9歳息子の本をチラ読み。
たいていの人が子ども時代に読んだだろうと思うけど、私自身は虫に興味を持てず読まなかった。
改めて読むとやはり素晴らしい。
貧しい生まれでいながら持ち前の好奇心で研究を続け、最終的には昆虫記を記すという大事業を成し遂げた。
やはり何ごとにもなぜ?どうして?という疑問を持つこと
...続きを読むが肝要なんだと感じた。
あとがきで、「四方を塀で囲まれた小石だらけの庭」がかぎりなく広い世界だったと書かれており、色々と考えさせられた。
移動手段が発達し、遠い異国が近く感じられる現代、どうしても遠くに目が行きがちだけど、実は身近にもひろい世界があるということ、着目するものや観察の解像度次第だということを思い知った。
虫1匹見るにしても、魚1匹食べるにしても、そこから何を学べるかはその人の観察眼次第、掘り下げ方次第なんだろう。
子どもへの教育も、わざわざ遠くに連れて行かなくても、高価な教材を買い与えなくても、身近なところに興味を持って一緒に不思議がるだけでも、いやむしろそのほうがこどもの好奇心を伸ばしてあげられるような気がする。
ファーブルは貧しかったけれど昆虫の研究に人生をかけることができた。別の見方をすると貧しかったからこそこういう世界に出会えたのかも知れない。
物や情報に溢れた今、あることのほうが豊かだと思いこんでいたが、実はないことのほうが豊かなのかも知れない。
広い世界には美しいものや素晴らしいものがたくさんあることを教えてあげたいと思っていたけど、実は本当に必要なことの全く逆なことを、してしまっていたかもしれない。
結局人間には物理的限界があるんだし、世界のことばかりに目を向けるんじゃなくて、身近なところに地に足つけて地道にやっていこうと思った。
この本のメインコンテンツも面白かった。
ただの事実の羅列でなく、何故不思議に思ったのか?どういうきっかけで見つけたのか?が著者の視点で、またストーリー仕立てで描かれているのですんなりとアタマに入ってきてぐんぐん惹きつけられる。事実だけだと無味乾燥でアタマを上滑りしていくので。。。
聞いたことがない昆虫もあったけど、色々と新しいことを知れて良かった。