三中信宏のレビュー一覧
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ネタバレゲンロンカフェで山本貴光さん、吉川浩満さんとの鼎談、山本さんのツイートをきっかけに購入。本書の白眉はなんと言っても“整数倍の威力“だろう。ウサギよりは亀につくという話で、1日に書く量と時間を決めてそのノルマだけは死守することで、1冊の本が書けるぐらいの分量にはなるという話。個人的には読めてすらいないので、コツコツ読むことから始めて一定習慣化したところから書き始めたいと思う。こういうといつまでも書くことはできないと怒られそうだが・・・。まずは一歩からということでご寛恕いただきたい。
本書で主張されている書くことにより、後から振り返った時に自分が書いた書評、紹介が一番役立つであろうというのはその通りと思う。人が書いた書評や紹介文はもちろん参考にはなるのだが、当然ながらそれまでの人生というか、蓄積に差はあるため、着目するポイントや視点というのは異なるわけで、自分が書いたものが一番自分に近く感覚的にもフィットすることにはなるだろう。また、書籍という形でまとめることの意義についても納得。これも自分のために知識を一つの体系としてまとめるという効果があり、一定量の文章をストーリーの通った構造にまとめることで、自分の知識が整理され、また、客観化もできるだろう。
そして、著者のこだわりである、索引、文献リスト、脚注は必ず残すこと。これは読者のためだけでなく、自分自身にとっての資料的価値を高めることにもなる。むしろこちらの理由が大きい。ただし脚注については著者は本文中に織り込んでしまえという立場で、これは読みやすさを考えると理解できる。対談とかだと難しいと思うけど。
その他、本を整理するなら、売って古書市場に流通させること(捨てたり寄贈しない)で他人の手に届く可能性を残すこと。電子書籍やWEBの保管性の悪さというか、後から参照した時に情報が残っていなかったりなど、不都合が多い。資料的価値という意味では、紙の文献を手元に残すことはやはり必須のようだ。
私もシルヴィア主義者、ポパー主義者となって漸進的に物事を進めることにして“整数倍の威力“を味わうことにしたい。 -
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類型化のための方法論を知りたかったので、本書を手に取った。修士論文執筆中に一読していれば、構成が大きく変わっていただろう。著者がいうように、適用範囲が広いので、生物学に限らず多くの分野で「系統樹思考」は応用できるフレームワークで非常に魅力的である。類型化、分類のためには、この系統樹思考を理解しておく必要がある。ただ「学問分類と学問系譜とは異なる」ことも同様に了解しておかなければならない。分類して群思考(group-thinking:同じ対象物を離散カテゴリー化によって近縁性を見出し体系化)で認知することと、系統樹思考(tree-thinking:対象物間の系譜関係によって体系化)で推論することは本質的に異なる。この点を確認できただけも大きな収穫だった。
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読書を「狩り」として捉えサンプル、ノード、ネットワークといったワードを用いてアブダクションとしての読み方を提示する本。実用書や教養書などの読書を主に対象としている。
読み進めていく中でページごとの痕跡や目印(部分)を嗅ぎ分け、それらをもとに推理を働かせることで主張の構造化(全体)を目指すことが、狩りとしての読書であるのだそう。
読書の読み方もためになるが、筆者の読書に対する周辺の話があるあるで共感できる。
以下メモ
厚い本だと手を出すのに躊躇するかもしれないが、意外とするすると読み終えるかもしれないし、新書や文庫だからと言って甘く見ていると痛い目に合うこともある。本の外観や装幀だけで判断するのは注意が必要。
読書に同調圧力は禁物。孤独な読者に幸運あれ。
自分の勉強を兼ねた「ブックレポート」的なまとめは読書記録(備忘メモの集積)としてあとでとても役に立つ。読み手である自分が"狩人"としてどのように主体的に攻めていけるかが問われる。 -
Posted by ブクログ
正直なところ、一度読んだだけで理解できるとは思えないので買ったままほったらかしにしてあったが、勇気を出して読んでみた。
読んだけど、それで理解できたわけではないし、とても面白いというわけでもないけど、「この本を理解したい」「面白いと思えるようになりたい」って感じの本。
レイヤー、ネットワーク、系統樹、類型、形而上、進化、認知と様々なものを思いっきり新書サイズに詰め込んだ感じで、少し読みにくい点はあるものの間違いなく「読んでよかった」と思えた。なるほど不思議なものだ。
単なる系統樹の説明だけでなく、世の中を「系統樹的に理解しようとする性向」というのを人は持つとのことで、他の著書も読んでみたいと思う(あと巻末の文献リストがエクセレントなオーラを発しているのでこっちも読みたい) -
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[ 内容 ]
この世の森羅万象を体系化して理解しようとするとき、私たちは名前をつけ、分類する。
しかしそこには長年、生物学者たちを苦しめ続ける難問が潜んでいた。
人間の「知」の根源に迫る!
[ 目次 ]
生まれしものは滅びゆく(二〇〇六年オアハカ、メキシコ)
「種」に交わればキリがない
「種」よ、人の望みの喜びよ
老狐幽霊非怪物、清風明月是真怪
真なるものはつねに秘匿されている
いたるところにリヴァイアサンあり
プリンキピア・タクソノミカ
実在是表象、表象是実在(二〇〇七年ニューオーリンズ、アメリカ)
一度目は喜劇、二度目は茶番
つながるつながるつながるなかで
ナボコフの“ブルース”
目覚めよ、すべての花よ
時空ワームの断片として
「種」よ、安らかに眠りたまえ
滅びしものはよみがえる(二〇〇八年トゥクマン、アルゼンチン)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
科学としての歴史の復権!
失われた過去をいかに復元するか?
系統樹はことばです――
新しい「ことば」を身に付けることはいつでもわくわくするものです。
これまで読み書きできなかった系統樹という「図形言語」が使えるようになれば、自分の視野が広がるから。
[ 目次 ]
プロローグ 祖先からのイコン―躍動する「生命の樹」
第1章 「歴史」としての系統樹―科学の対象としての歴史の復権
第2章 「言葉」としての系統樹―もの言うグラフ、唄うネットワーク インテルメッツォ 系統樹をめぐるエピソード二題
第3章 「推論」としての系統樹―推定・比較・検証
第4章 系統樹の根は広がり続ける エピローグ 万物は系統のもとに―クオ・ヴァディス?
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