ジェイムズ・A・ロビンソンのレビュー一覧

  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    2013年刊行。
    MIT教授(経済学)のダロン・アセモグルと、ハーバード大教授(政治学)のジェイムズ・ロビンソンによる共著。

    「なぜ世界には経済的に成功した豊かな国々と、長年貧困に苦しむ国々に分かれるのか?」の疑問に答えることを目指した本。

    発刊直後から世界的に好評を集めている本書だが、ボリュームは多い。
    文章は比較的平易で、数式やモデルは割愛した一般読者向けの内容なので読みやすい。ただ、ひたすら同じ主張を、古今東西の多様な事例を用いて繰り返す構成になっているので、冗長。完読するには根気が必要だった。
    著者らの主な主張は最終章に網羅されているので、これを読めば正直十分。

    本書の内容を簡単

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    2026年01月17日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    豊かさの国家間差を生む最大の要因は国家制度が包括的もしくは収奪的かの違いであり、地理説、文化説、無知説というような従来の定説では「国境を境とする2つの街の豊かさの差」を説明がつけられないとし、国家制度による国力発展への影響を様々な歴史事例から多角的に分析した本。

    権力による政治変革・自由競争の阻害は悪循環を生むため、世界各地域で走る保護主義政策はいずれ行き詰まるのではないかと感じた。近年大きく進んだグローバル化への揺り戻しではあるが、元の場所まで着地することはないだろう。
    一方、この本からでは政治権力と市場には限りなく自由と流動性を与えるのがよいと読めるが、その場合は国内の分断が限りなく進む

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    2025年05月09日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ネタバレ

    国家が貧困を免れるのは、適切な経済制度、特に私有財産と競争が保証されている場合に限られる。
    エジプトが貧困なのは、砂漠や気候、土壌、文化的特性、イスラム信仰、間違った政策、ではない。限られたエリートによって支配されてきたから。
    イングランド、フランス、合衆国、日本、ボツワナ、ブラジルで政治変革が起きたために、豊かになった。

    アリゾナ州ノガレスと、メキシコのソノラ州ノガレス。同じ地域、気候風土だが、生活は全く違っている。メキシコは独立後50年間、政情不安にあった。アメリカの銀行は、競争があった。メキシコの銀行間にはなかった。政治家は、選挙で勝つためには銀行と結託したくても続けられなかった。メキ

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    2025年02月20日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    国家経済の発展に最も寄与するのは、民族、宗教、地政学的特性などではなく、政治システムが包括的なのか収奪的なのかの違いに因る、ということの証明を事細かく事例を用いて証明している。歴史書を読むようなボリュームで、ちょっと冗長かなと思われる内容だが、なかなか読み応えがあって面白い。
    日本の今の発展を特別なことと思わず、政治システムをきちんと監視していく必要性を感じた。
    あとは中国が今後どうなるか?によって、この本主張の真価が分かるだろう。

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    2025年01月13日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    国家の衰退、貧富の差が出来るのは国のトップの考え、経済制度、収奪的制度が強く影響していることがよく分かった。無知が貧困を招く、経済制度、共産主義、創造的破壊、奴隷制度、包括的制度、イデオロギー、計画経済を基に過去の歴史を紐解いており、世界史を考えるきっかけになったという意味で良書だと思う。

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    2024年08月24日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    ネタバレ

    「国家の衰退は制度がもたらす」「地理は関係ない」という主張に、思考が非常に刺激された。包括的制度(自由?)の重要姓を主張するので、人によっては自由主義野押し売りと感じるかもしれない。

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    2021年05月29日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    長期的な経済発展の成否を左右する要因は、政治経済制度の違いである。
    経済発展には、inclusive=包括的な政治制度(民主政治)と包括的な経済制度(開放的で公平な市場経済)との相互依存というメカニズムが存在する。
    また、良いスパイラルとは逆の、独裁政治と収奪的な経済制度との悪循環も同時に存在する。

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    2018年10月13日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    上巻に続き、国家規模の貧富や発展の差がどこから来るかについての研究。資源や文化、人種ではなく、制度であるとする主張とその裏づけが詳しく語られていることや、今世紀に入ってからも同じ愚行を繰り返していることに気づかされとても驚く。国連やNGOなどが貧困対策を講じているがなかなか改善しないことの原因が理解でき、この手の分野に関心のある人は必読。また、国だけでなく会社や組織の成長にも大きく関わる知識である。

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    2016年08月04日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    長期的な経済発展の成否は、政治経済制度のちがいであり、社会を支配している制度的枠組みが、収奪的であるのか、包括的であるのか、の違いが、持続的な経済成長が可能となるかどうかを左右していると、主張している。

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    2015年11月07日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    下巻では、ヨーロッパに植民地にされた南米やアフリカの国々が、その遺産の制度にどのように対処したかによって、今日の貧困などの状況へと至る道筋を歴史的に見ることができます。また、先見の明のあるリーダー達によってそれを回避できた事実も教えてくれます。
    収奪的な制度、包括的な制度という2つの選択肢から、いかに一方に変わりにくいかということを、それぞれに固有のインセンティブに原因が見出されています。これは今日の我々の社会でも重要な視点ではないかと思います。

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    2015年05月03日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    なぜいま国家や地域によって経済や成長にここまで格差が生じているのかを考察した本。名著「銃、病原菌、鉄」では「近くにいた動植物がたまたま飼いならしやすいもので食料化し、かつそれらにいた病原菌を欧州民族が最初に抗体をつけたから」みたいな要因に格差が生じる根本原因を見出していたが、本書ではそれを社会システムに求めている。(歴史的偶然性である、というのはどちらも同じ結論なんだけど。。)

