ジェイムズ・A・ロビンソンのレビュー一覧
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訳者のあとがきがすべて
上下巻に分かれた大部な書物であるが、手際よくまとめられた訳者のあとがきがすべてを語っている。
「包括的」「多元的」「収奪的」という単語が頻出するが、普通に使われている意味とかなり異なるので私はいちいち下記のように言葉を置き換えて読み進めた。
包括的=>自由公正
多元的=>広範囲
収奪的=>専制的
基本的には、マルクスの主張とは逆に政治社会が経済を規定するという主張。納得できるところは多いが、なぜイギリスに「包括的」社会政治体制が発達し、フランスは遅れたのか、「偶然」で片付けているが腑に落ちない。
著者二人の経歴からも明らかなように、欧米特に英米中心の記述。東アジアに関しては粗雑な記述。中米の社会.政治体制について詳しく書いてあるが、アメリカの巨大果物企業による支配、いわゆる「ババナ共和国」に関する記述がないのは大変に疑問。
13章のアフリカ諸国の話はげんなりすることばかりである。先日、日本国政府は中国に対抗して専制的なこのような国々に資金援助することを発表したが、資金が武器弾薬傭兵などに使われアフリカの人々をよりいっそう苦しめるのではないかと懸念する。