【感想・ネタバレ】極北に駆けるのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月23日

本を読み始めるまで上村直己という方の存在を知りませんでした。この小説はグリーンランド、イヌイットで過ごした日々を日記を基に物語として記述されています。当時の北極圏での生活は食文化、俗文化ともに日本とはかなり違う文化で新鮮感の塊です。またそこに住む犬も日本の飼い犬とは違い、犬橇用の動物として想像以上に...続きを読むキツく調教されていることも知りカルチャーショックを受けましたが生きる為には仕方がない事だと思います。素敵な本でした。

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Posted by ブクログ 2019年02月06日

とても軽く楽しめる。冒険そのものよりも、土地の文化や風習、人々の暮らしが瑞々しく描かれた部分に引き込まれてしまう。単独で冒険に行っているように見えても、冒険の場所にはいつも暖かな人々との交流があるようだ。

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Posted by ブクログ 2017年09月21日

すごい、の一言しかない。極北での生活の在り方や、植村直己の冒険に向けたまっすぐな意志、そして極北の驚異にはっとさせられることばかりだった。

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Posted by ブクログ 2021年05月07日

ノンフィクションの極地での冒険譚に興味を惹かれないわけはなく、ドキドキハラハラしながらページをめくった。

最初、雪が積もっているところはどこへでも犬橇で行けるものだと思っていた。だが読みすすめて分かったことには当地では冬に海が凍結してからしか橇に乗らないこと。陸上でなく凍った海上を橇で進むらしいの...続きを読むだ。
一時的に凍っているだけの極寒の海の上を橇で進むなんて正気の沙汰じゃない。
想像以上の危険と恐怖にヒエーと怯えながら読んだ。
特に3,000キロの犬橇の旅はヒヤヒヤしながら読み進めた。極寒の地でテント泊をしながら、白熊に怯え、食料危機や悪天候に悩まされながら、読んでいるだけとはいえスリル満点である。

この本の別の魅力としては、イヌイットの文化・生活の描写、またその生活にどのように適応していったのかの描写が挙げられる。
これまでイヌイットの文化・生活を全く知らなかったのもあり、生肉文化や排泄について、また開放的なSEX観、アルコールの制限や犬ぞりや犬との付き合い方、狩猟の方法など色々と衝撃的であり刺激的だった。
著者のこれまでの挑戦、不屈の精神、そして実行力にはただただすごいの一言なのだけど、それにも劣らぬこの異文化への適応力とリスペクトもすごいと感心した。
氷点下を上回ることのない気温、生肉を食する文化、洗濯やお風呂にも不自由する生活。。。何から何まで自分には1ミリたりとも無理だと感じることばかり。

またこの本のもう一つの魅力は、著者植村直己自身の人柄の魅力だろうなぁ〜と思う。
彼の不屈の精神やチャレンジ精神はもちろん、現地の人や文化への敬意と自ら適応し歩み寄る姿勢、熱い情熱と併せ持つ冷静で適正な判断力、そして何より人懐っこい性格や笑顔。イヌイットの人々が暖かくフレンドリーというのもあるだろうけど、この人の人柄や人間力のおかげで関係性を築けたんだろうと思う。

そして「冒険とは生きて帰ること」というフレーズがとても印象的だった。この言葉に彼の決意や哲学をみたような気がした。

カテゴライズとしては冒険の本なんだろうけど、個人的な読後感としては「愛」だと感じた。人々に対する、文化に対する、自然に対する、まだ見ぬ冒険に対する愛がこの本のどこを切り取っても感じられる。

現代でも北部グリーンランドまで行くというのはハードルの高いことだと思うけれど、これを四半世紀以上前に発想できる、そして実行してしまえる著者はすごいなと思った。ボキャがなくすごいしか出てこないけど。。。

その後ネットで犬橇での南極単独横断は叶わぬまま帰らぬ人となったことを知った。とても残念に思うけれど、その壮大な挑戦に挑み、諦めず、一歩一歩努力し、高みを目指したこと自体に意義があると思う。

