横山紘一のレビュー一覧

  • 十牛図入門 「新しい自分」への道

    Posted by ブクログ

    十牛図入門
    「新しい自分」への道
    著:横山 紘一
    紙版
    幻冬舎新書 078

    十牛図は、禅の入門書である

    人生の目的は、3つ、①自己究明、②生死解決、③他者救済
     ①自己究明 自分さがし
     ②生死解決 自分の死を、自らで解決する
     ③他者救済 他人とともども幸せに生きる

    真の自己を究明するための禅の修行を十の図で示したものが、十牛図でです

    気になったのは、以下です。

    ■十牛図と禅宗、唯識論

     牛:真の自分
     牧人:真の自分(牛)を追い求める自分

    禅の根底にあるのが、唯識思想

     唯識無境 外界には、「もの」はなく、「識」だけがある
     人々唯識 一人ひとりの世界は、阿頼耶識から生じた

    0
    2024年08月03日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三蔵法師が命を懸けて追い求めるほどハマった唯識思想を平易な言葉で解説した本。
    正直半分も理解できたか怪しいが、少し理解できただけでも、何やら途轍もない思想に出会ってしまったと感じた。
    唯識の思想とは、簡単に言うと、すべての存在は心の中に認識されて初めて成立する、とした思想だ。具体的にどういうことかは、作中のピラミッドの例がわかりやすい。ピラミッドを見て、人はピラミッドがあると言うが、よく見れば、ただそれを構成している石があるだけ。石を積み上げたものをピラミッドと名付け、認識することで初めてピラミッドは存在する。
    ここまでだとヨーロッパ的唯心論と変わらないが、唯識の思想はここからさらに進む。唯識

    0
    2024年02月18日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    唯識について誰もが分かる本ではないかと思う。
    かつ、分かるが故に分からないというところまで案内される。
    末那識や阿頼耶識の存在はヨーガをしないと分からないし、五識や意識の本当の使い方も仏教でいう修行を行わなければ分からない。
    何より、正聞熏習と無分別智の両方の理解と実践が欠かせない。
    それを行ってもなお仏様には届かないのだからとてつもない。

    仏教哲学の中の唯識は特に論理的で腑に落ちる。
    しかし腑に落ちても末那識や阿頼耶識まで落ちているのか、そもそも意識して理解できているのか、本当のところは分からない。

    私たちは私たちのことも分からないのに、何かを分かったかのように振る舞う。
    私たちも自分を

    0
    2023年08月07日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    仏教初学者で唯識論の勉強をしたいと思い本書を手に取りました。結論から言えば大変満足しています。文庫本でページも300ページ弱ですからすぐ読めるかと思いましたが、思った以上に中身が濃かったです。これは良い意味で期待を裏切ってくれました。線を引いた箇所の数があまりにも多いので、本書の良さを端的に説明できないのですが、唯識思想だけでなくそのほか仏教全般にも通じる智慧を本書は多数散りばめている印象を受けました。「唯だ心(識)だけが存在する」、しかし識は「非有非無」、つまりあるけれどないものです。座禅では「心を無にする」といいますが、まさにその状態は心がありません。つまり心は空だというわけですが、その先

    1
    2023年05月02日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    難解であったけど面白かったです。自分がみているもの、聞いているもの、嗅いでいるものなどはみんな心から生み出されている。感じさせられていると。自分や他者は実は存在しないと。

    0
    2023年01月03日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    唯識論を理解したくて手に取った。まだ理解できない箇所も多くあったが、初めて触れた唯識の世界の奥深さに心打たれた。自分の意識とは何かを考えるきっかけとなった。

    0
    2022年12月20日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    唯識思想について書かれた入門書と言われて読みました。
    わかりやすかった。
    この本を読んでから末那識と阿頼耶識という言葉が聖闘士星矢のハーデス編にも出てくると聞いてすぐに聖闘士星矢を全巻買ってしまった。

    0
    2022年02月11日
  • 十牛図入門 「新しい自分」への道

    Posted by ブクログ

    人の成長モデルは医者や学者の言う物とは違う、そう感じている人にとって十牛図はしっくりくるだろう。生まれて育ち老いる、の単純なものではない。人の成長は細胞レベルでの生死の連続、それは否定の連続でもある。見かけでは分からないが同じ身体の状態は一瞬たりと無い。若い頃には理解出来なかったろう。NHKの大人の一休さんという番組で、悩める一休さんにお上人が30年経てば分かると諭した、というのがあった。成長とは一生かけての変化であり、壊れ枯れ朽ちていくイメージでは無いと思う。そのモデルとしての十牛図だろう。葛飾北斎は年老いてなお、もっと歳をとればもっと絵が上手くなると言ったそうだ。ユングの錬金術にも似ている

    0
    2016年07月18日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    ここまでの利他の精神を持つことは、私には到底出来そうにないが、考え方を知れたことは財産になった。また、定期的に読み返そう。60歳で再読した時にはどう感じるだろうか。

    0
    2025年12月02日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    唯識=「唯、識のみ」。

