いつもならぐうたら過ごすぽっぺん先生の日曜日なのですが、この日は…
アリスがウサギを追いかけて不思議の国に入っていったように、
ぽっぺん先生は小さい頃に読んでいた「なぞなぞのほん」という、絵本の中へ入っていってしまったのです…。
なぞなぞの答えを見つけないと、次のページに進めない。
全てのなぞに
...続きを読むこたえたら、もとの世界に戻ることができるのでしょうか…
ファンタジーの入口としては、ありがちなものかもしれません。
しかしなんとも飄々として、どこか哲学的な面持ち。。
動物や昆虫たちの会話はとってもシュール。
私が好きだったのは、ランニングをするブタ。
一人なのに、「ゼンタイトマレ」と言い、うしろにゼンタイが休んでいると言い張るので、
ぽっぺん先生がうしろには誰もいないと教えると、
「おい、私はいるか。私はいるか。」とヒステリックになるシーン。
なんだか禅問答のような、落語のような可笑しさ。
読書好きのダチョウに、このブタが、
「読書は心にかびが生える。」なんて言ったり…
他にもぬけがら町の住人、洋服たちが、ぽっぺん先生のことを『中身』だなんて言って、取り合いになったり…
ちょっとコワイ?!
お決まりのラストだろうと思いつつも、なんだか引き込まれて読んでしまう、そんな物語でした。
今手に入るのは岩波少年文庫のもののみですが、もとの筑摩の単行本は、手描きっぽいフォントが素敵でした。