あらすじ
「平安建都千二百年」に沸く京都で、地図から消されようとしている小さな場所。たしかにそこにいたはずの、履物屋の老夫婦と少年の自分。千年百年単位で幾重にも塗りこめられた土地の記憶。自身が生まれ育った京都という町を舞台に、昭和三十年代から現在までの半世紀にわたって、人びとの営みの根源に触れる連作小説。
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Posted by ブクログ
1970年代から1990年代頃の京都を舞台に、地付の、しかし社会的に恵まれているとは言い難い人々の生をノスタルジックに描く。舞台となっている場所に多少なりとも行ったことがあれば、この物語への浸り方も変わってくるだろう。
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京都を舞台とした現代純文学作品。
京都市内中心部にある被差別部落を舞台としたこの作品は、京都の本当の魅力をふんだんに紹介している作品ともいえる。
こういった部分があるからこそ、京都という場所は世界に誇る歴史都市だと、この作品を読みながらあらためて実感することができた。
Posted by ブクログ
社会学的見地から文学に昇華した京都小説。どんなものも受け入れるボーダーレスで懐の深さを見せつける一方で頑なに拒絶する、これもまた京都らしさか。京都で生まれ育った人に感想を聞いてみたい。
外から見たら最も京都らしい、と思える小説。