あらすじ
二〇四五年、北関東の町「院加」では、伝説の奇岩の地下深くに、核燃料最終処分場造成が噂されていた。鎌倉からきた十七歳の少年。平和活動をする既婚のカップル。不動産ブローカー。役場勤めの若い女とボクサーの兄。海外派兵を拒む兵士たち。そして、奇岩から墜落死した少年の母……。日本の現在と未来を射抜く長篇小説。
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Posted by ブクログ
面白かった。現(安部)政権をモデルにしていると思われる、政府の ろくな説明をしないままに(むしろ国民に知られたくないがために)秘密裏にいろいろ決めてしまうところとか、傍受用の建物だって、建ってしまえば景色の一部と認識して 考えることを止めてしまう国民性とか、各方面に向けての批判が存分に込められている。
Posted by ブクログ
重苦しい小説です。
途中で息苦しくなって何度も閉じてしまいたくなりました。
それでも、やはり気になってまたページを開いてしまう。
使用済み核燃料の処理の問題、
それに関する市民運動への弾圧、
「積極的平和維持活動」という名の軍隊、そして参戦、
軍の施設から脱走する兵士、それを手助けする人たち
ー戦場に行くのはいやだ、家に帰らせてもらいたいー
というただ一つの要求を掲げて原発に籠城する兵士、
その生々しさに辟易しながらも、
まさにそれらが起きてしまう可能性を重ねながら読み進めてしまう
「この先、人類はもう滅びるしかないないでしょう」、と籠城する兵士の言葉が哀しい。