あらすじ
異民族の将・馬超と同盟を結び、蜀の地の安定を図ることで、曹操の勢力を押さえようと考える孔明。だが、漢人への深い憎悪を抱く馬超は、孔明からの使者を徹底的に拒絶する。停滞する事態の間隙を狙うかのように、曹操軍が江東へと動き出す。一方、蜀では変革派と通じていた士元に最大の危機が―!!
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Posted by ブクログ
知略の英雄ではなくて、まっすぐで傷つきやすい青年として諸葛孔明を描いた諏訪版三国志(考えてみると、赤壁の時の彼はまだ20代なんですよね。何だかひどく年上のようにも感じてしまうのですが。そしてこの年齢差が晩年の彼を酷く孤独に、酷く厳しい立場に置いたのではないかと思います)。時代の申し子とでもいうべき主人公・孔明に対し、同じく知略の人でありながら、冷静に時代を眺め、バランス感覚に優れていた孔明のよき理解者である士元。本巻では、その士元のあまりにもあっけない死が語られます。士元の妻である寧寧さんが「かぶりもの」好きだった士元の為に彼の最後の地に帽子を届けに行く場面では、涙がこぼれました。