田村秀男のレビュー一覧
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日経経済記者ワシントン特派員→60歳産経新聞社へ
米中覇権戦争が現代史の本質
ロシアのクルミヤ侵攻・ウクライナ戦争も米中代理戦争
中国習近平政権は米国の覇権潰しと中国の世界覇権を志向
GDPや外貨準備は世界で優位を築きつつある。
しかし株式・金融資産は圧倒的に牛耳っている
中国は少子高齢化が進み、家庭の育児力は減退している。
1.中国の対外資産・外貨準備は巨額、世界一で他国を圧倒する。
2026/07/20米中通貨戦争
対中国は日本の戦略の基本の一つ。現状分析とビジョン・戦略の確立が不可欠と思うがそのような取り組みはない。
戦前と同様、日本は世界情勢の中での戦略立案が苦手、どころか無能力レベル。
対米国・対中国を基本軸として、アジア・世界の中で日本はどう役割を果たし、貢献していくか。それがない国は虚しい。
著者の田村秀男氏は巨大な中国を相手に一歩もひかず対峙する。まさに「覚悟と戦略」(297)
早稲田大学ー日本経済新聞ー産経新聞というユニークな経歴が物語っている。AI時代になくてはならない記者。
1.「中国元」通貨制度の特異性と脆弱さ=米ドル依存と脱米ドル覇権体制の矛盾 中国習近平体制の急所だが知られていない
また習近平はなぜ「元の独立」を図らないのだろう 元にはまだそれだけの信任がないという事なのか
本書では中国共産党の支配体制が「独裁」であり究極の自由主義経済である「金融の自由化」を受け入れられない。
①世界一の外貨準備だが、海外からの負債も巨額 決してフリーマネー世界一ではない
②米ドルリンク 元の貨幣供給は外貨準備を意識している 元のフリーハンドは程遠い
③中国共産党支配下の金融である限り、自由な金融市場はありえず、「覇権通貨」は夢想ですらない。
2.巨額の現預金 5050兆円 cf. 日本1200兆円 米国2800兆円
しかも年間増加額1200兆円
3.外貨準備3兆ドル 対外負債4.7兆ドル →対外債務国に陥った(44)
①経常収支 ②外国からの直接投資 ③外国からの証券投資 ④誤差脱漏=資本逃避2000億ドル規模
4.ドル本位制の通貨政策(69)
米国の対中貿易赤字累積額(‘08-‘18) 3.4兆ドル
人民元増発額 3.5兆ドル ほぼ一致する
5.米国の世界地位は低下の一途
なお世界一は 半導体設計 外貨準備通貨 上場株式時価総額 -
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安倍さんバンザーイみたいな感じだけど、戦後からつづく日本経済の浮き沈みを解説してくれる良本。民主党政権の裏側(事業仕分けは財務省のヤラセだったんかい!)とか宮沢喜一さんが史上最悪の首相だとか驚きと好奇心いっぱいで楽しめた。
この本と出会わなければ「消費税増税=高齢化社会への当然の備え」という単純な知識で終わっていたと思う。
ざっくり省略して、戦費を国債で賄った大東亜戦争の教訓から、税収と歳出がつり合う均衡財政(PB)を財務省は目標に掲げた。これは家計に例えると、パパの給料アップ(増税)に支出をケチる(緊縮財政)ことで、無借金&ママ(大蔵省)のへそくりも増えてニッコリという話。
すると、我々はおこづかいをもらうためママに頭を下げないといけない図式になる。
対して国政は会社経営に例えられている。融資を元に設備投資をして収益をあげ、利息をつけて返済することでお金が回る。国債イコール悪というイメージは「無知の壁」(抜粋)だと言う。
経済を巡るこうしたチグハグさに、安倍さんは文字通り命をかけて「過去」と戦っていた。むしろ財務省の向こう側に国防を見ていたから折れなかったんだろうと思う。世界で最も危険な地帯で、戦争放棄をたてに生き残るのは極めて難しい。
これら全てひっくるめて、戦後レジームからの脱却という言葉が響いてきた。外交手腕だけじゃなかったんだと知り、改めて尊敬。
つくづく日本は惜しい人物を亡くした。 -
