本間龍のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
スポンサーから多額の金を募った世界最大規模の商業イベントであるオリンピック。なぜそこにボランティアが必要なのか疑問でしょう。
オリンピックの理念に協賛してそこに参加するというボランティアの方の気持ちは尊重すべきものですが、その一方で大手広告代理店の電通は億単位の利益を得ているという。
莫大な労働力を無料で提供させる一方で利益を貪るというのはさすがにバランスが悪い。
やりがいやスポーツへの参加が目的なら、電通の人間も組織委員会の人間も全員無償で勤務すればよかろう。
開催直前にも多額の中抜きが問題になった。金に汚いオリンピックの印象しか無い。
金にまつわる問題が検証される日は来るのだろうか?
ボランティア三原則にもとるオリンピックボランティアの実態が暴かれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は「我が国は3度敗戦を経験した」と述べている。
それは、太平洋戦争の敗戦(1945年)、東電福島第一原発の事故(2011年)、そして今回のコロナ禍での東京五輪強行開催(2021年)である。人的被害など比較にならない点もあるが、経済損失の大きさや、いずれもエリート層の暴走やメディアの翼賛報道、多数の一般の人々の黙認・盲従があったこと等、共通点が多いと思う。
この「3度の敗戦」を済んでしまったこととせず、振り返りを冷静に行うことで責任の所在を明確にし、著者が指摘する「桁外れの無責任さ」を追及し続けていくことは必要であると思う。 -
Posted by ブクログ
『東京五輪2020』既に過去の事になりつつあるが、決して忘れてはいけない。
それは、今に至る我々の生活に深く影を落としているコロナ禍の一端であるからだ。
さらに、それが、我々が確かに関わってしまった禍であることも自覚しなければ成らない。
なぜならば、そこに多大な税金が投入されてしまったからだ。
一旦動き出してしまったら、立ち止まることも、考えることも、ましてや止めることも出来ない『日本人』を、ふたたび演じてしまったのだ。
そのことを、恥じながらも確認することが、今求められている。
ここで、そんな自らの姿を確認できなければ、私たちはふたたび同じ過ちを犯すだろう。
それも、近い将来に。 -
Posted by ブクログ
前半が広告業界の現状に照らした憲法改正投票における改憲派の優位性の指摘。後半は広告における不平等を是正するための著者なりの法規制などの対策の提案。
後半は、著者が考えているだけのことであって、全然実現の可能性はないと思う。規制の理屈は正しいが、政権に不利になる規制を与党が実現するわけがないので。後半を読んでもただただ諦観が深まるだけ。
前半は、広告業界の電通一強支配という現実に即して、改憲派の優位性をこれでもかといわんばかりに指摘する。いやこれ護憲派勝ち目ないだろ笑。
こういう現実から目を逸らして署名活動のような安直な手法に血道を上げていてよいのか?むしろ署名活動の成功が目的化していないか?と暗い気持ちになる。 -
Posted by ブクログ
現状の法律のまま憲法改変のための国民投票が行われた場合、メディアを利用して改憲派に圧倒的に有利な状況が作られる。
この本は、こうした状況に危機感を抱き、改憲派にも護憲派にも公平な国民投票が行われるためのルール作りを訴えている人たちの一人が、現状がどのような仕組みで改憲派に圧倒的に有利であるのかを明らかにし、こうした不公平な国民投票ではなく、公平な国民投票が行われる為には、どのような法改正、どのような制度づくりが必要かを具体的に明らかにしている。
例えば、国民投票が行われているヨーロッパ各国では、テレビのスポットCMはいずれの国でも禁止されている。それは、テレビのスポットCMが国民に最も強い影響力を持つものであり、かつ、資金の有無によって宣伝を打てるか打てないかに最も差が出るメディアであるからだ。
しかし日本の「日本国憲法の改正手続きに関する法律」にはそうした規制は一切ない。当然資金を潤沢に持ち電通も抱える自民党、すなわち改憲派に圧倒的に有利になる。これは公平、公正な国民投票を行える事態ではない。なぜなら、投票する国民は、一方の意見だけに触れさせられ、一方の意見だけを聞かされ続けることになるからだ。
それ故に、公平を確保する為には、規制が必要なのだ。
この本の著者も属する「国民投票のルール改善を考え求める会」は、公平な国民投票を確保する為に衆参憲法審議会や民放連に、ルール改善のための法改正や自主規制を行うよう要望書を提出している。
しかし、著者自身がこの本の中で書いている通り、法改正を行う為には、改憲派の自民党の賛成が必要になる。
今の自民党が、自分達を欲望の達成よりも公平の確保を優先することは考えられない。従って法改正は無理であろう。
民放連の自主規制も、改憲派の潤沢な資金の流入を自らの手でみすみす諦めることになるのだから、するはずがない。事実民放連は、検討の必要を理解しつつもこの10年間一度もこのことについての議論をしていないと言う。
すなわち民放連にも期待はできない。
つまりは、この本は、非常に重要なことを明らかにし、事態の改善を訴えているのだが、それも520円と言う安い価格の書籍として出版されているのだが、その中身が的確であるが故にこそ、近未来の日本で公正な国民投票を可能にするためのルール作りは実現することがないと言うことも明らかにしてしまっている。
残念ながら、改憲の発議がされた時に護憲派の負けは決まるのだ、と言うことである。 -
Posted by ブクログ