できれば植村直己著の他の書籍も読んでみたいなと思った。

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Posted by ブクログ 2020年04月02日

植村直巳と言えば、日本を代表する偉大な冒険家。その植村直巳のグリーンランドでのエスキモー(イヌイット)と一緒に住み、犬橇の扱い方・極地の寒さに慣れた過程を記した伝記。「青春を山に賭けて」に比べれば、グリーンランドでの生活だけに絞っているため、少し弱いが、それでも十分過ぎるほど植村直巳の凄さ、そのバイ...続きを読むタリティ、熱気、人の良さが伝わってくる。
現代社会で日々悶々としている人たちに是非読んで欲しい作品。
冒険に出かけたくなる作品であり、より植村直巳が好きになり、尊敬する作品だった。電子書籍化されている。

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Posted by ブクログ 2019年07月27日

文章もうまくて言うことなし。現代の冒険家はこのような豊穣な冒険が残されていないことを充分に認識してそれでもやらずにはいられないのだな、と切ない気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2015年05月30日

北極圏を犬ぞりで走り抜ける探検を記録した本作。
実際に犬ぞりで走っているところも面白いけれど、それ以上に準備期間が面白い。
言葉も通じないイヌイットと交流し、犬ぞりなど極北を生き抜くのに必要な技術を身につけて行く様子がいきいきと描かれている。

探検は征服ではなく順応なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年05月14日

自分の当たり前を疑い、考え直すのに最高の本

ありきたりな日常に嫌気がさし、見知らぬ土地に冒険を求めたくなることが誰にでもあると思います。

そうしたとき、非日常を存分に楽しめる本です。

もしくは、その冒険を本気で実行したいと思ったとき、本当にその覚悟があるかどうかを問い正されるような本です。

...続きを読むいずれにせよ、高い目標に向けて挑戦する人に、行動する勇気を与えてくれます。

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Posted by ブクログ 2019年07月30日

いやー、やはり植村さんの文章力はすごい。読み手はどんどん引き込まれる。
本書は、植村さんが南極大陸横断にあたっての試験的な、訓練的なグリーンランド物語りであり、その際に関わったエスキモーとの文化の違いなどを、大変な文章力で綴る。しかしながら、冒険書は冒険書であり、内容も非常に興味深い。エスキモーは、...続きを読む犬橇を引く犬を、用に足さなくなると、皮を剥いで食べてしまうが、植村さんは、どうしてもそれができなかった。エスキモー部落から単独3000キロの特訓旅行に出て、危うく遭難しかけて、飢えかけても食べることはできなかったという。こんなとこにも植村さんの人柄がよく現れているといえよう。

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Posted by ブクログ 2017年07月04日

犬ぞりでの旅が如何に厳しいものであるかを理解できた。
現在はどうやって北極点や南極点へ行っているのだろうか?

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Posted by ブクログ 2015年09月02日

偉大なる冒険家の偉大なる挑戦の一編。
しかし日々の思考は泥臭く至って普通の感性を持っていると感じる。
周りから無茶だと言われていたことに挑戦する姿勢は素晴らしいが目的地をあえて周りの人達に言わずにいつでも予定を変更できるようにすることなどはいかにも人間臭いと思う。

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Posted by ブクログ 2012年07月01日

極北グリーンランドのイヌイットの人たちの氷に閉ざされた自然の生活を、作者自身もイヌイットの村民となって体験する様子がいきいきと伝わってきてさくさくと読み進めました。数ヶ月たらずで犬ぞりで数千キロの旅なんて、やっぱり植村直己さんは偉大だ。
衝撃だったのが「学校に行ったってなんの意味があるんだい、本を読...続きを読むんだって目が悪くなると狩りができなくなって生活に困るじゃないか」という村の人の言葉。ここでは生きることとは狩りをすること。本で得た知識で家族を養っているわけではない。本物の狩人は純粋に自然の生態系の一部だから、存在自体がすごく文明とはかけ離れた存在なのかも。そう考えると自然に生きる人と文明を築く人はもしかしたら相容れないものなのかな。
絶妙なバランスで成り立っていたイヌイットの人々と狩りの関係が、温暖化や入植民の影響であれこれ劇的に変わっていることは初めて知った。ヒマラヤのシェルパの村が溶けた氷河に流されそうな今の危機的な状況と、なにか重なるものがあります。世界のあちこちでこういう状況にあることをもっと知って、広めるのも大事なのかな。

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