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グラフがオールカラーで見やすく、日付つきのコラム調になっていて、同じフレーズが度々出ることから、おそらく産経新聞発行の著者のコラムを寄せ集めたものを一冊の本として上梓したもののようです。その辺りの記載は欲しかったですが、全般的にはとても勉強になったので、不満はなかったです。中国経済の衰退を如実に表す数々のデータと知見は経済記者である著者ならではのもので、非常に分かり易く勉強になります。同じフレーズ、例えば、「人民元は中国の外貨準備に依存しており、その外貨は海外資本流出によって減っているために、大規模な金融緩和を行うことができない」など、度々出てくるので多少は気になりましたが、自分の忘れっぽい頭にとっては情報を刷り込むのには却って良かったと思います。中国経済衰退の事実だけでなく、日本経済の不安要素も盛り込まれており、これから先、財務省、岸田政権、植田総裁が舵取りをする日本経済への不安も掻き立てる内容となっております。
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1970年から現在まで50年以上の経済記者歴をもつ著者が目の当たりにしてきた日本経済の歴史を纏めた一冊です。卓越した経済の知識と共に、記者として長年、現場を見て記事を書いてきた著者が著した本書は経済の勉強にもなりますし、経済史に残る事件の裏側なども知ることが出来、とても有益な一冊でした。
個人的には、アジア通貨危機に関しての記述が詳細で分かり易く、特に関わりのあった政治家の動きまで把握することができ有益でした。
2013年、故安倍晋三総理が本田悦郎さんと共に、日銀総裁、副総裁を決める際に候補として挙がっていた岩田規久男氏から「総裁になるのではなく副総裁が良い」と返事をもらっていた事実についての記述は、瞠目に値する内容でした。 -
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高市首相に思いをはせて、亡き首相を弔う。
一国のかじ取りは、首相の決断だけでは動かない。霞が関に張り巡らされた官僚組織、とりわけ財務省は、予算編成権と税制を握る中枢として強い影響力を持つ。第二次政権下の安倍晋三は、積極財政とデフレ脱却を掲げ、その力学と向き合った。
背景にあると指摘されるのが「財務省益」という視点だ。カルト化した組織の権限維持や財政規律を最優先する論理は、政治の景気重視路線としばしば緊張を生む。
政治主導か、官僚主導か。誰の利益を優先するのか。下層国民は増加する。誰も責任など取らない構造。民主主義の重みが試されているとして神民に託された一票の軽さ。
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ネタバレ■はじめに
本書は2012年から2023年前半までの米中対立の背景を浮かび上がらせる一冊。2026年の今読んでも古びないどころか、「なぜ今の国際情勢がこうなっているのか」という問いへの答えが随所に見つかる。それは本書の基本認識——「カネとモノを巡る覇権争いは数十年単位の長期戦である」——が、現在の激動する世界情勢をそのまま言い当てているからだ。
■「カネ vs モノ」という対立軸
本書は、覇権争いを「通貨(カネ)」対「供給力(モノ)」という明快な軸で整理している。
米国はドル覇権によって世界の決済・金融システムを支配し、中国は世界最大のモノの生産拠点としての地位を武器に、そのドル体制を切り崩そうとしている。ウクライナ情勢も、「米中通貨代理戦争」として扱われている。ロシアの資源と中国のモノを人民元決済で結びつけることで、脱ドル化が着々と進んでいるからだ。
この「カネとモノ」という切り口は、複雑な国際政治をシンプルに整理する強力なレンズといえるだろう。
■人民元帝国の野望と脆弱性
中国の戦略は多層的だ。「一帯一路」を通じた人民元経済圏の拡大、デジタル人民元による監視社会との一体化、そして香港の金融機能の取り込みによる西側資金の吸収——いずれも「人民元帝国」確立へ向けた布石として描かれている。
