出井康博のレビュー一覧
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日本へやってくる留学生の実態について書かれている。留学生とは名ばかりで、実際は日本でお金を稼ぐためにやってくる。日本で生活するために学費など多くの借金を背負って来日する。しかし、事前に聞かされていた話は実態とはかけ離れており、彼らは借金を返すために日本の法律で許されている週28時間を超えて働き、そのために学業は疎かになる。
本書を読むと留学生を取り巻く大人たち、送り出し側の彼らの国の政府や送り出し機関、日本の政府や日本語学校、専門学校や大学はとても悪徳である。日本語教員として働く者としては、怪しい日本語学校があるということは知っていたが、それは少数派ではなく、ほとんどの日本語学校が法令違反をしているという。それを知り、愕然とした。少し前の本なので、現在は改善されているとは思うが、日本政府も、経済界の方ばかり見ず、もう少し仕組みを考え直した方がいいのではないかと思う。
世の中のゆがみは、自分さえよければいいという人達によって作られているんだなと改めて思った。
著者は、その様な状況に憤りを感じて本書執筆に至ったのだろうけれど、「外国に働きに行けば、月200万円~300万円の収入が得られる。だけど、1500万円の借金を背負わなければならない。(中略)そんな条件で、皆さんは外国に行きますか?」(p78)と日本の学生に留学生の条件を当てはめて聞いている箇所があるのだが、これは比較になっていない。条件が全然違うからである。ベトナムでの生活や収入と日本での生活や収入が全く違うので、単に数字を倍にしただけでは意味をなさない。その辺が分かっていない人なのかな?と感じてしまった。
それにしても、何故教育者である大学が教育を蔑ろにして金儲けに走るのだろうか。本当に腐っているとしか言いようがない。 -
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ニッポンの何が「絶望」工場なのだろう。と思いをめぐらせたところ、以前読んだ『絶望の裁判所』を思いだし、また法曹界の話か……。と半ばやけくそ気味に手に取ったところ、それは外国人実習生の実態についての本であった。
ベトナム人がヤギを盗んで食べたという事件にも触れているが、これが2014年のことらしい。
これを含めて外国人実習生による犯罪が増加していること、それには政府、外郭団体なども加担しているらしいこと、が指摘されている。
本書の発行が2016年。8年程度経過しているが、その後の状況に変化はあったのだろうか?
日本の動きの悪さには、相変わらず「絶望」するしかないように感じる。 -
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多くの人が知るべき。著者が書いていることが全てではないだろうし議論の持っていき方に違和感も感じるが、それでも私たちの生活が非人道的な労働に支えられているのは事実。制度や施作ができた経緯、その裏にあった官民双方の思惑にまで踏み込んだ内容で、実態がよくわかる。(ただそういった現状を受け入れ、もしくは知らぬふりをしていた消費者の私たちも同罪)
『そのときになってようやく、私たちは気づくのかもしれない。「人手不足」を言い訳にして、いかに私たちがニッポンという“絶望工場”で彼らを搾取し、食いものにしてきたのかということにー。』
そこまでして私たちが守りたい生活の質って何なんだろう。
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卒業生を中心に松下政経塾関係者に対する取材を元に、松下政経塾について書かれた本。取材に基づいているため説得力はないが、松下政経塾がどのような組織なのかは概観できた。内容は薄い。印象に残る松下幸之助の言葉を記す。
「私は、欲望は力であり、人間の活力であると思っています。だから尊いものであり、どれも格差はないと考えています。みなさんは、一休禅師のことを知っていますか。あんな欲のない一休さんのような人ばかりだったら、世の中は成り立ちません。一休さん自体はけっこうな姿ではありますが、あのような人は、一万人の中に一人とか、十万人の中に一人だから、社会は成り立つのです。われわれが全部一休禅師になったら、この塾も成り立ちません。諸君がいろいろと欲を持って、それに動かされているところに、妙味があるのです」 -
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コンビニは244時間営業しており、すぐに食べられるサンドイッチや
おにぎりが並んでいる。雨の日も、風の日も、台風の日も、雪の日も
宅配の新聞は必ずポストに配達される。ネットなどの通信販売で
購入した商品は指定時間内にきちんと届く。
便利であることを便利であると感じないほどに、私たちの生活の便利
になっている。だが、その「便利な生活」を見えないところで支えいる
人たちがいる。
そんな人たちのなかに含まれるのが本書で取り上げられている外国
人労働者だ。みんながみんな、就労ビザで日本にやって来るのでは
ない。技能実習制度や日本語学校や大学への留学を名目とし、来日
した彼ら・彼女らが働いている。
技能実習制度の問題点については数年前からメディアが取り上げるよ
うになったが、留学名目での来日も実態は勉強することではなく日本へ
