諏訪緑のレビュー一覧
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時の地平線、完結です。
戦うことがきらいな三国志。まあ、無理矢理な部分もあるけれど、それで一貫させたのはすごい力だと思います。
数ある三国志のなかで、また、新しいページを開いた三国志だと思います。
北方三国志と、これとは、真っ逆さまに違うけど、どっちも好きですね。
まあ、ちょっと不満は、最後に英さんと孔明の新婚家庭の様子がまったくなかったことかなぁ。でも、きっと、人にまかすことができない孔明ですので、実際も、こんな風に働きづめだったのかもしれません。
今回の劉禅は、お馬鹿でないです。
そして、魏延も、最後でけっこう泣かせてくれました。
蝋燭倒すのが魏延でなかったのが残念です。笑えた -
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知略の英雄ではなくて、まっすぐで傷つきやすい青年として諸葛孔明を描いた諏訪版三国志(考えてみると、赤壁の時の彼はまだ20代なんですよね。何だかひどく年上のようにも感じてしまうのですが。そしてこの年齢差が晩年の彼を酷く孤独に、酷く厳しい立場に置いたのではないかと思います)。時代の申し子とでもいうべき主人公・孔明に対し、同じく知略の人でありながら、冷静に時代を眺め、バランス感覚に優れていた孔明のよき理解者である士元。本巻では、その士元のあまりにもあっけない死が語られます。士元の妻である寧寧さんが「かぶりもの」好きだった士元の為に彼の最後の地に帽子を届けに行く場面では、涙がこぼれました。
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子竜さんが表紙。
私の大好きなナツツバキが背景です。花言葉は「信頼」だとか。
この巻は、表紙の通り子竜が頑張っています。
全力で真っ向から向かってくる子竜に、私も涙…胸が熱くなりました。
孔明・子竜とそして馬超と、3人のカンジがよいですね。仲間。
関羽も張飛も、そしてついに劉備までもが身罷ってしまいました。やっぱり寂しいなあ…
そんな事もあり、この巻は孔明がアツイ。いつもと違う激しい表情が見られました。
時地もラスト1巻だし、大切に読まなきゃ。
「おう!来てやったぞ」
の背景に牡丹しょった馬超さんの佇まいが ス テ キ …!(笑)
色男オーラ出まくりです。
今更になって馬超の魅力に気付く私 -
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高校の時、友人が貸してくれました。
三国志で、少女マンガなんてあるんだなあ…と、意外に思いましたね。
孔明が主役なわけですが、この孔明。実に人間らしくてね。
超人的な天才軍師、というイメージが強い彼ですが、悩み、苦しむ一人の人間としてあって共感できますね。
三国志と言うと、オトコくさい沢山の英雄達が大活躍の戦争モノ、なイメージが強いですが、これは違う。
軍師、参謀と言った文官の戦い…いかに戦争の被害を少なくするか、とか、いかに争いを回避するか…と言った視点で書かれている。
かなり新鮮なお話なんじゃないかなあ、と思います。
すっきりした線の綺麗な絵も好きです。 -
購入済み
奥深い
この物語の良いところは本当の悪人が出てこないところ。みんな、大事にしているところが違うだけ。現代でも何処も分裂や対立があるけれど、時代や宗教を超えて同じことが繰り返されているのだなあ。現代の宗教対立でも本当の悪人がいないことを願う。
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購入済み
ちょっと泣ける
三蔵法師に兄がいたとは知らなかったが、このあまり外国語のできない、でも賢く立派なお兄さんがなんともいい味を出している。お兄さんに見守られながら玄奘が少しずつ成長していく姿にちょっと泣けた。
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ネタバレ五台山への旅、終了。
円測とウッチ(基)、玄奘が『西遊記』になぞらえて、ともに五台山への向かう。
途中、道教と仏教の対立、後の則天武后の野望なども描かれ、宗教とは、人を通して深められるものであることを描き出すことにつながっている。人があるから、宗教がある。こういう当たり前のことに戻っていくことがいかに難しいかというのも、含めて描かれていて、これまでの作品のテーマをしっかりと踏襲していることをうかがわせる。ぶれない作家である。
ちなみに、玄奘が孫悟空の役柄なのは、前作『玄奘西域記』と同じ。今回の「三蔵法師」役はウッチだった。絶対、「三蔵法師」な存在になれない「玄奘」さん。とてもおもしろいキ