しかし本書は、中国の強さだけでなく脆さにも触れている。不動産バブルの崩壊と膨大な債務は習近平政権の最大のアキレス腱であり、3期目に入った習政権の焦燥感の根っこにはこの「行き詰まった成長モデル」への危機感があると指摘する。強気な対外姿勢の裏側にある内部矛盾がこの先どのように展開するのか。
■日本への警鐘
本書が特に力を込めているのが日本への問題提起だ。長引くデフレと緊縮財政で経済力が弱体化する中、チャイナマネーによる不動産・企業の買い占めが静かに進んでいるという。中国富裕層も未来の見通しが不明瞭なので人民元を不動産などの資産に替えておきたいのだ。基軸通貨ドルとの戦いの行く末がどうなるか彼らもわからない。
この問題への著者の処方箋は明確だ。日米同盟を「通貨・金融・貿易・軍事を統合した総合的な枠組み」へと昇華させ、人民元の脅威を日米共通の認識として共有すること。2026年現在、高市政権がトランプ政権とのパートナーシップを強化しながら防衛力の増強を進めている姿は、本書が求めた方向性と重なって見える。
■まとめ
世界最大のヘッジファンド、ブリッジ・ウォーターの創業者レイ・ダリオが「世界秩序は崩壊し、最終局面に入った」と警告を発したことがバズっている。その背景に何が起こっているのか。本書は「時代の構造を読む地図の断片」と言える。
読み終えた後に残るのは「備えよ」という静かで重い緊張感だ。激動の2020年代後半を生き抜くための基礎教養として、手元に置いておく一冊としたい。 -
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ネタバレ財務省と安倍晋三さんとの戦いの歴史よりも、財務省が如何に政界に食い込んできて省是の増税工作を行っているかが印象に残った一冊でした。以下は、自分の備忘録です。
・岸田文雄は2021年、自民党に総裁直轄機関として「財政健全化推進本部」を作ってしまった。
・YCCは、財務省に忖度した黒田さんが安倍総理に消費税増税を促すために行った金融手法でないかと田村秀男さんは見ている。
・財務省は今も昔のままの天下り、渡り、の文化があるためOBでも財務省に逆らえない。
・財務省の真の意図は消費税の15%以上への引き上げで防衛費増額はさらなる消費増税へのまたとない踏み台。
・野党が政権を取っても政権運営できないのは、学び舎でもある政務調査会が機能していないから。 -
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タイトルに「備えよ!」
とあるが、備え方は記されていないので、対処法を求める向きは釣られないように。
安倍外交のみならず、財界の中国詣でが活発になっており、本書では第三次中国投資ブームなどと名付けている。
昨今の米国による中国締付けの動きに反するのでは?と思えなくもないが、それも含めて米との調整があっての話だろうという推測。
無論それは、中国の未来がバラ色だから、というわけではない。
日中スワップを通して日本の緩和マネーで中国経済の崩壊を極力緩やかにさせるところまで折込んでいるに過ぎず、
そこはちゃんと気をつけておきなさいよ、というのが著者らの結論。
それをしたところで感謝されるわけでもなく、いやはや、どこまでいってもお人好しな国である。 -
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元日経のエース記者が日経新聞の問題点を提示し、日本経済を苦境に追いやった責任を追及する。「日経は財務省と日銀に頭が上がらない」「日経の記者の多くは経済学を学んでいない」とびっくりするようなことが書いてある。
僕は日経を購読しているので、否応もなく日経の論調や社説の影響を受ける。自分の考え方に影響を与え続ける存在のことをしっかりと知れてよかった。
個人的には、日経には経済紙としてのライバルがいないことが問題ではないかと思う。ライバルがいないから、記事の質を高めようとか、圧力に負けずにスクープをあげるとかの努力がされないんじゃないかと思う。