植村直己のレビュー一覧
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☆毎度のことだから、もうロコ(バカ)と聞いても怒る気にもなれない。いいさ、バカと煙は高いところへ登りたがるんだ。おれは登ってやるぞ、ひとりで南米の最高峰へ・・・
☆しかし、山登りはたとえどんな山であろうと、自分で計画し、準備し、自分の足で登山する。その過程が苦しければ苦しいだけ、それを克服して登りきった喜びは大きい。
☆いくら私が冒険が好きだからといっても、経験と技術もなくて、また生還の可能性もない冒険に挑むことは、それは冒険でも、勇敢でもないのだ。無謀というべきものなのだ。それがどんなに素晴らしい挑戦であったにしても、生命を犠牲にしては意味がない。
言葉はいらないだろう。植村直巳になろ -
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■概略
世界で初めて五大陸の最高峰を制覇した日本人登山家・植村直己が記す登山日記。
ゴジュンバ・カンの攻略からマッキンリーの単独登攀まで、当時の日記を振り返りながら自らの人生を振り返っている。
■感想
この本を読み冒険家という人生の在り方を知り、衝撃を受けました。
ただひたすら自分の夢のために全力で今を生き、1つの夢の達成の後にはさらに大きな夢を描く。
将来のお金の心配や社会的立場などの現代的なしがらみに捕われず、自由に人生を謳歌する生き方。
翻って自分を見てみると、嫌になるほど多くの呪縛に捕われているような気がします。
この本は、人の敷いたレールを進みがちな自分に「人間は勇気を持って行動 -
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ネタバレいやー、やはり植村さんの文章力はすごい。読み手はどんどん引き込まれる。
本書は、植村さんが南極大陸横断にあたっての試験的な、訓練的なグリーンランド物語りであり、その際に関わったエスキモーとの文化の違いなどを、大変な文章力で綴る。しかしながら、冒険書は冒険書であり、内容も非常に興味深い。エスキモーは、犬橇を引く犬を、用に足さなくなると、皮を剥いで食べてしまうが、植村さんは、どうしてもそれができなかった。エスキモー部落から単独3000キロの特訓旅行に出て、危うく遭難しかけて、飢えかけても食べることはできなかったという。こんなとこにも植村さんの人柄がよく現れているといえよう。 -
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極北グリーンランドのイヌイットの人たちの氷に閉ざされた自然の生活を、作者自身もイヌイットの村民となって体験する様子がいきいきと伝わってきてさくさくと読み進めました。数ヶ月たらずで犬ぞりで数千キロの旅なんて、やっぱり植村直己さんは偉大だ。
衝撃だったのが「学校に行ったってなんの意味があるんだい、本を読んだって目が悪くなると狩りができなくなって生活に困るじゃないか」という村の人の言葉。ここでは生きることとは狩りをすること。本で得た知識で家族を養っているわけではない。本物の狩人は純粋に自然の生態系の一部だから、存在自体がすごく文明とはかけ離れた存在なのかも。そう考えると自然に生きる人と文明を築く人は -
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ネタバレ日本人初のエベレスト登頂。
五大陸の最高峰に足跡を残し、
北米マッキンリーに登頂するも命を落とした。
冒険家植村直己さんのエベレストをめぐる一冊。
山登りをしている人なら一度は手にする本かもしれません。
数年前、エベレスト街道を歩いた経験があります。
その時に通った場所の懐かしい地名が随所に散りばめられています。
当時私はナムチェバザールに入ったあたりで高所障害がでてきて、
その後何日かまともな食事をとることができず
つらい日々を過ごしました。
本書に出てくるエベレストを目指す人々は、
私が歩いた場所のさらにさらに上を目指す人たち。
どんなに厳しい環境を歩きとおしたのか、想像することすら