長谷川寿一のレビュー一覧

  • 進化と人間行動 第3版

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    ヒトが進化の過程で獲得した高度な知能や社会性は他の動物とは明らかに異なっていて、なんかわりとすごいんだけど、同時に「所詮サルなんだよなぁ…」と思わせるような、ヒトのしょうもないところもしっかり学べる一冊。

    東大だか早稲田だかの教養科目の教科書(だった気がする)だけあって内容は骨太。時間はかかったけど、意外と読みやすかった。

    人間について考える時の、思索の原点になる本かもしれない。

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    2026年07月19日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    30年経っても色褪せない名著。情報量も多く知的好奇心を刺激してくれる。なぜ新生代第4期に突如として高度な文明を発達させる動物が出現したのか、宇宙には我々のような進化を遂げた生物がいるのか、誰もが一度は抱いたことのある疑問だと思うが、博士が提供する答えはやはり凡人とは視野の広さが全く違う。キツツキの進化を例にもってきて説得力ある説明をしてくれる。こういうユニークな発想を自分も出せるようになりたい。
    印欧語の起源や拡散など、言語に関する考察も非常に興味深かった。

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    2025年01月14日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    たくさん学べるすごい本でした。
    人間には虐殺を好む性質が
    もともと仕込まれていると語る
    部分では、事例が次々と挙げられていて、
    イヤになります。受け入れ難いが、
    そうかもしれないという気になります。

    それでもなお、人間は言語があるから
    過去の成功及び失敗から
    未来の選択を学べるのだとする
    著者の訴えは、希望を与えてくれました。

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    2022年10月16日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    読んでいて、本当に楽しい。
    例示のセレクトがいいから
    納得しながら論旨に身をゆだねられる。
    ヒトの特徴がどこから生じているのか、
    歴史をたどる本。
    初めて知る話が次から次へと
    出てきました。

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    2022年08月11日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    ジャレドダイヤモンドの一般向けのデビュー作の本らしい。先に「銃・病原菌・鉄」と「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」を読んでいたのでデ・ジャブ感満載であったが、これらの本が本作の各章を切り出し一つのテーマに焦点を当てて書いた本であるので当たり前ではある。本作は、あくまで人間というもの全体にフォーカスを当てて、なぜ人間がチンパンジーと98%くらいの遺伝子を共有しているにも関わらずこのように特別な存在となっているのかを洞察している。博士の結論としては人間はある意味で特殊ではあるが、人間の特徴である言語、性生活、同種殺し(戦争)、薬物中毒、芸術などをテーマに実はこれらの特徴も類人猿はもとより他の生物にもみられるということを考察している。ただし、人間ほどにそれらの特徴を進化させたものは存在しないのでその意味ではやはり人間は特別ということ。最近のユヴァルノアハラリの人間考察の基底となるような本。こんな思想が30年も前に存在していたとは教学である。

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    2022年07月23日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    久々のジャレド・ダイアモンド。第三のチンパンジー「完全版」もう30年も経つとは… その後の研究成果で博士の予想が外れてたりもしてるが、今読んでも興味深いテーマ。他の動物と比べたヒトの特異点を探っていき、「大躍進」の秘密を探ろうという内容。700万年前に類人猿と分岐して以来、解剖学的に現代人と同じ人類は10万年前に現れているが、「大躍進」はたかだか1〜2万年前で、何がそのきっかけになっているのか。言語が最も重要で、それによって文化や芸術も発展してきたと予想。どの本でもそうだが、博士の博識ぶりに感嘆させられる。ユヴァル・ノア・ハラリがサピエンスを書くときに相談を持ちかけたのももっともだと思わせる。

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    2024年12月24日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    ヒトと動物の違いは何か、について人類学的な様々な角度から考察。実はホモサピエンスは類人猿類で最後に分岐されたわけではないこと、高度な技能を音声機能の進化により伝達できたことがはじまりであること、口伝だった時代に大事だった年寄り、高度な技術の蓄積が子どもの長い未熟期間につながり、オスもメスと協力して長い子育てをするようになることで、乱婚ではなくなること、などなど、仮説ではあるが壮大なつながり、構造の基、文化や社会が形成されているという、構造主義にもつながる考察が多くて興味深い。自らの遺伝子をいかに残すか、の共通したルールフレームから解釈できる体系を切り開いたダーウィンは本当に歴史を変えた転換点を作ったんだ、と改めて感嘆。

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    2022年12月10日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    芸術の起源と、様々な動物の雄雌がどうやって配偶者を見つけるか(特にアズマヤドリ)の話が興味深かった。
    序盤の、人間の雄雌の性器の大きさについての言論も面白かった。

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    2022年11月24日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    人生での出逢いについて、6歳頃の出逢いについて。長女の6歳頃の環境について。など、あまり振り返ったりしなかった時期について、真面目に思い出そうとしました。そうか、あの人か?なんて。

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    2022年07月28日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    非常に面白かった。
    上巻は正行為に関わる論点が多く筆者の嗜好性が出てたり、古さを感じさせたり、冗長な印象だったが、下巻は面白い。
    人類史みたいな部分が筆者の強みだと思う。

    ヨーロッパの起源がステップ地域の遊牧民族にある話、ポリネシア人、ネイティブアメリカンのジェノサイドの話など。
    非常に面白いし古さを感じない。

    また巻末にある、人間の自然破壊に対する一般的な意見への反論が示唆深い。
    人間による環境破壊は、長期目線で見たときに、隕石衝突などと比べて大したことはなく、地球温暖化も過去に何回もあったため、大したことない、と言う論に対する反論として、自然消滅のスピードが過去と比べて明らかに早いこと、隕石衝突で哺乳類は死ななかったことで反論している点。
    また、人間の生活に貢献しない生物はいらないと言う論へは、複雑なエコシステムをとっている自然環境において、貢献しない種だけを選り分けることが構造的に不可能だと言っている点。

