黒川創のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ロシアのサンクトペテルブルクに招かれた一人の日本人作家が、徳川時代のロシアと日本との「縁」を語る中で、漱石の小説『門』に描かれた伊藤博文暗殺事件と安重根、そして漱石が所属した東京朝日新聞記者の杉村楚人冠と幸徳秋水との関わりが紐解かれていく。小説の体裁をとった歴史エッセイ、というところか。連想が連想を呼び、後半は荒畑寒村、管野スガ、大石誠之助にまで話題が及ぶ。リサーチ力はさすがで、いろいろ教えてもらった。
ただし、学生を前にした講演という設定にもかかわらず、まったく対話性が感じられないことに驚かされる。ずっと口語体が維持されているから、「講演」という設定は一貫しているものの、こんな話を延々と -
Posted by ブクログ
黒川創氏の作品「京都」が好きだ。美しい観光地としての京都ではない京都。だから黒川氏の作品を読みたいと思っていた。
ウィーンと二人きりの兄妹と外交官、そして兄の周りの人々。
外交官の章がよかった。
ウィーンの美しいだけではない別の顔、オーストリアの複雑な歴史等々。
静かな、だけど深い、様々な解釈が出来る話のように感じた。
最後にコロナウイルスによる混乱もしっかり描かれているのは今の時代のかな。
「第三の男」を絡めて書かれていたのも面白かった。
「第三の男」は学生のときに英語の授業で読んだ。
当時は訳に必死で背景、その本題など理解できていなかった。
改めて読んでみたくなった、日本語で。