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世界有数の地震大国日本になぜ54基もの原発が建設され、多くの国民が原子力推進を肯定してきたのか。電力料金を原資とする巨大なマネーと日本独自の広告代理店システムが実現した「安全神話」と「豊かな生活」の刷り込み。40年余にわたる国民的洗脳の実態を追う、もう一つの日本メディア史。
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Posted by ブクログ
読む前から読んだら暗くなるのがわかっている本を読むことが多く、どうしたものかと自分で思っている。 そして、実際読んだら、想像以上にひどいことが書かれていてますます暗くなる。 国民をなめているのか。 特に、主婦(女性)や子供をなめているのかと思うかつて国が委託した団体の報告書(今も似たような感じかも...続きを読むしれない)があって、バカにするのもいい加減にせえと、とても腹立たしかった。 震災以前の関電の原発CMに星野監督が出ておられた時、ガッカリしたのを覚えている。 それはもう仕方がないとして、まだこれから原発推進のCMに出る人は、ちょっとなあと思う。 こんなにも大がかりに、国、大手メディア、広告代理店に洗脳みたいなことをされ続けていて、これからもされ続け…これは原発だけの問題ではないのだけれど。 最後、メディアの情報に接する時の留意事項が示されていて、それが救いになった。 小さなメディアを応援し続けるのも大事だということもわかった。 本文を読み終わって、さ、暗くなってないで、できることからやっていこうと思ったら、巻末に資料が。「日本原子力産業協会 会員名簿」。 え、こんなたくさんの会社が会員なの?あの会社もこの会社も… 手ごわい。相当手ごわい。負け試合⁉︎ それでも、できることからやっていこう。 情報を精査して、自分で考え、行動しよう。
福島原発事故があっても、ゾンビのごとく復活する原発プロパガンダ。 とりあえず当時推進してた輩は退場してほしい。
2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故が起きる前から、 原発の安全神話については懐疑的だった。原子力だよ?核だよ? 安全対策は万全だというけれど、地震列島・火山列島の日本に 人間が制御出来ないモノを作って本当に大丈夫なのか…と。 だから、新聞紙面に掲載されていた電力会社の広告も胡...続きを読む散臭く 感じていた。専門家だとか、有名人だとかが、原発の必要性や ら安全性を説いていても「本当かよ」って感じだった。 広告業界の片隅にいたから分かる。畳みかけるように何かを 主張する広告ほど、危険なものはない。著者の一連の原発広告 関連の書作を読んでいると「やっぱりな」との思いを強くする。 新聞に、雑誌に、テレビに、ラジオに。電力会社や関連団体のみな らず、関係官庁までもが膨大な費用を使って安全神話を振りまいて 来た。メディアにとっては有難い広告主である。だが、この広告主 はメディアが本来、報道しなければならなかったことを潰して来た。 電力会社を少しでも批判したらどうなるのか。本書では報道すべき ことを報道したのに、組織の保身の為に犠牲になった人たちの話 も詳しく書かれている。 そうだよね、田原総一郎氏もそのひとりだったんだよね。 スポンサー・タブーは古くから言われていることだけれど、福島第一 原発事故以前のメディアの及び腰も酷いものだわ。それに輪をかけ て酷いのは読売新聞だけれどね。 原発事故直後から姿を消していた電力関係の広告が、原発立地県 から徐々に復活している。あれからまだ5年しか経っていないのにね。 日本の原発すべてが停まっていても大停電なんか起きなかったのに、 今度は再稼働に向けてのプロパガンダかね? 電力関係の多くを手掛けたのは広告代理店最大大手の電通である。 電通の前身は「日本電報通信社」だ。戦前の満州鉄道調査部で、 対外宣伝と宣撫工作を担った。プロパガンダはお手のものだよね。 福島第一原子力発電所は廃炉に向けての作業が続いているが、いつ になったら完了するのかの目途さえ立っていないのが現状だろう。 廃炉費用だって実質、どれだけの金額がかかるのさえはっきりとは していない。 なのに、原発プロパガンダは復活する。まるでゾンビのように。 国策として原発推進をしてきた自民党本部も、プロパガンダをまき散らし てきたメディアの本社も、そのプロパガンダで金儲けをしてきた広告代理 店も、福島第一原子力発電所の近くへ移転したらいいのに。
元博報堂マンの原発広告のレビュー。 業界内部にいた人だけあって、原発広告の歴史、やり方、事件が書かれていて、とても面白い。かつ恐ろしい。 物量で圧倒している相手は、とても手強いことがよくわかる。 放射線の影響に関しては首をかしげる部分もあるが、それを補って余りある内容。 「戦争広告代理店」が思い出さ...続きを読むれる。これはいわば情報戦なのかもしれない。
広告を載せない暮しの手帖の商品テストは画期的な雑誌のあり方だったのだとあらためて思いました。原発の広報は過去に事故があった年ほど、活性化し、例外的な出来事であるかのように装ってきたことが良くわかりました。マスコミは花形の職業の印象があるものの、ひとびとの生活の中に入り込んでは、真実を見えにくくする仕...続きを読む事に加担していることがあると思うと、現場から離れたくなる方がいる事情も分かる気がしました。
広告費の恐るべきしくみ.東電関電の戦略は的確で恐ろしい.ニュースは心して見なければばらないと新ためて思う.
原発を擁する電力会社,電通などの広告代理店が何百億という莫大な広告料をメディアに払いがんじがらめにし原発に不利な報道をさせないようにする.半分視聴者をだますようなあの手この手の原発翼賛広告.3.11でさすがに一時下火になったがまた息を吹き返しつつある.
政府及び原子力ムラがどのようにして国民に「安全神話」を信じさせてきたのか、その実行主体と協力者、そしてその手法と事例を実名を上げて解説した本。 メディアも営利企業なので、金には弱いってことだ。ではなぜこれほど「原発押し」なのか、それほど原発事業は儲かるのか、そこに斬り込んで欲しかった。
電力会社とマスコミ・広告の関係 プロパガンダが行われていることは 重々承知していますが、 その内面は今まで見えてきませんでした。 広告の内側にいた人が書いた本だけに、 広告予算も含めた詳細な流れは いろいろな側面から勉強になりました。 自分にとっては凄く良い1冊でした。
原発推進の広告宣伝の裏側に関する暴露本であり、反原発・脱原発を主張する本、と考えればよいかと。 ただ、元博報堂の社員である著者が電通を攻撃するような部分が多かったり、取り上げているデータが中途半端でご都合主義だったりして、客観性に欠けるので、あくまでも「こういう見方もある」程度で捉えるのが健全な気が...続きを読むします。 一次情報が少なく、二次情報に頼っている、という意味でも、信憑性に欠ける印象です。 取り上げる事象は同じだとしても、元電通の社員による内部告発であれば、もっと深く切りこめたのかもしれない、と思いながら読み進めました。 広告代理店の考え方や仕事の進め方を知る上では参考になりましたが、反原発・脱原発の根拠の資料としては内容が薄い(浅くて狭い)ので、その前提で読むのがよいと思います。
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