杉田晶子のレビュー一覧
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正義を考えるためには善を考えることが必要。
善を考えるためには「原理と具体例を相互に往復しながら考えていくというアプローチを取るべき」
by ロールズ(反照的均衡)
カントの考えでは、人間が自律的に行動していると言えるのは、義務という名の下に何かを追求している時だけで、自分の個人的な利益のためではなく義務のために、何か善い道徳的な行為をしているときだけ。
その行為は自由から生じている。
なぜなら強制されたのではなく、道徳法則を受け入れることを自分で選んだから。
道徳法則は主観的な条件に左右されないので普遍的な法則である。
純粋理性とはどんな外部条件にも左右されず自分自身に適用されるも -
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哲学というのは人をして距離を置かせ、衰弱させるような活動のため、精神が未熟なうちにしてしまうと社会との距離のバランスがとりづらくなってしまう。
①どこから、基本的な権利はきているのか?
②公正な手続きはどんな結果も正当化するのか?
③同意の道徳的な働きは何か?
ベンサムの功利主義をジョン・スチュアート・ミルが発展させた
「満足した豚より、不満足な人間である方がよい。満足した愚者より不満足なソクラテスである方がよい。」by スチュアート・ミル
「正義とは道徳の最も神聖な部分であり、他とは比べようもないほど拘束力の強い部分である」by ミル
ノージックは分配の公正さは
①「取得の正義」ま -
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前回に引き続き面白い議論がたくさんあった。やっぱりハーバードなだけあって、学生の鋭い視線もすごい。指摘や批判も的確。そのような多様な意見を拾って、議論を上手にファシリテートするマイケル・サンデルも素晴らしい。自分も多角的な視点を持てるようになりたい。
同性婚、愛国心・忠誠心のジレンマ、アファーマティヴ・アクションなど社会問題は判断が難しい。自分でも何が正しいのか結論が出せない。
quote:
この講義の目的は理性の不安を目覚めさせ、それがどこに通じるかを見ることだった。我々が少なくともそれを実行し、その不安がこの先何年も君たちを悩ませ続けるとすれば、我々は共に大きなことを成し遂げたというこ -
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法哲学を学ぶ上で非常に参考になる本。億万長者のビルゲイツに巨額の課税をして、富の再配分を強制することを正当化できるか?5人の命を救うために1人の命を犠牲にすることは道徳的に許容できることなのか?これらの問題を功利主義、リバタリアニズムの立場はどう評価するのか説明している。
ベンサム、ミル、ロック、カントなどの思想を例を挙げて分かりやすく説明し、法哲学という難しい学問の魅力を伝えていることが印象的であった。
マイケルサンデルのプレゼンも非常に巧妙だと感じた。議論を対話式で進め、賛成、反対の意見をぶつけ合わせている。矛盾している意見も全否定から入るのではなく、多様な意見をを自然に反映させて、筋 -
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面白かった。話の内容はもちろんだけど、議論の運び方とかが上手い。何か明確な答えが出るわけでもないが、その過程がいかに重要かってことを再確認させられる。
上巻に比べて急に議論が高度化する印象だけど、じっくり読めば理解に難くはないはず。
上下巻どちらも巻末にサンデル教授の東大での講義が前後編にわかれて収録されていて、なんでこんなややこしいことするんだと思ったが読んで納得。東大での講義はハーバード大での講義を圧縮したもので、つまり上巻での議論と東大講義前編の議論が対応している。下巻についても同じ。読んでみればいっそう理解が深まるし、ハーバード大の生徒と東大生の違いというか、アメリカ人と日本人の考え方 -
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なぜ人を殺してはいけないのか?なぜ人は権利を持つのか?なぜ他人を尊重しなければならないのか?お金では買えないものは何か?なぜ税金を支払わなければならないか?
人権問題や課税、道徳、自由…それについて、「正義」の観点から切れ込んで行くマイケル・サンデル教授のハーバード大学での授業が掲載されています。
学生に質問を振りつつ、歴史的名著を紐解きながら、ひとつひとつの疑問をわかりやすく解説されています。「功利主義」ですとか、ジョン・ロックの「統治二論」ですとか、単語として知っていても内容をよく知らなかったことが解説されていて、ためになりました。
現代社会が抱えている課題を、それらの歴史的名著を紐 -
Posted by ブクログ
ハーバード大学で大人気の政治哲学の講義と東大安田講堂で行われた特別授業を書籍化した下巻となります。「正義とは何か?」この単純にして最も難しい命題に挑戦するサンデル教授と受講生とたちとの掛け合いに注目。
この下巻は、NHK教育テレビで放送された「ハーバード白熱室」の第7回~12回まで、および2010年8月に行なわれた東京大学特別授業の後篇「戦争責任を議論する」を収録したものになります。
僕がこういう講義に魅かれるようになったきっかけとは、現在は東進ハイスクールで教鞭をとっている英語講師の今井宏先生が大学時代の恩師の授業をはじめて受けたときにちょうど、サンデル教授が展開しているような授業たった -
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