    上記の論についてファクトを並べて説明するのではなく、一定ロジックベースで展開する点も非常に読みやすい。

    ファクトはたくさん持っているのだろうがそこの開示だけにこだわらず、さまざまな領域の知見フル動員しながら(筆者は非常に幅広い分野に深い造詣がある)、論を組み立てており、知的好奇心が刺激され異常に面白い。

    筆者の強みである人類史について書かれた「銃病原菌鉄」は必読だと思ったのでこれから読む。

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    2022年05月27日
  • 美の起源 アートの行動生物学

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    日本ではじめてイグ・ノーベル賞を受賞した著者の研究テーマ・動物と美についての全体像が分かる本。美学の歴史から、認知学的・能科学的なとらえかた、動物と人間との違いなどが、専門家の監修の元、まとめられている。

    崇高と美の違いや、芸術的な鳥の巣や歌など、ヒトの美の営みがどこから来たのか考えさせられる話題が分かりやすく語られ、興味を持った。

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    2016年10月23日
  • 進化と人間行動 第3版

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    進化や人間の脳についてはとても勉強になった。
    なので良著として色んな人に勧めたいのだが、文化や社会について書かれた章があまりにも雑なので誰にも勧められない。
    かなり気をつけないと誤情報を元に女性差別を肯定し始めると思う。

    脳の働きなど科学的な研究に基づいていることについては、記述も「そういうことが示唆される」「そういう説がある」ときちんと科学的に正しい説明になっているのだが、社会構造や性差に関しては統計的根拠を持ち得ないはずなのに突如として言い切りが入る。
    例えば女性が優位の種「は比較的少数しか存在しない」と言うが、哺乳類6000種のうちどれほどについて子育てや群れの構造が判明しているのか?
    社会構造については比較の対象が非常に変わっていて、大体先進国(欧米)と狩猟民族(のうち著名なもの)の例を持って「どこでも同じ」とまとめたりする。

    文化や社会の章に関しては筆者の意見と科学的コンセンサスが書き分けられていないので、極めて注意する必要があると思う。
    これらについて知りたければもっとデータを繊細に扱っている本を探した方がいい。

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    2026年10月03日
  • 美の起源 アートの行動生物学

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    タイトルの通り「美の起源」に迫るという興味深いテーマで書かれていました。

    動物のアート、古代人が描いた洞窟画にまで遡って、その本質について考察しています。

    個人的におもしろいと思ったのが、動物のアートです。

    鳥が作る芸術的な巣に圧倒されましたし、育った環境によって好む音楽が異なるというのも、人間と一緒で、人間と動物を分けるものについても、考えさせられました。

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    2025年08月04日
  • 美の起源 アートの行動生物学

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    今の世の中の芸術ってなんのためにあるのだろう。と思った事がある。

    絵画を見るにも技術が必要で、その技術は先天的に備わるものでは無く、身につけるもの。特に現代美術などその背景や歴史を知らなければ価値がわからない、という主張を読んでから、芸術の存在意義について不思議に思った。

    では何故美術というのが何のために生まれたのか。その不思議に対して生物学的な視点から解していった本。

    現在の芸術とは、芸術そのものの為の芸術であるが、そもそもの起源は自らの適応度を高める可能性に直結していた行動だった、という事がわかったような分からなかったような。

    色々実証検証が難しい分野だと思うけど、我思う故に我あり、を超える普遍性を見つける問だと思う。これからもモニターしたい。

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    2025年05月31日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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     人類の進化と文明について本書で取り上げられた項目はその後、ヒトの性行動については『セックスはなぜ楽しいか』で、文明の勃興、崩壊については『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』で詳細に論じられることになるが、本書は正にダイアモンド博士の原点とも言うべき一冊である。

     本書の主題は次のように示されている。

      ヒトという種が、短い間に
      単なる大型哺乳類の一種から世界の覇者へと
      どのようにして変化し、
      また、その進歩を一夜にして
      ふいにするような能力を
      どのようにして身につけることになったか

     上巻では、ヒトという動物と類人猿との系統関係や進化のありようについて、またヒトの性行動とライフサイクルの変化について取り上げられる。

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    2023年04月14日
  • 第三のチンパンジー 完全版(下) 人類進化の栄光と翳り

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    ヒトはなぜ同種の個体を大量虐殺するのか、コモンチンパンジーの例なども踏まえ、生得的のものに環境や技術がそれを実現できたものなのか、大量絶滅は産業革命以前にも大きく行われていたのか、など、なんとなく近代特有で、かつ、現代では理性によって克服されたと思い込んでいる人類の業について、深く考察され視野を広げることができた

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    2022年12月17日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    非常に古い本で、古さをきっちりと感じさせる。
    進化に関する説の古さだったり、差別的な表記だったり。
    かつ筆者も若い頃であり、性への興味がすごい。溢れ出ている。

    筆者の専門である人類の進化を性の切り口で整理することも多く、若かったんだなと思う。

    一方トピックとして面白いものも多い。
    特に面白かったのがピジン、クレオール。

    複数の言語が混じり合い、一つの統一言語となる過程や実際そうして出来上がった言語(インドネシア語)など、非常に興味深い。

    そういえばパトワもクレオールだなと思う。

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    2022年05月18日