    つまり、多元的・民主的政治システムは包括的システムであり、その下にはやはり包括的な経済システム、具体的には人々が発展することへのインセンティブが生じ、経済が発展すると説き、莫大な量の事例でこれを証明している。

    慧眼

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    2014年11月25日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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     読み進めるにつれて、この題名の意味について考えさせられる。・・・・副題だけで十分ではないかと。
     たびたび手を休め、考える。副題だけだと、「何だ、富や権力起源はそんなところなのかー」と、狭い範囲で納得してしまう気がした。
     今、12章の悪循環を読んだいる途中だが、最後まで読み、通読してから、タイトルをふりかえりたいと思う。

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    2014年11月18日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    日本は分権、中国は中央集権、大きさが全く違うのに中国が中央集権を出来たのはすごい。
    豊かになるには搾取するか、独占するか。奴隷制度、プランテーション。メディアの独占。
    日本もドイツも経済的に豊かだったがそこからナチス、軍国主義が生まれている。
    搾取をしないのであれば、何かの制限をかけて対等な豊かさを生むしかないのか。

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    2014年08月08日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    収奪の体制になると経済的な成長が止まるという理論。過去のいろいろな地域、国を事例として説明している。
    政治体制によって経済体制が決まり、成長のインセンティブが働くなくなると国家は衰退する。国家の衰退を経済的な衰退ととらえている。
    政治体制が民主的であれば経済成長が促される仕組みになっている。ただ、ローマを事例にとると民主から独裁へと移行しており、民主から他の仕組みに移行する可能性はある。
    「隷属への道」では政治的な自由よりも経済的自由が重要と言われており、つながるところがある。というのも、収奪的な政治体制でなければ経済的な自由は保障されるので、民主主義にはこだわっていないと言える。

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    2014年06月14日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    「国家はなぜ衰退するのか」(上)は「国家はなぜ衰退したのか」「国家はなぜ繁栄したのか」「国家はなぜ繁栄できないのか」の事例のショーケースでした。包括的制度と収奪的制度という本書の提示するフレームワークのもと、産業のイノベーションが事業者に対してインセンティブをもたらす政治体制かどうか、というシンプルな視点で古今東西の国家の盛衰を語っていきます。初めに結論をハッキリさせておいて次々とサンプルを繰り出してくるのでテーマの重さの割りには一気に読めました。そういう意味では本書でも何回も言及されている「銃・病原菌・鉄」がゆっくり読み進まないとならなかったのと違いを感じました。西欧と東欧の違い、イングラン

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    2014年05月06日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    非常に刺激的な内容の本であり、著者達の理論には説得力があるように感じた。膨大かつ詳細な事例は、その理論を裏付けるために実に手際よく叙述されている。

    今回、同書を電子書籍で読んだのだが、紙媒体の本で読むべきだったとちょっと後悔。というのも、線を引いたり、ページを折ったり、付箋を貼ったり、メモを書き込んだりするのは、やっぱり紙媒体の本が便利。上記のアクションは電子書籍でもすべて可能なのだが、やはり違うね。

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    2014年03月11日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    包括的な政治制度と包括的な経済制度が国家の繁栄をもたらし、逆に収奪的政治制度と収奪的な経済制度が国家を衰退させるという新しい視点がとても納得できた。しかし言ってることがそれだけで、ほとんどがその繰り返しである。豊富な例を挙げていると言えばその通りだが、私にはしつこく感じられた。

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    2014年01月19日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    本書を読みながら、グローバルヒストリーという言葉が浮かんだ。

    著者の、収奪的制度はインセンティブを起こさず、発展を阻むという理論の例証に、数々の国が登場する。日本も多くのページ数が割かれているわけでは無いが、ペリーの黒船が来航して以降、明治維新への流れが触れられている。ペルーでは、侵略者に対し、なぜ同じように抵抗し、打ち勝つことが不可能だったのか。もし、成功していればペルーは現在よりも豊かな国家となっていたのではないか。

    それは、小さな相違と偶然性という言葉で表される。そして歴史の形態の一部であると。

    横断的展開は、アフリカのシエラレオネやツワナのダイヤモンドへの対応、中国共産党の独裁制

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    2014年01月11日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(下)

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    国家が繁栄するのか、貧困したままでいるのかを分ける原因を国家統治体制に求める大著の下巻。最終章である15章にこれまでの議論がおおよそまとめられている。
    主張のポイントは、収奪的制度の下では一時的には成功したように見えることがあるが、その成功は大きく二つの理由から持続的でないということである。一つは、創造的破壊に伴う変化を嫌うためにイノベーションが発生しないことと、二つ目は支配層が持つ特権をめぐって争いが生じるための不安定さである。
    そして、収奪的制度から包括制度には自然には発展しないということも強く主張する。日本やイングランドを含むいくつかの事例があるが、中国やロシアやアフリカ、中南米の貧困国

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    2013年12月30日
  • 国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源(上)

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    地理的要因と家畜化および農耕化可能な野生生物種の存在を文明発祥の起源としての条件を提示したジャレット・ダイヤモンドの名著『銃・病原菌・鉄』に対して、その統治形態によって、国家の趨勢が決まるというのが本書の要点だ。
    しかし、『銃・病原菌・鉄』のスコープと本書はスコープと論点が異なっており、明らかに互いに排他的な議論をしているわけではない。名が通ったものを恣意的な解釈のもとにアンチとして定義し、それ対して自らを対置することで正当性を主張する手のように見え、あまりいい印象を持つことができない。

    著者の主張をまとめると、ごくシンプルで、統治形態が収奪的である場合は経済的繁栄は持続しないし、包括的制度

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    2013年12月30日