杉田晶子のレビュー一覧
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うそをつかない=カントは嘘も方便は賛成していないが積極的な嘘でなければ許容している。
ロールズ=無知のベール。功利主義を批判した。
公正な機会均等=能力主義、これだけでいいか。才能に恵まれて得た富を分配する方法を変えればいい=格差原理。恵まれた者は恵まれない者の状況を改善するという条件でのみ、その幸運から便益を得ることが許される。
アファーマティブアクション
テキサス大学のロースクールの合否決定基準。人種で差別することは違法か。多様性の促進とどちらを取るか。
アリストテレスにとって正義とは、人々に値するものを与えること、与えられるべきことを与えること。
最高のフルートが与えられるのは、最高のフルート奏者。その理由はそれがフルートの目的だから。目標や目的のことをテロスという。物事のテロスを決めてそれが叶う分配が正義にかなった分配。
目的論とも呼ばれる。
PGAはカートの使用を認めるべきか。
サンデル教授の最終目的はコミュニタリアニズム。 -
Posted by ブクログ
サンデルさんの三冊目。
講義録なので、スピード感は他の二冊に比べてないのだけど、生徒の答えを受けながらサンデル先生が広げていく感じは楽しい。
巻末に東大特別授業編があるのだけど、予想していたよりは、日本向けにアレンジされていて良い印象を持った。
徴兵制のくだり。
徴兵制が良いか、外部委託が良いか、志願すれば多額の給与をもらえるようにするのが良いか。
少数派の徴兵制を支持する生徒から、このような発言が出てくる。
「難しい質問ですが、徴兵制です。国全体に戦争への責任を感じさせることができるから。少数の人々だけがイデオロギー的に支持する戦争が起きてしまうよりいいです。」
こういう理由で徴兵制は用いられないだろうけど。
考えざるを得ない場面、関わらざるを得ない場面って必要なのかもしれない。
誰かが代わりに行ってくれたら、誰かが代わりに考えてくれたら、「私は幸福だ」と思うこと、そう思う人で満たされることは正しいことなのだろうか。
難しいけれど、「社会的体面」を世間知として学ぶ私たちは、ここからもう少し、議論を進められるような気がする。 -
Posted by ブクログ
-「私は誰かの息子か,娘であり,どこかの都市の市民であり,この一族,あの民族,この国民に属している」「したがって,私にとって善いことは,このような役割を生きるものにとって善いことであるはずだ。私は自分の家族,都市,民族,国民の過去から,様々な夫妻や遺産,期待や義務を受け継いでいる」
-「本当に有徳な人は、最も遠い他人を助けるためにも、友人に対するのと同様に迅速に駆けつける」「完全に有徳な人に、友人はいないだろう」
-すべての正義は差別を内包する
本全体があんまり一つの主張をしないのでちょっと強い感想を持ちにくいんだけど、個人的に残ったのはここら辺かな。人類皆に公平というか正義を持つなんてのは難しく。個人はそれぞれに絶対に偏っている。そんな小さな自分の正義の中で生きているだけで、所謂「正義」というのはそれをどうにか最小公約数としてまとめているだけなので、結局は脆いし個人の単位では簡単に壊せる。 -
Posted by ブクログ
-凄い昔に途中まで読んだことあったけど終わらず。実家帰った時に本棚にあったので持って帰ってきて読んでみた。
-授業のテンポとか、内容が難しくなりすぎたときのユーモアとか、議論の誘導の仕方とか「授業をする」ということに対して凄い技術をもったエンターテイナーだなーって思った。
-でも本としては凄く難しかった…理解するのに何度も読み直したw
-そういう意味で授業ついてってる学生凄い。ただきっとこれ授業のないところで相当な量の課題図書出されてるんだろうなー。その上でのこの授業だと考えると、ちょっと学生時代思い出してゾッとしたw
-ハーバードの学生の議論聞いた後の東大の学生のレベルの低さが凄い。これって英語でやってたからなのか…日本語でやってこの感じなのか…いずれにしてもコンテンツとしてこうやって比較できちゃうとなんか悲しい。
何気に冒頭にあった哲学を学ぶことの危険性についての言葉が意外と心に残ったりする。
「哲学という学問は、私たちを私たちがすでに知っていることに直面させて私たちに教え、かつ、動揺させる学問だからだ。」
友人カリクレスからソクラテスへの助言。
「人生のしかるべき時期に節度をもって哲学を学ぶなら、哲学は可愛いオモチャだ。しかし、節度を超えて哲学を追求するなら破滅する」
ちょっと哲学の話とはずれるけど、このアンカーの話は面白い。こういう誘導で全く新しいビジネスとか生まれるんだろうな。
「半分の学生には彼らがその朗読を聞くのに10ドル払う気があるかを尋ね、残りの半分にはありエリーが10ドルを払えば、朗読を聴く気があるかを尋ねた。」
「トムは面倒くさい塀のペンキ塗りの仕事を、友人たちにうらやましい仕事だと思いこませて、その仕事を代わらせるだけでなく、その特権を譲ることの対価を得た。」 -
Posted by ブクログ
内容が難しいので読むのに凄く時間がかかった。
実際にNHKで放送されたものも見ていたけど、映像を観た後でこの本を読むと、サンデル教授の議論誘導の仕方の上手さを感じる。
映像では分からなかったけれど、文字になると、見当違いな話をしようとしている学生を上手くいなしたり、纏まっていない発言を短いセンテンスに集約したり、ということを頻繁に行っているということがよく分かる。
生徒がどういう発言をしてくるか分からない中で、きちんと目指した方向へ議論をみちびいていく手腕は本当に素晴らしい。
『正義』という議論しづらいものに真っ向から取り組んでいる授業内容自体も面白いけれど、サンデル教授の手腕が素晴らしくて、そこだけに着目して読んでも十分に価値のある本だと思う。