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Posted by ブクログ
現代の奴隷労働。先進国で行われて、しかも見過ごされて良いことじゃない。
なぜまともな移民政策を打ち立てないんだ?
どうして人を物より粗末に扱う社会になってしまった?
日本はあまり魅力のない国だ。残念だ。
どうしてこんな社会になってしまったんだろう?
日本は資源のない国だ。
だから江戸時代には厳格な階級制度で資源の流通を制限した。
日本には「人」しかいない。この島国の地理的条件と、積み重ねた歴史や文化があるからこそ生みだされるスタイルやアイデアを輸出して外貨を稼いで、生きていくために必要な物や、新たなアイデアを引きだしてくれそうな文化を輸入する。
そうしなければ社会が成立しない。そのためには人を大切にするしかない。なのにこの社会は優先順位を間違えている。
生まれ育った社会なので愛着はある。でも失望している。どうしてこんなことになったんだろう?
Posted by ブクログ
コンビニやレストランで、店員として働く外国人を見かけることは珍しくないが、実は彼ら、彼女らの多くは「留学生」「実習生」であり、名目上は働くために日本に来たのではない。
先進国の一つに数えられる日本で働き、母国の家族のために金を貯めたい外国人は多い。一方、日本の企業は、人気のない仕事を引き受けてくれる人間が欲しい。両者の利害は一致しても、就業ビザは目的が研究、教育等、狭い範囲に限定されている。
そこで、とりあえず日本語を学ぶ留学生として、或いは日本の技術を学び、母国にそれを伝える実習生として来日して、留学生は学業の傍らアルバイトとして働く、実習生は農場等、技術を学ぶためのそれぞれの場所で働くという形が定着することになった。これがうまく機能していれば、何も問題はないはずだが、実際は、これが外国人に奴隷労働を強制するシステムになってしまっている。本書は、何年もこの問題を追い続けた著者の実状報告である。
詳しくは是非本書を読んでほしいが。留学や実習で来日するためには、外国人は本国、日本双方のブローカーに仲介料を支払わなければならない。特に本国の組織に支払う金は莫大であり、年収の7~8年分にもなる。それでも彼ら、彼女らは、金銭価値の全く異なる日本で働きさえすれば、数年で元手を遥かに上回る収入があると信じ、土地を売り、借金をして何とか金を調達し、日本に来る。
しかし、こうして来日した外国人は、あくまで「留学生」「実習生」であるため、労働には様々な条件がつく。例えば、留学生の場合、アルバイトは週28時間までと決められている。滞在費、光熱費、授業料等はもちろん支払わなければならないため、これでは貯金はおろか、生活も覚束ない。そこで留学生の多くは、無届で夜間のアルバイトを2つ、場合によっては3つ、かけもちすることになる。冒頭に「コンビニやレストランで」と書いたが、実際は24時間稼働の食品工場等で朝まで働く例が多い。(篠田節子の小説「ブラックボックス」では、こうした職場での外国人の労働風景が描かれている)
実習生にいたっては、時間外労働は時給に換算すると300円程度にしかならない。実習生の多くはパスポートを強制的に預けさせられていて、自分の意志で行動することもできない状態になっている。(こうした事情は、本書より前に書かれた安田浩一の「外国人研修生殺人事件」に詳しい)
彼ら、彼女らが最も恐れるのは本国への強制送還である。本国には来日のために負った莫大な借金があり、途中で帰国させられれば、待っているのは一家の破滅である。その意味で、こうして来日する外国人は人質をとられているのである。
本書にはその他、留学生の部屋代、アルバイトの紹介料等、何から何まで吸い上げ、大した授業は行わない悪質な日本語学校の実状なども報告されている。安倍政権の成長戦略とかの1つ「留学生30万人計画」とやらも、連動しているようだ。読んでいて、いつの時代の話だろうと驚き、この国の悪しき労働観、差別観に暗澹たる思いにとらわれる。
もちろん、本来の目的で留学生、実習生を受け入れ、成果を収めているケースもあるだろうが、本書にはそうした例は出てこない。それを「偏向」と見る向きもあるかもしれないが。本書の目的は、あってはならないことが横行している事実を知らしめることである。我々は事実から目を背けてはいけない。私は本書を高く評価する。
最後に余談だが、本書には留学生をクイモノにする悪徳大学が出てくる。九州のN大学とイニシャルになっているが、これは都筑学園が経営する日本経済大学のことである。かつては第一経済大学という名称だった。著者は保護者を装ってこの大学の入学式に潜入するのだが、式では、安倍晋三、下村博文からの祝電が読み上げられた。また、安倍・加計問題で物議を醸している今治市の市長菅良二は、都筑学園グループ第一薬科大学を卒業している。教育というものに対する認識が違っているというより、間違っている人間が、ついてはいけない地位に居座っているようだ。
