舟崎克彦のレビュー一覧
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ネタバレそんなにページ数があるわけではないので
ササっと読めるかと。
だけれども考えさせられる内容があり
それがグサッと胸に突き刺さります。
だけれども、そんな言葉も発することのできない
生き物たちを追い詰めたのは、
まぎれもなく私たち、人間なんですよね。
エゴによって勝手に増やされたり、
思い通りにしようとしてひどい目にあわせたり…
特にペットブームの犠牲になったある犬種に
関して書かれていたその後に関しては
怒りを覚えました。
お前は命を何だと思ってるんだよ!!
と本当に思ってしまいました。
(むろんその人物には実刑が下りました。
当然だよ…)
あとは置き去りにされた犬。
向き合えないなら飼 -
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舟崎先生の「ぽっぺん先生シリーズ」小さい頃から愛読していましたが、この本には本当につい最近出会いました。先生の「原点」である、と言っていいのかなと思います。ぽっぺんシリーズにちりばめられている、鳥や生き物たちへの先生の愛情、人間の愚かさや身勝手さ。どうしようもない人間に寄り添いかたりかける生き物たち。その中で成長していく少年。少年が最後の友人を空へ放ったとき彼は大人になって、でもその友人たちはずっと心の中に寄り添い続けている。きっと自分も忘れてしまっているだけで、たくさんの友人たちとの出会いと別れを抱いて今があるのかもしれない。それもまた、人の身勝手な感情には違いないと思うけれど。
成長してい -
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うおお懐かしい。
そうそう、児童書だけど、さえない生物学科の大学助教授ぽっぺん先生が主人公で、わりと普通に学問用語やら論文のことやら出てくるのである。
なぞなぞの本に入り込んでしまったぽっぺん先生はもとの部屋へ戻ってこれるのか。
①ペリカンのくちばしには、なぜふくろがついているのでしょう
②タヌキ、クロブタ、ダチョウ、トガリネズミ。この中で、はなしのおもしろいどうぶつはどれでしょう
③カタツムリ、ミソサザイ、ワシ。この中で、にてもやいてもふかしても食べられないもの、それはいったいだれでしょう
④服がおふろにゆくとき、ポケットには何がはいっているでしょう
⑤イノシシの赤ん坊はなぜいつまでも眠れな -
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昔アニメで見たのはシリーズ2作目で、こちらは第1作。やはり昔読んだと思っていたのですが、読んでいたとしても、すっかりきっちり忘れてしまっています。
なぞなぞの本の中に入ってしまったぽっぺん先生は、なぞを解かなければ、元に帰れなくなってしまう。出会うのは変わった動物たち。はてさて、どうなるのか。
実に変です。本の中の世界がナンセンスな奇妙さに満ちています。それだけでなく、ぽっぺん先生自体もなかなかに変です。ぼやいてばかりの中年男性が主人公の児童書というのは、珍しいのではないでしょうか。ナンセンスの中にもちらりと皮肉をまぶしながら進むストーリーは面白いのですが、いかんせんメインとなるはずの「なぞな -
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まっすぐにおもしろかった。
ぽっぺん先生の舟崎克彦さん、最新作(岩波書店,2007,01,25)。
追われる三毛猫の冒険譚だ。そう言ってしまうとそこで終わってしまう。
が、終わらせたくない。どうやらこのものがたりが始まる前にも様々な動物たちと出会ってきたらしい。だが、生い立ちや氏素性となると、とんと分からない。ただ、珍しいオスの三毛猫。猫は自分の意思で生きてきた(?)。
ものがたりは辿り着いたホテルで束の間の休息を取るところから始まるが、が、休息どころかそこにクモザルの追っ手がやってくるところから急速に動き出す。
三毛猫は実に奇妙な動物たちと出会う、"春秋貝"を諮 -
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ネタバレ昔読んだんだけど、ちょっとした待ち時間に、ちょうどよく再読。やはり、舟崎克彦すごい、いいなあ、いいなあ。不思議の国のアリス的な、言葉を巡るイメージへのこだわりからくる、脈絡なく夢の連鎖してゆくような、自在なイメージの奔流。主体意識の反転、底なしの不定形な世界のかたち。きちんと、ほのかなブラック、恐怖を孕みながら鋭くアフォリズム、同時にすっとぼけた味わいの、独特のナンセンスファンタジー。ぽっぺん先生シリーズでホレこんだ独特の世界イメージ、これだ、これだ。夢の中の手触りのような。…芸術性の高いアニメーションになりそう。つくってほしいなあ。
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子どもの頃、大好きだった「ぽっぺん先生」シリーズ。
帰らずの沼と、日曜日は覚えているのに
笑うカモメ号は内容がまったく記憶になかった。
それもそのはず…今回再読して、納得。
これ、子どもには少し難しすぎる。
記憶、悪魔、誘惑、裏切り、進化論、夢、少年時代、母親…
それらのごった煮スープ。
特筆すべきはコトバ遊びのうまさ。
(ダジャレなんですが、うまい!)
それにしても
悪魔たちの醜悪さと対比して
カモメの美しさが切ない。
あんがい萌えキャラかもしれない。
いつかきっとアルカナイカにたどり着く日まで
ぽっぺん先生は、独身を貫き通すのかな…。