    世界は自分の認識次第でいかようにも捉えられる。
    ずっと惹かれてきた考え方です。

    けれど一歩踏み込んでみると、
    簡単な「前向き思考」だけじゃないんですね。

     コップに半分しか水がない
     コップに半分も水がある

    …のたとえはよく聞きますが、

    ある時は「半分もある」と思えるものの、
    喉が渇いたり、イライラすると
    「半分しかないじゃん!」
    と物足りなさを感じる時もある。

    そもそも「自分」という存在がままならないし
    「認識」すら思うように扱えない。

    ここらへんが、唯識のむずかしさであり、
    同時におもしろさでもあるとも感じます。

    そこで本書を手に取ってみたものの

    0
    2025年09月30日
  • 《唯識》で出会う未知の自分 仏教的こころの領域入門

    Posted by ブクログ

    大乗仏教で言われる根本思想の一つ。唯識論。
    この世の物事は全て主体の認識によるものである。

    と言ってしまえば、わかったような気になるが、その背景には緻密な論理が構築されている。
    表題は唯識論となっているが、ある高校での倫理の授業での講義を元に作られたようなので、根本的な「なぜ生きるか?」というところまで議題が発展しており、興味深い。
    また、仏教だけでなく古今東西の哲学からの引用や比較もなされているのが個人的には良かった。

    仏教や思想については異論ないが、社会問題の認識
    ついては?があった。(とはいえ1976年に書かれたものなので、当時はそうだったのかもしれんが)

    仏教のキーワードを再整理

    0
    2024年09月08日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    難しかった 仏教の思想の基本的な考え方なのだろうけど、少し難しかった。
    最後の章にまとめが書かれていたので、助かった。

    0
    2025年12月03日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    腑に落ちたとはとても言えないけど、唯識が実践的、科学的な思考体系だといわれる所は何となく感じる事ができた。

    ・見えているものは自分の心が作り出す鏡像世界
    ・一人一宇宙(ヒトだけに限らない)
    ・心の深層(末那識、阿頼耶識)

    西遊記レベルしか知らなかった玄奘をもう少し知る事ができ、故郷の奈良との繋がりも知れて感慨深かった。(このあたりはコテンラジオの玄奘回と併せて)

    0
    2023年01月29日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    前章までに説明済みの言葉や観念についても繰り返し説明してくれるので、安心して読み進める事ができ、唯識のほんの入り口を知る事ができた。

    仏教は、信者が共通認識を持って神を崇めるキリスト教やイスラム教とは違い、宗教というよりは哲学というイメージがあったが、「すべての宗教は「苦からの解脱」を共通の目的とする」という一文にハッとさせられた。

    何度も再読したくなる本です。

    0
    2022年01月19日
  • 《唯識》で出会う未知の自分 仏教的こころの領域入門

    Posted by ブクログ

    概念を理解するのが難しい唯識を、少し理解できたような感覚を得られた。何となく言っていることがわかるけど、具体に入ると難しい。

    実際この唯識を会得するために長きに渡り修行している人がいるのだから、一冊読書しただけで分かるものではないと思う。教養として、一歩目として読む本。

    0
    2021年08月09日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    今ハマっているコテンラジオという番組で紹介された本書。
    三蔵法師(玄奘三蔵)を理解する上で、必要な唯識論を「わかりやすく」解説したという本という紹介内容であった。

    ただ、本書の冒頭で、唯識論の理解は、「1人1宇宙」という事実を認めることから始まる、とあり、トンデモ論的な印象を受けた。
    また、最終的にも、今の自分の考えとかけ離れすぎてて、難しすぎる笑
    簡単に腹落ちできない…。
    根本は、「ただ身体、ただ心があるだけ」という考え方のようで、言ってることはわかるけど、なかなか難しい。

    ただ、その中でも、
    ・私たちが認識している世界は「ある」のではなく、「なる」のです。
    ・なるというよりも自分が作り

    0
    2021年01月31日
  • 十牛図入門 「新しい自分」への道

    Posted by ブクログ

    禅宗の「十牛図(じゅうぎゅうず)」だけど「物事を体得して悟りの境地が拓かれる」、(悟りがどんなかは知らないが)誰にでもわかるように一般化した体験ストーリーなんだろうと想像する。

    絵を順を追って解説しているが、本書は「唯識(ゆいしき)」の文脈で読み解くところが二度美味しい(1冊で2つを学べる)。

    しかし正直、本書を読むだけでは唯識について「???」が膨らむばかりでモヤモヤしている。

    0
    2019年01月16日
  • 唯識の思想

    Posted by ブクログ

    三島由紀夫の『豊饒の海』を読んだ後、唯識思想を理解するために読みました。入門として知るべきことはすべてわかった気になれました。あとは、「暁の寺」の中の三島による唯識を読み直せば良いのではないか。真に理解できているのかはまったくわからないが、認識によって世界を把握するということがわかりやすく解説されている。良書。

    0
    2018年02月08日
  • 十牛図入門 「新しい自分」への道

    Posted by ブクログ

    禅の悟りの道筋を示す十牛図。昔から興味はあったのだが、最近、関心のあるオットー・シャーマーのU理論って、十牛図と似てるんじゃないの?とふと思い、唯識論の研究で有名な横山先生の入門書を読んでみる。

    と、なんだこれって、やっぱりU理論そのものじゃ、ないか!それだけじゃなく、「出現する未来」的な持続可能な社会への個人の目覚めみたいなのもあるし、さらには最近関心をもっているオートポイエーシスとかとも当然関係している。

    21世紀は、仏教の「空」の思想に収斂していく、と確信した。

    0
    2017年05月03日
  • 十牛図入門 「新しい自分」への道

    Posted by ブクログ

    なるほど!ということではないが、言われてみて味わい深い。
    人の心の移ろいがこのような絵になる。
    再び見て、ものを思う。

    0
    2016年09月19日