田村秀男のレビュー一覧
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安倍さんバンザーイみたいな感じだけど、戦後からつづく日本経済の浮き沈みを解説してくれる良本。民主党政権の裏側(事業仕分けは財務省のヤラセだったんかい!)とか宮沢喜一さんが史上最悪の首相だとか驚きと好奇心いっぱいで楽しめた。
この本と出会わなければ「消費税増税=高齢化社会への当然の備え」という単純な知識で終わっていたと思う。
ざっくり省略して、戦費を国債で賄った大東亜戦争の教訓から、税収と歳出がつり合う均衡財政(PB)を財務省は目標に掲げた。これは家計に例えると、パパの給料アップ(増税)に支出をケチる(緊縮財政)ことで、無借金&ママ(大蔵省)のへそくりも増えてニッコリという話。
する -
Posted by ブクログ
グラフがオールカラーで見やすく、日付つきのコラム調になっていて、同じフレーズが度々出ることから、おそらく産経新聞発行の著者のコラムを寄せ集めたものを一冊の本として上梓したもののようです。その辺りの記載は欲しかったですが、全般的にはとても勉強になったので、不満はなかったです。中国経済の衰退を如実に表す数々のデータと知見は経済記者である著者ならではのもので、非常に分かり易く勉強になります。同じフレーズ、例えば、「人民元は中国の外貨準備に依存しており、その外貨は海外資本流出によって減っているために、大規模な金融緩和を行うことができない」など、度々出てくるので多少は気になりましたが、自分の忘れっぽい頭
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Posted by ブクログ
1970年から現在まで50年以上の経済記者歴をもつ著者が目の当たりにしてきた日本経済の歴史を纏めた一冊です。卓越した経済の知識と共に、記者として長年、現場を見て記事を書いてきた著者が著した本書は経済の勉強にもなりますし、経済史に残る事件の裏側なども知ることが出来、とても有益な一冊でした。
個人的には、アジア通貨危機に関しての記述が詳細で分かり易く、特に関わりのあった政治家の動きまで把握することができ有益でした。
2013年、故安倍晋三総理が本田悦郎さんと共に、日銀総裁、副総裁を決める際に候補として挙がっていた岩田規久男氏から「総裁になるのではなく副総裁が良い」と返事をもらっていた事実についての -
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ネタバレ財務省と安倍晋三さんとの戦いの歴史よりも、財務省が如何に政界に食い込んできて省是の増税工作を行っているかが印象に残った一冊でした。以下は、自分の備忘録です。
・岸田文雄は2021年、自民党に総裁直轄機関として「財政健全化推進本部」を作ってしまった。
・YCCは、財務省に忖度した黒田さんが安倍総理に消費税増税を促すために行った金融手法でないかと田村秀男さんは見ている。
・財務省は今も昔のままの天下り、渡り、の文化があるためOBでも財務省に逆らえない。
・財務省の真の意図は消費税の15%以上への引き上げで防衛費増額はさらなる消費増税へのまたとない踏み台。
・野党が政権を取っても政権運営で -
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タイトルに「備えよ!」
とあるが、備え方は記されていないので、対処法を求める向きは釣られないように。
安倍外交のみならず、財界の中国詣でが活発になっており、本書では第三次中国投資ブームなどと名付けている。
昨今の米国による中国締付けの動きに反するのでは?と思えなくもないが、それも含めて米との調整があっての話だろうという推測。
無論それは、中国の未来がバラ色だから、というわけではない。
日中スワップを通して日本の緩和マネーで中国経済の崩壊を極力緩やかにさせるところまで折込んでいるに過ぎず、
そこはちゃんと気をつけておきなさいよ、というのが著者らの結論。
それをしたところで感謝されるわけでも -
Posted by ブクログ
元日経のエース記者が日経新聞の問題点を提示し、日本経済を苦境に追いやった責任を追及する。「日経は財務省と日銀に頭が上がらない」「日経の記者の多くは経済学を学んでいない」とびっくりするようなことが書いてある。
僕は日経を購読しているので、否応もなく日経の論調や社説の影響を受ける。自分の考え方に影響を与え続ける存在のことをしっかりと知れてよかった。
個人的には、日経には経済紙としてのライバルがいないことが問題ではないかと思う。ライバルがいないから、記事の質を高めようとか、圧力に負けずにスクープをあげるとかの努力がされないんじゃないかと思う。