Posted by ブクログ
■「留学生30万人計画」も2020年を待たずにに達成されそうな勢い。
・「30万人計画」のモデルは中曽根政権下で進められた「留学生10万人計画」で「10万人」の理由は,当時フランスが12万人の留学生を受け入れていたため参考にされたもの
・2000年時点で6万4000人程度に留まっていたため,政府は留学ビザ発給基準を緩め「10万人計画」を強引に達成しようとした
・「10万人計画」は2003年に無事達成したが留学ビザの発給基準を緩めたため出稼ぎ目的の「偽装留学生」が増加した
・1位は米国78万人,以下英国42万人,オーストラリア25万人,フランス24万人で「30万人」はかなり高いハードル
■日本でベトナム人が働こうとすれば,実習生と留学生の二つの方法がある。留学生は実習生と違い仕事が選べるしうまくいけば日本に残って就職できるかも知れない。
■全国的にもベトナム人実習生は中国人にとって代わりつつある。2015年末現在で約5万8000人とわずか3年で3.5倍近くになった。
■実習生たちは「出稼ぎ」,受け入れ先は「労働者」を欲しているというのに,それぞれが「実習」を装わなければならない。誰もが嘘だとわかっていても官僚が強いる数々の虚構に付き合わなければ実習生の受け入れは許されない。
■FPAによる外国人介護士の受入が決まった当初介護業界の期待は大きかったが,すぐに失望へと変わっていった。理由は難関の「国家試験」。
・多くの施設はせっかく育成した人材を失いたくないので最初から外国人介護士を採用しないでおこうと考えた
・介護士たちが仕事を始める前にあっせん手数料や日本語研修費などで一人につき約80万円が必要となり賃金も「日本人と同等以上」という決まりがある
・外国人介護士の受入が少なかったため厚労省は受け入れた施設に対し一人につき23万5000円を国費負担する「バラマキ」を始めた
・2008年からの4年間で80億円にも上ったが,この間の介護士・看護師の合格者は104人
■ドイツがフィリピンなどとの間で2013年から始めた「トリプル・ウィン」という看護師の受入プロジェクト。
・受入の対象国はフィリピンに加え,セルビアとボスニア・ヘルツェゴビナで1年に2000人の受入を目標とした
・ドイツがフィリピンに注目したのは訓練されたプロに余剰人員がいることやドイツの資格システムと共通性があることなど理由が明確であり,目的もあいまいなままで意味不明な受け入れをしている日本とは大違い
■日本における外国人看護師の国家試験は筆記試験でドイツの場合は口答試験。しかも受け入れるのは母国での有資格者。
・ドイツが合格を前提に外国人看護師を受け入れているのに対し日本は意図的に不合格にしている
■台湾の人口は約2400万人と日本の5分の1程度だが25万人もの外国人介護士が働いている。
・国籍はインドネシアを筆頭にベトナムやフィリピンなどが中心
・ビザは3年ごとの更新で最長12年まで働けるが永住は認めていない
Posted by ブクログ
「コンビニ外国人」に続いて読んだ。
技能実習生より留学生の方が過酷だというのは、この本を読んで知ったことだ。借金をして来日し、学費も払っていかなければいけない。確かに大変だ。
アルバイト目的の「留学生」、底辺の仕事をする労働者として働かされる「実習生」。名前と中身が完全にずれている。正々堂々と実態に合わせろ、と思う。
ブローカーや日本語学校や企業に搾取されるだけではなく、官僚の天下りのため、低賃金で働かされる外国人。
日本自体がブラック化してるとしたら、いつかそのツケが回ってくるだろう。
大きな視野で考えてくれる政治家と、自分たちの問題として考える国民。両方とも不在なのだから、いつか酷い目に合うだろう。
Posted by ブクログ
実習生や留学生という形で日本に出稼ぎに来ている人たちの実態を取材した一冊。
とくに留学生という形で来ている人たちの実態が凄まじいなと感じました。こういう話を読み聞きしたことは多かったですが、悪徳ブローカーや悪徳日本語学校によって騙されて、借金を返すためにからだがボロボロになるまで働かざるを得ないという。
著者のいうとおり、大きな原因は、いろんな方面にいい顔をしようとして支離滅裂な政策をとっている日本の行政にあると思いました。移民へのアレルギーの強いひとたちに対しては「移民ではなく実習生・留学生ですよ」と、人手不足の企業に対しては「実習生・留学生という形でくる彼らをうまく使ってくださいよ」と。日本でしっかり働きたいという前向きな人たち向けにも、フォローをきちんと行わず。本当にひどい政策だと思います。
本書を読むと実習生の勤務先や、日本語学校は悪徳なところばかりのような書き方ですが、実際にはそうでなく良心的なところもあるとは思っています。ちょっと全体的な筆致は週刊誌的な感じが過ぎるかなとは思いました。
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