勝部真長のレビュー一覧
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勝海舟の父である勝小吉の自伝
知る人ぞ知る豪傑のエピソードが盛りだくさんでした。昔の文体であるため、正直、理解できたのは7割程度でしたが、それでも有り余るエネルギーを感じることができます。また、飾りがない語り口のため、当時の習俗を身近に感じることができることも本書の醍醐味だと思います。
私の祖父母の幼少期には、まだ江戸生まれの御年寄が沢山おられたと考えると、別世界の様に思われていた、勝小吉が闊歩していた時代と今にそれ程の距離はないのかもしれません。改めてそう思わされるほど、当時の生の風景が、小吉の生活と共に写し出されていたように思います。 -
Posted by ブクログ
表紙(蓬田やすひろ 画)のインパクトが強く購入。内容は西郷隆盛 の通史を「情」と「死の願望」から整理。
著者は 勝海舟の著作も多く、勝海舟と西郷隆盛の親好の記述を期待したが、記述は少なかった
著者の西郷像は 江藤淳や内村鑑三の西郷像(英雄性、国家観)より 引き下げられている
*西郷は 情にもろいため、情で滅んだ
*西南戦争は 西郷と大久保の私闘にすぎない
本筋以外で面白かった点
*江戸時代の豪商が先祖伝来の のれん を持ちこたえたのは 養子制度を取り入れたから
*河井継之助の「地下百尺の心」
人間は いったん死んで地下百尺のところに埋められてから 現生を観察しないと 本当の仕事はできな