「電気を大切ね」。テレビ・コマーシャルで語りかけていた
東京電力のキャラクター・でんこちゃんは、あの原発事故
から姿を消した。
本名は「分電でんこ」。描いたのは内田潤菊。どうやら家族も
いるらしい。でも、今は家族ともども行方不明だ。
でんこちゃんと同じように姿を消したのが、オール電化住宅
のコマーシャル。これだって、原発ありきの商品だものな。
福島第一原発事故以前、メディアには電力会社や電気事業
連合会、資源エネルギー庁の広告が溢れていた。
原子力発電はエコです。クリーンです。安全です。事故は起こり
ません。万一、事故があっても放射能を封じ込める対策が出来
ています。
約40年に渡って膨大な費用を投入して行われて来た原発
プロパガンダ。現在は電力会社や関係機関のホームページ
からも抹殺された原発広告の歴史をひも解いたのが本書だ。
著者は元広告代理店勤務。前著『電通と原発報道』は少々
物足りなかったが、本書では前職の本領発揮だ。
いわゆる原子力ムラがいかに原発への批判を抑え込んで来たか。
それはテレビ・ニュースのスポンサーを抑えることで、いとも簡単
に出来るのだ。
スポンサー批判はご法度。第4の権力であるはずのメディアは、
金の為には自主規制路線を突っ走る。最も酷いのは自民党の
御用新聞・読売新聞なのだが。
福島第一原発の事故で原発推進派の宣伝は影を潜めたと
思っていたのだが、地方紙ではこそこそと復活の兆しである
ことを本書で知った。懲りない人たちはまだまだいるんだな。
著者自らは反原発だったので、代理店勤務の際には原発広告
の仕事を断ったそうだ。だが、広告業界に身を置いたひとりと
して、本書で原発広告の成り立ちを解説したのは著者なりの
懺悔なのだろう。
入手困難になっている原発広告が多く掲載されている本書は、
資料的な価値も高いのではないだろうか。
40年に渡って続けられて来た原発プロパガンダ。もう、誰も
騙されないぞ。
尚、電力各社や関連組織が行って来た大量の原発広告の
資金は、私たちの支払って来た電気料金から出されている。 -
Posted by ブクログ
読む前から読んだら暗くなるのがわかっている本を読むことが多く、どうしたものかと自分で思っている。
そして、実際読んだら、想像以上にひどいことが書かれていてますます暗くなる。
国民をなめているのか。
特に、主婦(女性)や子供をなめているのかと思うかつて国が委託した団体の報告書(今も似たような感じかもしれない)があって、バカにするのもいい加減にせえと、とても腹立たしかった。
震災以前の関電の原発CMに星野監督が出ておられた時、ガッカリしたのを覚えている。
それはもう仕方がないとして、まだこれから原発推進のCMに出る人は、ちょっとなあと思う。
こんなにも大がかりに、国、大手メディア、広告代理店に洗脳みたいなことをされ続けていて、これからもされ続け…これは原発だけの問題ではないのだけれど。
最後、メディアの情報に接する時の留意事項が示されていて、それが救いになった。
小さなメディアを応援し続けるのも大事だということもわかった。
本文を読み終わって、さ、暗くなってないで、できることからやっていこうと思ったら、巻末に資料が。「日本原子力産業協会 会員名簿」。
え、こんなたくさんの会社が会員なの?あの会社もこの会社も…
手ごわい。相当手ごわい。負け試合⁉︎
それでも、できることからやっていこう。
情報を精査して、自分で考え、行動しよう。 -
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白くて、一気に読んだ。
博報堂から見た、巨大な電通像を、現場から、冷静に映し出している。
謀略史観みたいなのじゃなくて、現実的な職場からの視線が良い。
電通と博報堂、凄まじいデッドヒートを繰り広げている。
その中で精神を病む人や、血管系の疾患で倒れたり亡くなる人もいるという現実。
以前、電通の新入社員が働きすぎて鬱病になって自殺して、家族が裁判を起こして労災に認定されてたけど、広告代理店って、クライアントによっては、ほんと命が縮むくらい忙しい。
オレの知ってる人も資生堂のCM担当になったら、24時間働いてて、昼も夜もなかった。
大手出版社から、電通を批判した本が、ほとんど出ていない現状とその理由も、そのまま描き出している。
原発の取り扱い方も、メディアによって、まるで違っていて、大企業のスポンサーと電通の権力の凄さを、はっきり現してて面白かった。 -
Posted by ブクログ
率直に言って、普通に暮らし、ニュースや新聞を閲覧しただけでは、操作された情報がインプットされてしまう。そう思いました。
オリンピック開始直後、各局の放送や新聞にて大会を盛り上げようとする意思は凄く伝わってました。
選手にはコロナにおける責任はない。ならば競技が始まれば国をあげて選手を応援したい。
そういう意思なのかと思ってました。
ただ、現実は…
比較的、内閣やその他政府に対してやることなすこと批判的に表現する印象を持つ局もある中、オリンピックに関しては批判的な表現はほとんど無かった理由、
それは公的に情報を発信することが出来るキー局全てがオリンピックのスポンサーであったからに他なりません。
つまり都合の悪い情報発信を封じ込めるための手段でもあったわけです。
某氏は『東京五輪が成功か失敗かは歴史が証明するはず』と言いました。
だか、この書籍に書いていることが本当であるならば東京五輪は大失敗であり、五輪によって建てた設備、五輪によって生み出された数兆円を超える借金、五輪によって世界へ公開された我が国の対応、それらはまさしく今後の日本において負の遺産となりそうです。