神山典士のレビュー一覧
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本書は「ペテン師」佐村河内と「天才」新垣の出会いから生まれた「佐村河内事件の全貌」のドキュメンタリーである。佐村河内事件の暴露には著者の神山も噛んでいるので当事者によるドキュメンタリーの側面もある。何が起こったか、マスコミやネットで報じられなかった事実も掘り起こされている。
佐村河内の来歴はだいたいネットで曝されていた通りだが、売り込みの戦略と粘り強さ、図々しさでは一流ではないか。ただ、肥大した自我を持ちながら彼には売り込むものが何もなかった。他方、新垣の神童ぶりも凄まじい。だが、彼には自分の芸術を押し出す図々しさ、押しの強い自我がなかった。2人が出会ったのは偶然だったのか、運命だったのか -
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(15-50) 抜群のプロデュース能力があり、ずうずうしく押して物事を成し遂げてしまう佐村河内。才能はあるのにいつも一歩引いてしまい、自分から出ることが無い新垣。佐村河内は自分が有名になりひとかどの人物として扱われることに執着。新垣は頼まれたことを断れず、人を喜ばせることで幸せを感じるという性格。この二人が出会ったのは悪魔の配剤か?ここまで相性が良い二人がコンビを組んでしまったのが、このペテンがこんなにも長続きしてしまった理由だ。それにしても一番情けないなと感じたのはNHKだ。ドキュメント番組を作るのなら対象者と対等でなければならない。天下のNHKが対象者の言うままになって、番組を作らせて頂い
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徹夜して本を一気に読むなんて久しぶりだ。この本はポルノです。日本的なものの恥部を一堂に会させたごった煮のポルノ本と言えると思う。主役は、佐村河内守、新垣隆、メディア、メディアを通じて美しい話に酔った一般人。。
昔、吉里吉里人を読んだ時に、日本のタブーに対する切込み、風刺がすごいなと思ったが、この本はそれが実話として、何も隠すことなく剥き出しで綴られている。なんというか偽善がメルトダウンを起こしている。
物語は佐村河内の虚構が織り成す不思議な人の縁を中心に生々しく続く。しかも、彼自身の嘘(耳が聞こえない)により、ほぼすべてのやり取りがメールで残っているという奇跡的な記録性の高さ。どれを以って -
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Posted by ブクログ
神山氏と先日(2025/1下旬)にお亡くなりになった森永氏との対談本です。本の帯にあるように「森永卓郎氏の最期のメッセージ」となりました。昨年から現在に至るまで10冊以上の本を書かれていて、重複されている部分はありますが、それは彼が強調したかったことだと思い読みました。
この事実は、他の著者からは今後書かれることはなく風化していくとは思いますが、私の中では記憶に留めるべくこのようは形で残しておきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・資本主義は15−17世紀にかけて欧州列強が世界各地の富を搾取した「大航海時代」にできた社会システムとする見方がある、資本家=国王や貴族が資本を