H・G・ウェルズのレビュー一覧
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原題 The War of the Worlds
11/28は「火星の日」。1964/11/28に火星探査機マリナー4号が打ち上げられたことに因むそうです。その8か月後、マリナー4号が送ってきた画像を見て、人々は火星が「死の惑星」(ニューヨーク・タイムズ紙)であることを知り、失望します。ガリレオが初めて望遠鏡で火星を見たのが1610年。以来、火星の生命は人類の長年の夢だったんですね。
原題のWorldが複数形であることからもわかる通り、異なる世界同士の戦争(一方的ですが)です。初版が1898年。現在2021年だから…123年前。すごいなぁ。火星人の圧倒的な科学力の前に、なす術もない地球人。 -
購入済み
現在のSFはH・G・ウェルズの恩恵を受けていると思うたびに、凄い作家だと感服してしてしまう。古典SFを愛読しているのは、SF発想の原点だからだ。ヘンリー・ジェイムズから純文学を書くように勧められても、自分の世界をつらぬいたというそうだ。異星人との闘いから、透明人間、タイムマシン等、一体どこから奇抜な発想を思いついたのだろう。世界で最初の本格SF小説だから、発想の熱いロマンを分かち合いたい。
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Posted by ブクログ
現代に比べて宇宙や科学についての知識が十分じゃない19世紀末に書かれた物語だから、SFとしてのリアリティは薄れちゃうけど、この時代の人は、地球の海は宇宙から灰色に見えると思ってたんだなぁとか、当時の人が持てる知識を総動員して推測したであろう宇宙や地球のすがたの描写なんかも面白い。この本が出版された後に発生する
WW1のような、毒ガスなどの大量破壊兵器を用いて市民を無差別に殺戮する近代戦と、その殺戮下の市民の様子を予言していたのがすごい。
地球外にまさか高等かつ冷酷な知的生命体がいるとも思わず、地球に我が物顔でのさばっている人類。地球を狙う高度な地球外知的生命体の存在を仮定するとき、人類は、一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ10代の頃に一度読んだ記憶がある古典中の古典、復刊されたので久しぶりに手に取りました。作品内容はすっかり忘れてるんですけど、独特の和訳タイトルが今でもはっきり印象に残っています。「めずらしい蘭の花が咲く」とか「故エルヴシャム氏の物語」とか。なんと19世紀に発表された作品も収録されています。
今読むと、さすがに古いです。古いですが、そう思うのは主に訳文の古臭さが原因と思われ、描かれているSFとしてのアイディア、展開、そして何よりも情景描写の鮮やかさは、十分に通読に耐えうる骨太さを保ちえています。SFとしてはもちろんのこと、ひとえに「物語」としての完成度が高いのだと思います。
古典落語「一眼国」 -
購入済み
読後感想
実写の映画では表すことのできない素材であるがゆえに、古い作品ながら心地よい緊張感をもって読むことができる。惜しむらくは前半部分にもっと透明人間であることの快感が書かれていたら感情移入できたと思えるのが残念だった。
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1922刊の世界通史。
「1850年にはエジプト以外のアフリカは暗黒大陸であった…1900年までにヨーロッパ列強の間に、原住民の福利には無関心に分割された。ヨーロッパ色に塗りつぶすことが永久的解決と信じ…産業革命によってもたらされた一時的な優位が、人類指導権の証左とみなされ、科学知識が移転しうるものとは思い至らなかった」分裂しかけたオスマン帝国、インド、清、日本「アジアの人口稠密な文明諸国をも、搾取のための原料にすぎないかのように分割することに傾倒した」ところが、新たに日本が一強国として参入した。中世的から古今に類を見ない西欧化に成功…
第二次世界大戦前の、世界大戦は君主制独裁と民主主義の戦