黒川創のレビュー一覧

  • 暗殺者たち

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     ロシアのサンクトペテルブルクに招かれた一人の日本人作家が、徳川時代のロシアと日本との「縁」を語る中で、漱石の小説『門』に描かれた伊藤博文暗殺事件と安重根、そして漱石が所属した東京朝日新聞記者の杉村楚人冠と幸徳秋水との関わりが紐解かれていく。小説の体裁をとった歴史エッセイ、というところか。連想が連想を呼び、後半は荒畑寒村、管野スガ、大石誠之助にまで話題が及ぶ。リサーチ力はさすがで、いろいろ教えてもらった。
     ただし、学生を前にした講演という設定にもかかわらず、まったく対話性が感じられないことに驚かされる。ずっと口語体が維持されているから、「講演」という設定は一貫しているものの、こんな話を延々と

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    2024年10月24日
  • 旅する少年

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     著者にしろ、原武史にしろ、自分とくらべると小学校高学年の時点において、思考、行動の点についてはるかに大人である。5~6年の時代の差よりも育った環境の差のようにも思えるのだが、その人間的な違いに愕然、呆然とするが、長じて達した立場の違いを考えれば、当然、当たり前のことかもしれない。

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    2022年03月06日
  • ウィーン近郊

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    黒川創氏の作品「京都」が好きだ。美しい観光地としての京都ではない京都。だから黒川氏の作品を読みたいと思っていた。
    ウィーンと二人きりの兄妹と外交官、そして兄の周りの人々。
    外交官の章がよかった。
    ウィーンの美しいだけではない別の顔、オーストリアの複雑な歴史等々。
    静かな、だけど深い、様々な解釈が出来る話のように感じた。
    最後にコロナウイルスによる混乱もしっかり描かれているのは今の時代のかな。

    「第三の男」を絡めて書かれていたのも面白かった。
    「第三の男」は学生のときに英語の授業で読んだ。
    当時は訳に必死で背景、その本題など理解できていなかった。
    改めて読んでみたくなった、日本語で。

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    2021年05月25日
  • 京都

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    社会学的見地から文学に昇華した京都小説。どんなものも受け入れるボーダーレスで懐の深さを見せつける一方で頑なに拒絶する、これもまた京都らしさか。京都で生まれ育った人に感想を聞いてみたい。
    外から見たら最も京都らしい、と思える小説。

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    2018年11月04日
  • 岩場の上から

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    ネタバレ

    よくないわけではない。でも今から30年も先の話なのに、ほとんど「進歩」が描かれていない。せいぜい自動運転車が走るくらい。まずその違和感があった。
     人物が複数出てきてなぜか「アキさん」だの「めぐみちゃん」だのと地の文に書く意図が分からない。真壁とかいう男が何のために出てきたのか。何よりシンの母親は何をしようとしていたのか、何故死んだのか。
     はじめはいろんな複線かと思ったが、これはもしかしたら描く技術の問題なのではないかと思った。
     せっかく原子力発電所の問題点を正面から捉えたのにねえ。もったいない作品というべきか。

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    2017年05月07日
  • いつか、この世界で起こっていたこと

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    「チェーホフの学校」
    登場人物の誰に重点が置かれているのか
    今一つ分からなかったけれど
    キノコ狩りについて知ることができたし
    チェーホフを再読したくなった。
    「神風」で語られる
    「クロアチア」・「ドゥブログニク」そして
    「福島」この小説に出会えてよかったと
    読後に思えた。
    「橋」は、この本のタイトルにピタリとはまった。

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    2015年11月02日
  • 京都

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    ちと重い話だったなあ・・・
    京都の地の人間じゃないんで、今一つピンと来ないが、感じは分かる。今も残ってるのかなあ、差別・・・

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    2015年03月15日
  • いつか、この世界で起こっていたこと

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    上質の文学作品。
    震災後に書かれた短編集で、
    津波や原発に触れる内容でした。
    センシティブな問題なので、
    捉え方は人それぞれだと思います。
    右か左かでしか物事が判断されかねない
    今日にあって貴重な一冊では無いでしょうか。
    「波」「泣く男」辺りが個人的には好みでした。
    面白い物ではありません。
    著者の思索の深さに着いていくのがやっとでした。

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    2014年09月08日
  • いつか、この世界で起こっていたこと

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    世界が変わり、森が変わっても、人びとは生きる。震災後に生きる人たちを小さな光で導く、深い思索にみちた連作短篇集。「うらん亭」「泣く男」など全6篇を収録。

    原発や原爆に何らかの関わりのある短編が並ぶ。久しぶりに上品な純文学を読んだ気がしたが、正直言ってやや退屈だった。私の純文学を読む知性・感性が鈍ってきているのだとしたら問題かも。
    (C)

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    2013年02月09日
  • いつか、この世界で起こっていたこと

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    あの2011.3.11の震災の日、
    おこっていたかもしれないこと

    車の中で、お母さんと子どもがしりとりをするシーン
    船で流されて、白鯨のメルビル船長の船と会うシーン
    2階に取り残された姪と叔父のシーン
    これが印象に残っている

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    2012年09月06日