の出稼ぎが主な目的なのだと著者は言う。
実際、借金までして自国で斡旋業者に多額の手数料を支払い「勉強し
ながら20~30万円を稼ぐことが出来る」と言われ、夢を希望に来日した
はいいが、現実との乖離に直面しにっちもさっちも行かなくなった留学生
の生活を追っている。
基本的な問題として受け入れる側である日本の制度自体に問題がある。
それは鳴り物入りで始まったインドネシアとフィリピンからの看護師・介護
士の受け入れだろう。本書でもこの件は取り上げているのだが、私はこの
精度が始まった当初、日本語での国会試験合格というハードルの高さが
気になっていた。
まず日本語という高い壁がある。本国では看護師・介護士として働き、既
に専門知識を有しているであろう人たちを目の細かいふるいにかけること
が受け入れ制度になるはずがないではないか。
本書は在日外国人が晒されている厳しい環境を知るにはいいのだが、同じ
問題点の指摘の繰り返しが多く少々残念。受け入れる日本側の問題点も
あるのだが、現地の斡旋業者の取材は出来なかったのかな。この視点が
あるともっとよかった。
日本政府は外国人による家事サービスを解禁しようとしている。看護師・
介護士の受け入れさえまともに出来ないこの国が、人手不足を理由に
新たな外国人受け入れを始めて大丈夫なのだろうかと思う。
実習生や留学生のように、描いた夢と現実の落差に直面し、不法就労に
走る外国人が増える原因になりはしないだろうか。まずは受け入れ準備を
周到にする必要があるんじゃないだろうか。
関東の地方都市にある24時間操業の化粧品工場で夜勤のアルバイトをする
外国人女性。その彼女は同じ職場に外国人に混じって高齢の日本人が働い
ていることに対して「かわいそう」と言っていた。
外国人のみならず、日本人にとっても日本は「絶望列島」なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
外国人技能実習制度で来日した実習生が、実習という名目で低賃金・重労働の仕事に就き、残業代の未払いやパスポートの取り上げといった人権侵害を受けている。欧米の人権団体などには、日本の実習生を「現代の奴隷」と呼ぶところまである。しかし、この実習生より酷い待遇を受けているが、出稼ぎ目的で来日した留学生たち。彼らは多額の借金を背負い入国し、実習生もやらない徹夜の重労働に明け暮れる。そうして稼いだアルバイト代も、留学生の日本語学校に吸い上げられる。日本で最底辺の仕事に就き、最も悲惨な暮らしを強いられている。新聞やテレビが決して触れない留学生たちの悲痛な叫びと怨嗟。変質していく来日外国人との向き合い方を深く考えさせられた。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
二〇〇九年の総選挙で、民主党は歴史的大勝を収めた。
政権交代後、矢継ぎ早に政策の見直しを打ち出して注目も集めた。
しかし、テレビで顔を売る一部の者を除いて、我々が「普通の政治家」の日常を知ることはない。
「地盤、看板、カバン」に頭を悩ませつつ理想を追う“センセイ”の素顔とは―。
当選二回の中堅代議士と、初出馬した新人候補に密着する中から、現在の政治システムが抱える問題をあぶり出す。
[ 目次 ]
第1章 リーマンショックで消えた政治献金
第2章 新人候補が犠牲にしたもの
第3章 スキャンダルに翻弄された地元市長選挙
第4章 秘書たちの役割
第5章 あいさつとカネと人間関係
第6章 当選!
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
知人が数年前に入塾したのだが、上昇志向ばかりが強いように思える人物なので、こういった人材をピックアップする機関とはどういったところなのか、興味を持った。
どうやら塾は発足当初、保守二大政党を目指すとしながら、現実路線とは離れた、ある意味で思想家を探していたように見受けられる。だから塾内には本当の意味で議論があり、思索があったようだ。ただしこれでは学者は育っても実務者としての政治家を育てるのは難しいかもしれない。
時代が移り変わって現在の政経塾は、著者も表現するように「選挙マシーン」養成所と化している。政治家は、「何を成すか」が重要であると思うのだが、どうも「政治家になること・権力を手にすること」を目的にする人間が塾出身者に多くなっているようである。本書で紹介される中田宏はその最たるものであろう。その身の振り方はここかと思えばまたあちら、昨日受けた恩は仇で返す、まさにカメレオンである。
「政権交代」のみをスローガンに掲げ、既存の政治を批判することだけで政権を取った民主党に塾出身者が多いことも、象徴的な中田の動きを見ればうなずける。もちろん塾出身者を一括りにはできないだろうが、一定期間同じ釜の飯を食った間柄なら、どこかで同じような志向を持っても不思議ではない。
最後に松下幸之助について記したい。
彼は稀有な商才を持った経営者であったが、「神様」と呼ばれるとおり、経営者としてはまさに常軌を逸した実績を残している。この点、不思議には思うが詳細に触れることは控えるとして、「人間・松下幸之助」がどれだけ人望を集めるものであったか、本書からは寂しい現実が見えてきたように思えてならない。塾にしても新党計画にしても、結局は圧倒的財力を持った、「経営者・松下幸之助」の取り組みに人が注目しただけのことであったように感じられるのである。