わせる二人の様子はそういった散策を堪能できる日々に辿り着いたのではないかと思わせるものだったよ
まあ、実際は『箱』が開かれても戦争は続くわけだから、本当の意味で二人がそういった日々を体験できたのかはそれこそ『可能性』の話なのだろうけどね
実はこの作品に対して、物語の終わり方がとても納得出来なかった為に作品全体の評価を下げてしまった過去があったりする
こうして再読してもやはり終わり方には納得できていなかったりするのだけど、それでも正体不明の『ラプラスの箱』に振り回されながらも、様々な『可能性』を求めて藻掻く人々の生き様が描かれていたのだと再認識できた意味で価値ある再読だったと言えるかな -
Posted by ブクログ
サイアム・ビストが語る宇宙世紀の始まりと、そこに秘められたささやかな善意。
これから果てしない世界へ送り出される宇宙棄民への贖罪の一文。最初は何の意味もなかったそれがジオン勃興とニュータイプ神話に拠って意味が様変わりし、憲章に関わる人々を呪い縛り、それが知られた時に何が起きるか判らないという恐怖を刻み込んだ
それこそが『ラプラスの箱』の正体だったわけだ
いわば『箱』は可能性そのものだね。憲章の一文も未来の可能性に言及しただけ、その憲章を今持ち出しても連邦が認める可能性は少ない。だが旗印にしたい者達が新たな闘争の御旗として掲げてしまう可能性がある
ユニコーンガンダムを巡る一連の旅もいわば可能性を探す為のもの。宇宙世紀に纏わる様々を知る事で可能性に至る歴史を知る為のもの
そして可能性の象徴であるニュータイプと思われるバナージの返答が良いね
ニュータイプだからではなく、『箱』を託された者だからではなく、ビスト家の末裔だからではなく。一人の人間として人の持つ可能性を信じると言った
その考え方だって未来に責任を放り投げてしまうものかもしれない。それでも『箱』に飼いならされる現状を確定してしまうよりずっと良いのかもしれない
バナージの選択はあらゆる可能性を潰さないもの
対してフル・フロンタルは可能性を持たない人間か
作り物の器として人の想いを注ぎ込まれた人間。けれど模倣先が数年前に死んだシャア・アズナブルであるならば、フル・フロンタルに未来への発展はない。だからフル・フロンタルが『箱』を使って望むものは現状維持の先にある未来となる
『箱』を開いて変化する未来へ進もうとするバナージにとって最大最後の敵となるに相応しい相手
フル・フロンタルが用いるネオ・ジオングは色々な意味で恐ろしい機体だね
その圧倒的質量を持つ見た目だけでなく、他の機体を意のままに操り同士討ちを生じさせる。それはフル・フロンタルがバナージ等を相手にやろうとしている未来を奪う行為そのもの
バナージとリディ、ユニコーンとバンシィ。並び立たないと思われた2つが立ち向かうはネオ・ジオング
『箱』を巡る物語は遂に終局へ至る、それを飾るに相応しいカットでしたよ